大学図書館は教育と研究とを二大使命とする大学の一中枢であり, 基本施設であり, このことは医学図書館にあっても例外ではない。医学教育改革の必要性がつよく叫ばれている時期に新設された大学の医学図書館としては, 特にこのことをあらためて深くかみしめて, 従来とかく軽視されがちであった教育への積極的な関与を期する必要があろう。その観点にたって, これからの医学図書館づくりに対するあるべき一つの姿勢を考察し, 筆者の私見を述べてみた。
現在までの筆者の図書館の歩みについてもごく簡単に触れたが, その反省の中から得られた教訓は, 計画の最初の段階での長期の見通しにたった準備のための組織づくりの必要性と, 特に経験豊富な医学図書館員-主任司書が組織に参画することの重要性とであった。
また, 設立準備の過程でいだいた疑問の一つとして, 図書資料収集の問題を取り上げ, 冊数の基準やその内容の解釈などについて, 二三の感想を記した。
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