日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2009年年会
選択された号の論文の235件中201~235を表示しています
R8:地球深部の鉱物科学
  • 奥地 拓生
    セッションID: R8-25
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    我々は、超高圧下その場における高分解能核磁気共鳴(NMR)分光の手法によって、水素の地球惑星内部物質中での化学結合状態および運動の状態(回転、拡散、化学交換)を調べるために、関連する実験技術群の開発を進めてきた。地球惑星深部の圧力15~60 GPaの領域において、水素を含む鉱物中の水素結合距離が短縮する結果、対称化などの水素結合の質的な変化が起こることが理論的に予言されている。この予言を確かめるために、地球内部における代表的な含水鉱物の一つであるbrucite(組成式Mg(OH)2)の多結晶粉末を測定した。bruciteは水素結合の状態変化が起こる圧力が比較的低いことが予測されており、また含水鉱物の中では水素濃度が最も高い。まず取得に成功した7GPaまでのstatic 1H-NMRスペクトルでは、主ピークの半値幅の減少が確認された。水素の移動開始に伴う線幅の減少が確認された可能性がある。
  • 櫻井 晴子, 鍵 裕之, 石橋 秀巳, 角野 浩史
    セッションID: R8-26
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    カルボナドと呼ばれる天然多結晶ダイヤモンドは、産出場所や包有物などの特徴から、一般的なダイヤモンドとは異なる環境、プロセスでできたと考えられているが、その成因などに関してはいまだに謎が多い。 本研究は、粒界に存在する含水鉱物などの影響を除いた赤外吸収スペクトルから、流体包有物の存在を確かめた。 酸処理を施した試料の赤外吸収スペクトルには水の吸収に加え、炭酸塩の吸収も見られた。1mm程度の大きさに粉砕したカルボナドを真空中で段階的に加熱したのち、室温下で測定した赤外吸収スペクトルは、ダイヤモンド結晶内に水が存在することを示していた。本研究の結果は、H2O-CO2を主成分とする流体がダイヤモンドの結晶内部に取り込まれたことを強く支持するものであり、カルボナドのマントル流体中での結晶成長を示唆している。 さらに、本研究では、より高い空間分解能で測定した窒素の集結度についても報告する予定である。
  • 石橋 秀巳, 櫻井 晴子, 鍵 裕之, 大藤 弘明, 入舩 徹男
    セッションID: R8-27
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    カルボナドは、低い炭素同位体比、地殻的な鉱物包有物組み合わせと高い空隙率を特徴とする天然多結晶ダイヤモンドである。カルボナドは漂砂鉱床に産し、その起源は未だ不明である。カルボナドの岩石組織についてはこれまで、鉱物粒の形態や転位構造に関する記載はなされているが、結晶サイズ分布や結晶方位分布に関する定量的な研究は報告されていない。そこで本研究ではカルボナドの結晶サイズ分布と結晶方位分布の定量分析を行った。 カルボナドを構成するダイヤモンドは1μm以下から約40μmまで変動し、結晶数密度が結晶サイズ増加に伴って指数的に減少した。また、カルボナド中の結晶がランダムな方位分布を示すことがわかった。一方で、隣り合う数個の微結晶が同じ結晶方位を示すことがしばしば確認された。また、空隙を伴う不規則な形状の結晶粒界が観察された。以上のような岩石組織的特徴から、カルボナドの成因について考察する。
  • 瀬戸 雄介, 浜根 大輔, 岡田 卓, 八木 健彦, 永井 隆哉
    セッションID: R8-28
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    本研究ではマントル条件下で二酸化炭素がどのような構造・物性を持つのかを実験的に明らかにするため、レーザー加熱ダイヤモンドアンビルセル(LH-DAC)による高圧下X線回折実験をおこなった。実験の結果、CO2-V相は常温下では出現しないが、約1500K以上で加熱した試料では40GPa以上で出現した。これまで理論的に予測されている構造との比較を行ったところ、β-cristobalite構造が今回の回折強度比ともっともよく一致することがわかった。CO2-V相はこれまで知られている二酸化炭素相のなかで最も密度が高く、下部マントルにおける有力な炭素含有相である可能性が高い。
