2019 年 85 巻 3 号 p. 297-304
海亀脱出装置の脱出口を覆う扉の閉扉力を静水下と流水下で調べ,流水下においても海亀が脱出可能で,海亀の脱出後に自律的に閉鎖する扉の仕様を検討した。閉扉力は,土台ネットと扉枠との重ね合わせ幅と,扉の水中重量が大きいほど大きかった。重ね合わせ幅が関与するモーメントは扉の開放角度の増加に伴って増加し,水中重量が関与するモーメントは減少した。開放側から0.8ノットの流れを受けても自律的に閉鎖する扉枠直径6.0 mm,重ね合わせ幅0.2 mの扉は,同様の流れを支点側から受けた場合でも海亀が脱出可能な仕様であった。