現代社会学研究
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13 巻
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 鎌田 とし子
    2000 年 13 巻 p. 1-26
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 長野県東信地域における二つの住民運動の比較分析
    角 一典
    2000 年 13 巻 p. 27-43
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    本稿は,長野県東信地域における,ゴルフ場建設反対運動と新幹線建設反対運動という,二つの住民運動を事例として,「政治的機会構造(Political Opportunity Structure=POS)」に注目しながら,住民運動の成功/失敗を左右する条件について考察した。その際,POSを構造的POSと流動的POSに分けて検討を加えた。その結果,二つの住民運動の間には構造的POSと流動的POSの双方において相違がみられた。構造的POSに関しては,「地元同意」を行う主体へのアクセス性,流動的POSに関しては,保守エリートとの関係が住民運動の帰結を左右する重要な変数であり,相対的にゴルフ場建設反対運動ではPOSが開放されており,新幹線建設反対運動でのPOSは閉鎖的であるととが確認された。また流動的POSである保守エリートとの関係は,構造的POSである「地元同意」を行う主体へのアクセスの開放・閉鎖とも関連していることもわかった。
    本稿の対象である長野県東信地域は,都市―周辺という軸の上では後者に属しており,本稿での結果は,こうした条件とも密接に関連している。すなわち,周辺地域において保守エリートの動向が住民運動の帰結を左右するということは,個人化および多党化の進んだ都市部ではなく,いまだ保守エリートによる名望家支配が有力な権力構造となっている,周辺部においてのみ適合的なのである。
  • アメリカ地方紙"THE OREGONIAN"の「死者略歴欄」内容分析
    片桐 資津子
    2000 年 13 巻 p. 45-60
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は,D.J.レビンソンが明らかにした,男性の「中年期」における「中年危機」と「中年の最盛期」を敷衍させ,女性をも含めたかたちで「老年期」における《老年危機》と《老年の最盛期》の存在可能性を実証することにある。
    そのため,まず第一に,アメリカオレゴン州の地方紙『ジ・オレゴニアン』に掲載される「死者略歴欄」に着目し,これに内容分析を施すことで「個人史の基本軸」をデータとした。第二に,レビンソンのいう「生活構造」が変化する要因を,『引っ越し』という個人の地域移動に限定して考察した。なぜなら,『引っ越し』には大幅なパーソナル・ネットワークの変容(=生活変容)がともなうからである。その上で第三に,人生の「過渡期」と『引っ越し』を重ね合わせ,「中年期」だけでなく「老年期」においても「過渡期」と「安定期」が連続的に現われ,《老年危機》と《老年の最盛期》が存在する可能性を示唆した。
  • 創価学会員の入信動機に注目して
    猪瀬 優理
    2000 年 13 巻 p. 61-79
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    本稿は,教団の持つ性別役割観が信者の「入信動機」に与える影響を検証している。本稿では,宗教集団の呈示する性別に関するディスコースを,教団の「ジェンダー」(男性/女性の区分基準)を構成するものとして分析対象とした。事例分析においては,「入信動機」を信者の主観的構成物と見なして,そこに現れる男女差について検討した。このような方法論を用いる理由は,次の二つである。1)「入信動機」は,自分の信仰を自分の人生の中に位置づけようとする場合,何度も解釈し直されるものであること。2)その際には,「性別」というカテゴリーが重要な準拠枠となりうること。
    創価学会員の「入信動機」を分析した結果から,以下の2点の知見が得られた。1)男性は「入信動機」を,自分の職業に関わる問題などの「自分自身の問題」として捉えようとする傾向が強い。2)女性は,子どもや家族のこと,結婚,母親からの信仰を継承した事など,「他者との関係性」から信仰を位置づける傾向が強い。創価学会は,「男性は職場,女性は家庭と社会」という性別役割観を持っている。事例分析から,このような教団の性別役割観が信者に受容されていることが事例から確認された。そのとき,信者は,受動的に教団の性別に関わるディスコースを受容しているのではなく,自分の人生を肯定的に解釈する為の道具として能動的に教団のディスコースを利用している側面が確認された。
  • 運動間ネットワーク・運動の中断・「溢れ出し効果」
    西城戸 誠
    2000 年 13 巻 p. 81-98