  • 安塚 孝治, 石橋 秀巳, 荒川 雅, 鍵 裕之, 山本 順司
    セッションID: R8-29
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    天然ダイヤモンドは地球深部由来の物質を安定に地表へ運ぶカプセルといえる。ダイヤモンド中の包有物の中でもっとも代表的なものが、上部マントルの主要構成鉱物であるかんらん石である。かんらん石のMg#[=Mg/(Mg+Fe)]と残留圧力はその起源を知る上で重要な情報をもたらす。本研究では、ダイヤモンド中に取り込まれたかんらん石の包有物を対象として、これらの値を顕微ラマン分光法によって非破壊で測定することを試みた。Mg#が70から100の範囲のかんらん石を対象とし、ダイヤモンドアンビルセルを用いて室温下で4 GPaまでの圧力範囲でラマンスペクトルの測定を行った。スペクトルの組成、圧力依存性を定式化し、天然ダイヤモンド中の包有物に適用した。
  • 池田 進, 中野 司, 中村 光一, 中島 善人, 土`山 明, 上杉 健太朗, 鈴木 芳生, 吉田 英人
    セッションID: R8-P01
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    岩石の部分溶融状態は、地球内部におけるメルトの移動・集積、メルトを介した物質移動、岩石のレオロジー、岩石組織の形成(組織平衡)において重要である。通常の岩石観察と同様に、部分溶融体の試料も、一般的には2次元で観察されるため、2次元情報から3次元的な部分溶融構造を推定する手法が発展してきた。特に、3次元的なメルトの連結は部分溶融構造の重要要素であるが、3次元で連結したメルトも2次元断面では分断して見える場合が多く、固液二面角の測定値から3次元メルトネットワークを推定している。しかし、この推定方法は単純化された仮定のもとに成り立つものであり、3次元で直接観察できることが望ましい。我々は、近年飛躍的に空間分解能が向上してきた高輝度放射光施設SPring-8のX線CT装置を用い、高温高圧合成したディオプサイド - アノーサイト系部分溶融体の3次元観察を行った。CT像から立体模型を作製して3次元的な二面角を測定し、2次元断面で観測される二面角の値と比較した。
  • 金村 大志, 永井 隆哉, 甕 聡子
    セッションID: R8-P02
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    MgSiO3ペロブスカイトは下部マントルの主要鉱物である.AサイトのMg2+を同じ価数の陽イオンFe2+,Ca2+,Mn2+などで置換して固溶関係を調べる研究はこれまで多数されてきた.しかし近年,価数が違う3価の陽イオンであるFe3+,Al3+が組になってMg2+,Si4+を置換して固溶していることが示唆されてきた.しかし下部マントルの状態を再現し,3価の陽イオンがどのようにMgSiO3ペロブスカイトに固溶するか調べるには実験的な制約から得られるデータも限られてくるため,MgSiO3ペロブスカイトのアナログ物質であるCaTiO3ペロブスカイトを使い,温度や圧力によって3価の陽イオンの固溶がどのように変わっていくかを調べた.
  • 石黒 夏樹, 永井 隆哉
    セッションID: R8-P03
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    ケイ酸塩ペロブスカイトは下部マントルの主要な構成鉱物であり,どのような条件でどのような陽イオンが固溶するか調べることは,下部マントルの組成を明らかにするために重要である.下部マントルにおいて,Na+などの1価の陽イオンがどのように存在しているのかは,まだよくわかっていない.そこで,アナログ物質であるCaTiO3ペロブスカイトを用い,2価の陽イオン2個を1価と3価の陽イオンで同時に置換した固溶体について,どの条件でどの程度固溶が起こるか調べるために,1000℃と1250℃でNa+La3+Ti2O6-CaTiO3系の合成実験を行い,得られた試料について常圧での粉末X線回折(XRD)の測定と,SEMによる観察,EDSによる定量を行って調べた.またRIETAN-2000を用いてLe-Bail解析を行い,格子定数を精密化した.
