二つの相の轉移點の近くでは搖らぎが大きくなる爲相は一様ではなくなる.即ち第一の相の中に新しい相の芽が發生して來るが, この事情は固態の中に液態の粒が生ずる様な場合最も考へ易い.§1に於て凝縮系を考へてこの現象を論じたが, その結果轉移點に於ける異常比熱, イオン傳導度の異常等が導かれる.氣相から液相に移る場合にも擴張は容易である (§2).この場合は氣態に對するMayer等の嚴密な理論との類似 (§3) が注目され, 同様にして極く一般の相變化の有無, 性質, 次數の區別等も或程度理解し論ぜられる (§4).
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