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    社会運動の組織的基盤などの動員構造に関する従来の研究は,既存の組織やネットワークの有無やその形態の議論に留まっているように思われる。そもそも運動に参加した諸集団のネットワークといった動員構造がどのように形成され,維持し変容していったのかという分析は萌芽的段階である。その問題点として,分析視角が単一の動員過程を想定し,運動と運動の問の中断状況や,先行運動による後続運動への「溢れ出し効果」を考慮に入れていないためであると考える。本稿の目的は,北海道札幌市における都市近郊の自然環境・住環境をめぐる4つのイッシューの運動を事例として,運動組織などの集団間ネットワークの形成・維持・変容を記述し,先行運動が後続運動への動員,ネットワークにどのような影響を与えてきたのかという点を分析する。また,運動間ネットワークの様相と動員過程の関係を仮説的に提示することを試みた。知見として,第一に運動の中断中に組織間ネットワークが形成されたこと,第二に先行運動が後続運動に戦略や動員のための運動ネットワークが供給されることが確認され,本稿の分析視角が有用であることが示唆された。また運動間ネットワークの様相と動員過程の関係についての仮説的な見解として,運動間ネットワークは動員に寄与するが,そのネットワークは日常的に機能しているものと運動が生起した時だけに機能するものがあることを指摘した。
  • 三市町村における集団活動の比較分析から
    松宮 朝
    2000 年 13 巻 p. 99-116
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    近年,基盤産業である農業の不振,過疎化,高齢化など深刻な問題を抱える農村地域において,地域活性化に向けての様々な取り組みが試みられてきている。こうした動きの中で,従来型の農政主導の地域形成の転換が徐々に進みつつある状況と言えよう。本稿では,近世後期以降,国家主導の開発政策の影響が極めて強い点が指摘されている北海道農村地域に焦点を当て,地域形成の変容がどのように進展しているのかという問題について,先行研究で示された視角を採用しつつ,その要因を探ることを目的とする。その際,道央大規模水田地帯三市町村の事例を取り上げ,米の生産調整が開始された1970年以降の地域形成の展開過程について,国,道の政策と,農業者の活動が相互に影響を及ぼし合う集団レベルに焦点をあてつつ比較分析を行う。ここで得られた知見を整理すると,国,道の政策の転換が地域形成の変容の大枠を規定するものの,地域集団の活動形態が,農村地域形成の方向性を大きく左右している点である。
    その中でも,政策推進に先行する集団活動,集団活動を結びつける水平的ネットワークという二つの要素の重要性が明らかになった。これらの知見は,従来支配的だった「官」主導の影響力が著しい北海道農村地域形成という把握の再考を迫るものであり,地域住民の主体的な活動を強調する内発的発展論の理論的展開に向けての一つの根拠となるものと思われる。
  • 西浦 功
    2000 年 13 巻 p. 117-121
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 盛山 和夫, 原 純輔
    2000 年 13 巻 p. 122-125
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2010/07/27
    ジャーナル フリー
  • 松宮 朝
    2000 年 13 巻 p. 126-131
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 森岡 清志
    2000 年 13 巻 p. 132-135
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 片桐 資津子
    2000 年 13 巻 p. 136-141
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 金子 勇
    2000 年 13 巻 p. 142-145
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 山岸 俊男
    2000 年 13 巻 p. 146-157
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2010/07/27
    ジャーナル フリー
    本稿は1999年度社会学会大会時に,国際交流委員会主催のワークショップで発表した,「国際学会での学会発表」をまとめたものであり,発表学会の選択,発表形式の選択,口頭発表の準備,パネル発表の準備等について,筆者らが蓄積してきたノウハウを報告している。また,口頭発表で用いるOHP原稿,およびパネル発表で用いるポスターについて,具体的な例を用いた解説がなされている。
  • 国際比較研究プロジェクトに参加して
    原 俊彦
    2000 年 13 巻 p. 158-160
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
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