  • 佐野 亜沙美, 八木 健彦, 小松 一生, 大谷 栄治
    セッションID: R8-P04
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    中性子粉末回折実験は鉱物中の水素位置の決定に有効だが、これまで含水鉱物についての研究は盛んに行われているものの、ワズレアイトのような高圧で安定な無水鉱物中に取り込まれる水素について成功した例は皆無である。オリビンの高圧相であるワズレアイト((Mg,Fe)2SiO4)はマントルの深さ410 kmから520 kmの遷移層上部において、体積にして約60%を占める「無水」鉱物である。Smyth (1987)により最大で3.3 wt%もの水が含まれうることが予言されて以来、ワズレアイトは地球深部での水のリザーバーとして特に注目され、様々な研究がなされてきた。しかしその水素位置については赤外吸収スペクトルやラマンスペクトルといった分光学的手法や、水素に対して感度の低いX線を用いた結晶学的な情報などから推定されてきたにすぎない。そこで本研究ではH化もしくはD化したワズレアイトについて、中性子回折実験による水素位置の決定を試みた。
  • 石堂 知基, 永井 隆哉, 藤野 清志
    セッションID: R8-P05
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    地球全体の体積の約半分を占める下部マントルの主要鉱物はMgSiO3ペロブスカイトであり,その構造や物性を考える上で他の陽イオンがどう固溶し,どのように構造や物性に影響を与えるか調べることは重要である.今回の発表では、我々のグループで存在を確認したMnSiO3ペロブスカイトとMgSiO3ペロブスカイトとの固溶関係を調べ,固溶により構造や格子定数等がどう変化するかをレーザー加熱ダイヤモンドアンビルセルとPFとSP8の放射光X線を使って調べた.結果,圧力30-65GPa,温度1000-2000Kの条件では,MnSiO3-MgSiO3ペロブスカイトの完全固溶体を形成し,これらのペロブスカイトは大気圧下にクエンチできず非晶質化することがわかった.
  • 曽我部 昭人, 井上 徹
    セッションID: R8-P06
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    水は鉱物の融点を下げ、マグマの生成を促進する。また、マグマに水が加わることによってその物性(密度、粘性、濡れ角など)には急激な変化が起きる。これらの水のマグマへ及ぼす影響は、実際の地球内部において、その進化の過程から現在に至るまで重要な役割を果たしてきていることは間違いない。ところが、現在までのところ実際のマントルにおいて生成されたマグマにどれほどの水が含まれうるかを実験的に調べた例はほとんどない。マグマの含水量は、ある温度圧力においては相平衡図によってユニークに決定されうるはずである。実際のマントルで生成されるマグマ中の含水量が決定されれば、地球内部での含水マグマの挙動に対して決定的な制約を与えることができると考えられる。そこで本研究では、実際の地球内部で生成されうるマグマの含水量を調べるため、想定されうるマントルのジオサームに沿って含水パイロライトの高温高圧溶融実験を行った。
  • 中村 ひとみ, 八木 健彦, 浜根 大輔, 岡田 卓
    セッションID: R8-P07
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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     Fe2O3の高温高圧下での相転移に関する研究は今までにもいくつか報告されているが、高圧相の構造や相境界には食い違いが多く、まだ真相は明らかでない。この原因を解明するために、圧媒体や加熱法を変えて実験した。  行った3つのRunはいずれもFe2O3試薬をDACを用いて24-30GPaまで加圧した。圧媒体はNaCl又はMgOを用い、加熱はCO2レーザーで1000K以上、又はYAGレーザー(変動が激しく測温不能)で行い10分程度保持した。加熱後PFのNE-1ビームラインにて室温下の回折X線を収集した。これらの温度圧力条件下ではOno et al.(2005)ではhematite、Ito et al.(2009)ではRh2O3-II構造が観察されるとの報告があるが、本実験結果ではそれらとは異なっていた。さらにRunごとに異なっており、一部はFe3O4の高圧相(Fei et al.1999)と類似している。これらから加熱条件や圧媒体の違いでFeの価数変化が引き起こされている可能性が高く、今後この点に注意して解明を進める予定である。
  • 下宿 彰, 久保 友明, 西 真之, 富永 愛子, 土井 菜保子, 加藤 工, 肥後 祐司, 舟越 賢一
    セッションID: R8-P08
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    オリビン―ウォズレアイト相転移の核生成速度を明らかにすることを目的に角度分散法による2次元回折X線時分割測定を行った。高圧発生にはSPring8設置のマルチアンビル型高圧発生装置を用いて行った。実験は、1400℃, 13.3-16.7 GPaと、1500℃で, 14.0-15.2 GPaで行った。ウォズレアイトの回折斑点数は時間とともに増加し、サイトサチュレーションせずにウォズレアイトの核生成が進行している可能性がある。今後,核生成率の推定を行う予定である。
