2019 年 85 巻 3 号 p. 343-345
近年,クルマエビ漁獲量の減少に伴い,種苗生産に使用する親エビの確保が難しくなっている。そのため,水槽で飼育した親エビを用いた採卵技術の確立が求められているが,交尾が十分に行われないことが問題となっている。そこで,水槽内で交尾が行われる条件を明らかにするため,水槽サイズ,底質,曝気による音と振動,水槽壁の衝撃吸収性と交尾との関係を調査した。その結果,前二者は交尾に影響を与え,アンスラサイトを底質に用いた場合には底面積が0.75 m2以上で交尾が行われた。一方,後二者は交尾に影響を及ぼさなかった。