オレオサイエンス
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特集総合論文
アルコールの環境調和型酸化
酸化触媒TEMPO
平下 恒久
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2006 年 6 巻 8 号 p. 409-415

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抄録
2, 2, 2, 6-テトラメチルピペリジニル-1-オキシラジカル (TEMPO) は, 次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤による酸化反応のよい触媒として作用する。本反応はオキソアンモニウムカチオンが実際の酸化剤として作用し, 第1級アルコールはアルデヒドに, 第2級アルコールはケトンに選択的に酸化できる。また, ルテニウムや銅などの遷移金属触媒と共に用いると, 酸素を終末酸化剤としてアルコールを酸化できる。銅触媒は主に第1級アルコールのみに有効であるが, ルテニウム触媒, 特にRuCl2 (PPh3) 3触媒は広範なアルコールに適応可能である。グリーンケミストリーの観点からTEMPOの回収, 再利用のため種々のポリマー担持TEMPOが検討されている。また, 種々の官能基をもつTEMPOが調製されており, 例えばイオン性液体中での酸化反応後, 溶媒と共に再利用が検討されている。
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© 2006 公益社団法人 日本油化学会
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