  • 寺田 早希, 糀谷 浩, 赤荻 正樹
    セッションID: R8-P09
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    Anhydrous phase B(Mg14Si5O24:Anh-B)は、地球の上部マントル中に存在する可能性が考えられている。本研究では、Anh-Bの安定領域を高温高圧実験と熱量測定によって決定することを目的とした。高温高圧実験では、Forsterite:Periclase=5:4(モル比)の混合物を出発物質とし、圧力18-23GPa、温度1127-1527Kでの相関係が調べられた。圧力約20GPa、温度1327KでAnh-BがMg2SiO4(Wads)とMgO(Per)に分解することが観察された。またAnh-Bの落下溶解熱は、978 Kに保たれているカルベ型熱量計およびホウ酸鉛(2PbO.B2O3)溶媒を用い、bubbling法を組み合わせたdrop-solution法によって測定された。得られたAnh-Bの落下溶解熱を用いてMg2SiO4(Fo)+MgO(Per)→Anh-BとAnh-B→Wads+Perの反応に伴うエンタルピー変化を決定し、それらの相平衡境界を熱力学的に計算した。
R9:地球外物質の鉱物科学
  • 野口 高明, 大橋 憲昭, 佐伯 具亮, 中村 智樹, 中藤 亜衣子, 坂本 佳奈子
    セッションID: R9-01
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    南極のドームふじ近くの表層雪400kgより、微隕石を約200個発見した。その中には、成層圏で採集される無水惑星間塵と組織、構成要素、化学組成とも全く区別のつかないものが約10個含まれていた。無水惑星間塵は彗星起源であると考えられている。このように地表にまで到達した無水惑星間塵を、無水雪微隕石とよぶことにする。無水雪微隕石には、GEMS (Glass with embedded metal and sulfide)やEnstatite whiskers or plateletsといった、無水惑星間塵を特徴付ける物質が含まれるだけでなく、Stardust探査機が地球に持ち帰ったWild第2彗星塵に特徴的に含まれるコスモクロア成分に富む高Ca輝石や、アイフェライトなども含まれている。この無水雪微隕石と強い水質変成作用を受けている含水雪微隕石に含まれる炭素質物質のラマンスペクトルを測定した。無水雪微隕石と含水雪微隕石には系統的にラマンスペクトルに違いがある。前者は後者と比較して、特に、より小さいGバンドピーク値とより大きなGバンド半値幅を持つ。Stardust探査機捕獲粒子などの研究では、この傾向を持つ炭素質物質の方がより始原的なものであるとされている。この結果は彗星起源粒子の方が小惑星起源粒子より始原的特徴を持つことを示唆している。
  • 土山 明, 増尾 悦子, 今井 悠太, 野口 高明, 三浦 弥生, 矢野 創, 中村 智樹
    セッションID: R9-02
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
    会議録・要旨集 フリー
    太陽系を構成する始原的な物質である炭素質コンドライト(Murchison, Murray, Ivuna, Orgueil, Tagish Lake)と南極微隕石の圧裂引張強度を、微小圧縮試験機を用いることにより100 μmサイズの微小サンプルについて求めることができた。炭素質コンドライト強度の平均値はおおよそ1-5 MPa程度の値であり、CM>CI>TLの順に強度が低くなる傾向をもっている。微隕石の引張強度は炭素質コンドライトに比べて大きいが、これは測定した宇宙塵が大気圏突入の際に受けた加熱の影響のためであると考えられる。今回の研究により熱変成の影響を受けていない貴重なサンプルについても強度測定が可能であるだけでなく、破壊後のサンプルが回収できることもわかった。Murchison隕石は、少なくとも100 μmから1 cmのサイズ範囲では、ほとんどサイズ依存性をもっていない可能性がある。
  • 小林 幸雄, 永島 一秀, 殿谷 梓, 坂本 直哉, 伊藤 正一, Russell S. S., Krot A. N., 圦本 尚義
    セッションID: R9-03
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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     化学的グループや母天体変成変質の程度が異なる炭素質コンドライトと普通コンドライトに対し,2次元その場同位体分析法を用いてプレソーラー粒子の探索を行った.FE-SEM-EDSを用いてプレソーラー粒子の形状,サイズ,化学組成を調べた.合計で56個の炭素同位体異常と125個の酸素同位体異常をもつ粒子を発見した.これらはSiCとグラファイト,酸化物とケイ酸塩であり,多くのケイ酸塩はFeを多く含むオリビン的組成であった.炭素質コンドライト中の存在度からは,母天体における水質変質と熱変成によるプレソーラーケイ酸塩の破壊や同位体的痕跡の消失が示唆される.変成度が小さい普通コンドライト中の低いケイ酸塩存在度は,普通コンドライト形成領域では,星雲プロセスにより,プレソーラーケイ酸塩が失われていたことを示唆する.
