抄録
疎水性高密度非多孔質膜による膜分離法を用いた廃食用油の再生技術を開発した。本法は, フライ油の全体的な劣化指針となる極性物質の改善率52~61%を示し, 従来法である酸化マグネシウムや活性白土を用いた吸着法より, 品質の優れた食用油の再生が可能になった。本法と吸着法との組み合わせにより, 遊離脂肪酸や酸化生成物の除去も可能になり, より品質の良好な食用油再生が実現できた。本膜の液体分離における特性を解明したことにより, 本法が廃食用油再生のみならず, 各種油状物質の精製・分離に応用できる可能性を示した。