  • 阿部 憲一, 坂本 直哉, 小島 秀康, Krot A. N., Russell S. S., 圦本 尚義
    セッションID: R9-04
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    炭素質コンドライトAcfer 094は最も始原的なコンドライトの一つだと考えられている。そのマトリックスはプレソーラー粒子の存在度が高く、唯一宇宙シンプレクタイトが発見されている。Acfer 094のユニークな点はマトリックスの化学組成にあると考えられる。本研究では、Acfer 094と様々な炭素質コンドライトグループ間で細粒なマトリックス物質の化学組成の比較を行った。その結果、コンドライトグループ間でマトリックスのAl、S、Ca含有量に大きな変動が見られた。Acfer 094は他のコンドライトグループとは異なり、S/Al比とCa/Al比が両方とも高い値を示した。この違いは水質変質や熱変成によりマイクロメートルスケールでの元素の再分配の結果生じたと思われる。このアプローチは始原的なマトリックスを持つコンドライトを分類する指標になるかもしれない。
  • 伊藤 正一, Simon Steven, Grossman Lawrence, 圦本 尚義
    セッションID: R9-05
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    Allende隕石中のGolfball typeB CAIは、岩石学的研究から、少なくとも2回の溶融イベントを経験していることがいわれている。本研究では、このCAIについて、溶融時期の異なるスピネル結晶及びメリライト結晶の酸素同位体組成とAl-Mg同位体組成を明らかにし、個々の液の形成時期とその酸素同位体組成の変化を評価することを試みた。スピネル結晶の酸素同位体組成は、deltaO-18で-50 から-40perimlに分布した。岩石学的特徴に対応してメリライト結晶の酸素同位体組成は、異なる分布を示し、ゲーレナイト成分に富むコア部は、deltaO-18で-20∼-10permilに分布し、リム部で∼0permilとなった。Al-Mg同位体組成も岩石学的特徴及び酸素同位体組成に対応して異なる2本のアイソクロンにそれぞれの結晶が分布し、コア部のゲーレナイト成分に富むメリライトは、26Al/27Al初生比で4.9±0.8 x 10-5、リム部のメリライトで1.9±1.2 x 10-5となり、その年代差は、約百万年となった。以上から、このCAIの形成過程について議論する。
  • 若木 重行, 伊藤 正一, 田中 剛, 圦本 尚義
    セッションID: R9-06
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    本研究では、Allende隕石より見いだされたCAI-chondrule複合物質に対して、岩石学的観察、REE分析および構成鉱物の局所O同位体分析を行い、その形成過程を考察した。その結果分析したCAI-chondrule複合物質は、以下のように異なる環境下で複数回の溶融を経て形成された事がわかった:1)16Oに富む星雲ガスから前駆CAIが凝縮、2) 複数回の不完全溶融によるspinelの形成、3) 16Oに僅かに富む星雲ガスの下でCAIとChondrule物質が共存し溶融によって混合、4) 16Oに僅かに富む星雲ガスの下で溶融したchondrule物質が中心部に付着しリムを形成。
  • 前田 誠, 留岡 和重, 瀬戸 雄介
    セッションID: R9-07
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    我々は3つのCMコンドライトから,鉄酸化物を多く含むクラストを見出した。本研究では,これらのクラストの詳細な岩石鉱物学的研究を分析走査電子顕微鏡用いて行った。観察した3つ全ての隕石中に,マグネタイトに富むクラストが存在した。これらのクラストは主にコンドリュールとマトリックスから構成されている。クラストのマトリックスは,いずれも主にサーペンティンとマグネタイトからなり,ホスト隕石に多く含まれるトチリナイトやトロイライトはほとんど含まない。また,マグネタイトはフランボイダイル状組織を示すものが多い。ホスト隕石にはマグネタイトはほとんど見られない。本研究の結果,3つの隕石のクラストは,いずれも酸化的な環境で水質変成を受けたという共通の特徴を持つことがわかった。これらのことは, CM母天体は,従来考えられていたような還元的環境だけでなく,酸化的な環境も混在する不均質な天体であった可能性を示唆する。
  • 桐石 美帆, 留岡 和重
    セッションID: R9-08
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    2つの異なる岩相(A、B)を持つCOコンドライトの角礫岩であるNWA 1232隕石に、さらに別の岩相Cの存在が明らかとなった。本研究では、NWA 1232隕石の形成履歴や、CO隕石母天体における熱・水・撹拌プロセスを明らかにすることを目的に、これらの岩相の鉱物学的特徴の比較を行った。その結果、3つの岩相はいずれもCOコンドライトであるが、変成履歴が異なっていることが明らかとなった。岩相Aは熱変成を、岩相Bはさらに程度の高い熱変成を、岩相Cは水質変成を経験したと考えられる。これらの岩相は、変成後、角礫岩化作用によって現在のように合わさったものと考えられる。NWA 1232隕石は、CO隕石母天体では場所によって異なる変成が起こっていたこと、活発な角礫岩化作用が起こっていたことを示唆している。以上の結果は、これまでに報告されている様々なサブタイプのCOコンドライトが、同一母天体を形成していた可能性を示唆する。
  • 留岡 和重, 大西 市朗
    セッションID: R9-09
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    モコイアCV3隕石のコンドリュールとリムの岩石鉱物学的特徴を詳細に調べた。全てのコンドリュール/リムは,様々な程度の水質変成を受けていることがわかった。一方,それとは対照的に,ホスト隕石のマトリックスは水質変成の痕跡を示さない。これらの結果は「コンドリュール/リムの水質変成が,現在のモコイア隕石の設定で起こったのではない」ことを意味している我々は,モコイア隕石のコンドリュール/リムは,隕石母天体上のモコイア隕石が存在していた場所とは別の場所から,衝突による角れき岩化によってもたらされたクラストだと考える。コンドリュール/リムの水質変成は,その別の場所で起こったと考えられる。つまり,リムとは以前の場所にあったときには,コンドリュールの周りにあったマトリックスだと考えられるのである。
  • 杉田 光弘, 留岡 和重
    セッションID: R9-10
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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     Ningqiang隕石のマトリックスは、相対的にFeに乏しい領域とFeに富む領域の混合からなることがわかった。前者は主に細粒のオリビンからなり、ネフェリンの微粒子を高密度で含んでいる。後者は比較的粗粒のオリビンからなり、ネフェリンをほとんど含んでおらず、Fe硫化物、マグネタイト、Fe-Ni金属を多く含んでいる。以上のことはこれまで他の隕石からは知られていない特異な特徴である。また、ネフェリン、メリライトを含むマトリックスに似た集合体を発見した。この集合体は構成鉱物がネフェリン形成にともない、細粒・多孔質化したCAIに類似している。以上のことから、現在のマトリックスのFeに乏しい領域中のネフェリンは、大規模にNa-metasomatismを受け、粉砕されたCAIからもたらされたことが示唆される。
  • 木村 眞, 軽部 朋子, 野口 高明
    セッションID: R9-11
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    炭素質コンドライトは、太陽系生成期の情報を最もよく保存する始原的な隕石であるが、その中の一グループであるCHコンドライトはFe-Niメタルを多く含むこと、細粒のコンドルールが多いこと、クシロアイトやグロッサイトを含む難揮発性包有物が多いこと[1]、などの特異な特徴を示す隕石である。また、Fe-Niメタルの組成は原始太陽系星雲内での凝縮過程を反映しているとされている[2]。本研究ではCHコンドライト中の不透明鉱物をとりあげ、その検討結果に基づいてCHコンドライトの形成過程を議論する。
  • 佐竹 渉, 三河内 岳, 宮本 正道
    セッションID: R9-12
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    シャーゴッタイトの化学的特徴はマグマの酸化還元度合いと対応しており、火星マグマの起源を考える上で重要な情報である。近年見つかった試料はEnrichedな化学的特徴を示すが、今までに発見されたシャーゴッタイトと同じく酸化的な特徴を示すかは明らかにされていない。そこで我々は、これらの新しいシャーゴッタイトと、結晶化時の酸化還元状態が他のシャーゴッタイトと差があるかを調べた。 研究手法としては、二つの酸素分圧計を利用し平衡温度と酸化還元状態を求めた。また、放射光マイクロXANES分析によりケルスータイト、ウルボスピネル、マスケリナイト中のFe3+とFe2+の割合を求めた。 どちらの酸素分圧計の結果も、幅広い平衡温度・酸素分圧の値を示し、有意な結果は得られなかった。FeマイクロXANESの結果においては、ケルスータイトおよびウルボスピネル中のFe3+とFe2+の割合には有意な差が見られなかったが、マスケリナイトでは、Intermediateな試料とEnrichedな試料で有意な差が見られた。
  • 栗原 大地, 三河内 岳, 猿渡 和子, 亀田 純, 山口 亮, 関根 利守, 宮本 正道
    セッションID: R9-13
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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     ナノサイズのFe-Ni金属粒子またはマグネタイト粒子火星隕石中に広く存在している。衝撃実験の結果から、カンラン石を酸化的条件で衝撃加圧するとマグネタイト粒子が、還元的条件で加圧するとFe-Ni金属粒子が形成されることが示唆されたが、酸化条件を支配する主要因であるガスの組成が火星表面で大きく異なっていたとは考えにくい。そこで同じガス組成でも温度によって酸素分圧が変化する事に着目し、衝撃時の温度によって形成される粒子の種類が支配されているのではないかと考えた。カンラン石粉末を400℃, 800℃に加熱した状態で衝撃実験を行い、回収試料をTEMで分析した結果、800℃に加熱した試料にはFe-Ni金属粒子が確認された。この結果から、衝撃時により高温になった隕石にはFe-Ni金属粒子が形成され、あまり高温にならなった隕石ではマグネタイト粒子が形成されたと考えられ、火星隕石中のFe-Ni金属粒子とマグネタイト粒子の共存を説明しうる。
  • 三河内 岳, 大隅 一政, 一柳 光平, 足立 伸一, 野澤 俊介, 腰原 伸也, Zolensky Michael
    セッションID: R9-14
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    我々はレーザー衝撃波によってカンラン石単結晶中に高圧の衝撃波が伝わる圧縮過程を、放射光X線パルスとNd:YAGレーザーパルスを組み合わせたナノ秒時間分解シングルショットラウエ回折法を用いてその場観察した。その結果、6ナノ秒の遅延時間で異なるレーザー出力の実験(1.2-6.5 GPa)では、衝撃波が試料中を進行する過程に相当するシャープな回折点とストリークを引いた反射の混合となるラウエ像が得られた。また50 mJのレーザー出力(1.2 GPa)で異なった遅延時間で実験を行った結果、30ナノ秒後のラウエ像からはブロードな反射しか得られなかった。これは、試料全体の加圧後に部分的に衝撃圧の解放が始まったことに対応している。このように、鉱物試料を用いてナノ秒オーダーの衝撃圧縮過程をX線回折で分析したのは世界初であり、本装置は衝撃圧縮による格子ダイナミクスなどを理解するために有用であることが示された。
  • 近藤 瞳, 國方 篤史, 富岡 尚敬, 永井 隆哉
    セッションID: R9-15
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
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    マスケリナイトの生成圧力は衝撃回収実験から見積もられているが,母天体における衝撃と衝撃回収実験では圧力保持時間が大きく異なる.本研究では,外熱式 DACを用いて,斜長石粉末による静的高圧実験を行い,斜長石の非晶質化圧力を検討した.回収試料のラマン分光による相同定により,斜長石の非晶 質化圧力は39 GPa (室温),38 GPa (170 ℃),32 GPa (270 ℃)以下であり,温度によって低下する傾向が見られた.ケイ酸塩の超高圧相を含む,強い衝撃を受けた普通コンドライトの衝撃温度は,ケイ酸塩の割れ目に溶融したトロイライトが散乱した組織を基に,900℃以上と考えられる.斜長石の非晶質化に対する温度,圧力保持時間の依存性を考慮すると,隕石中のマスケリナイトは25 GPa以下で生成されたと考えられ,超高圧相の安定領域から見積もられる圧力と矛盾しない.
  • 坂本 直哉, 青山 聡, 川人 祥二, 圦本 尚義
    セッションID: R9-16
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
    会議録・要旨集 フリー
    リアルタイムにイオン検出可能な新しいイオンイメージャを開発している.このイメージャは25万個の独立したイオン検出器である画素から構成される.各画素のイオンに対する応答性は,画素キャパシタを小さくすることで従来の5倍となる150 µV/イオンに向上した.高速駆動時の読み出しノイズを低減するために,画素に蓄積した信号電荷を複数回サンプリングして積分することで相対的にノイズを低減する多重サンプリング機構を組み込み,16回積分した時の読み出しノイズは250 µV(1.7イオン相当)であった.イメージの読み出し速度は1回積分時で12.5フレーム/秒,16回積分時で8.3フレーム/秒を達成し,読み出しノイズは速度に依存しないことが分かった.全てのパラメータを最適化してノイズを低減できれば,リアルタイムにシングルイオンの検出が可能になると期待される.
  • 関川 知里, 留岡 和重, 瀬戸 雄介
    セッションID: R9-P01
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、マーチソン隕石の衝撃実験回収試料についてマトリックス中の割れ目の分布を詳細に観察し、その長さを測定して衝撃圧との関係を調べた。その結果、4、10GPaの試料では割れ目の長さに大きな変化は見られなかった。対して、21、26、28GPaの試料では長さが急激に増加する傾向がみられ、1GPa当たりの増加量は約5.8mm/mm2であった。これは10GPaと21GPaの間で衝撃応答に不連続が存在し、21GPa以上では脆性的な破壊が起こることを示唆している。また、コンドリュール周縁部では、圧力の増加に対して割れ目の数が若干減少する傾向がみられた。これより、コンドリュール周縁部では塑性的な変形が起きていると考えられる。これらの結果は、マトリックスの部分により割れ目のでき方が異なること、また、マトリックス中の割れ目が衝撃圧力を見積もるうえで有効な指標になりうることを示唆している。
  • 森永 慎也, 大西 市朗, 留岡 和重, 瀬戸 雄介
    セッションID: R9-P02
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
    会議録・要旨集 フリー
    我々は、炭素質コンドライトが経験した水質変成のプロセスを解明するために、炭素質コンドライトの主要な構成鉱物であるカンランを用いた水熱変成実験を行った。Fo100、Fo50、Fo0の3種類のカンラン石合成粉末試料(粒径30μm以下)を1N-HCl(pH= 0), H2O(pH=7), 1N-NaOH溶液(pH=14)とともに金パイプに封入し、温度300度、圧力500気圧、時間1週間の条件で、水熱合成装置を用いて変成させた。本実験により、溶液のpHによってカンラン石の変成の程度が異なり、アルカリ条件下ではFe含有量の違いによって変成生成物が異なるという結果を得た。これは、カンラン石のFe含有量だけでなく、溶液のpHが、隕石の水質変成によって生成される物質の種類と量を決める重要なパラメーターとなることを示唆している。
  • 井上 美幸, 留岡 和重, 瀬戸 雄介
    セッションID: R9-P03
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
    会議録・要旨集 フリー
    CKコンドライトは熱と衝撃による変成作用を受けているが、熱・衝撃変成がどのように関連して生じたかは明らかではない。隕石を構成する主要なケイ酸塩鉱物の1つである斜長石は熱・衝撃の影響を受けやすい。本研究ではCKコンドライトの斜長石がどのような熱・衝撃履歴を経て形成されたのかを明らかにするため、強い衝撃変成を受けたEET83311と、強い熱変成を受けたLEW87009の斜長石についてその特徴を調べた。その結果、EET83311中の斜長石はすべてガラス化しており微細なCaに富む輝石粒子を含んでいた。LEW87009中の斜長石は一部ガラス化していたが、ほとんどが結晶相で、粗粒なCaに富む輝石粒子を含むものと包有物を含まないものが存在した。この事から、両隕石とも熱変成後期か、熱変成後に衝撃を受け、EET83311の斜長石はすべてガラス化し、LEW87009の斜長石は局所的にガラス化したと結論付けた。
  • 梅原 まり子, 桐石 美帆, 留岡 和重, 瀬戸 雄介
    セッションID: R9-P04
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
    会議録・要旨集 フリー
    CO3炭素質コンドライトであるNWA 1232隕石は、これまでの研究により、岩相A、B、Cがあることが報告されている。我々はさらに詳細な観察を行い、新たな岩相を持つクラスト(岩相D)を発見した。岩相Dと3つの岩相を比較し、この隕石の形成履歴などを明らかにするのが目的である。観察・分析の結果、岩相Dは他の3つの岩相と同じCO3コンドライトであり、基本的な特徴は類似しているが、コンドリュールとマトリックスに含まれるオリビンの化学組成と、CAI中に含まれるネフェリンの存在度に違いがあることが分かった。この組成の違いなどから、それぞれの岩相が受けた熱変成度は岩相C、D、A、Bの順に高くなっていると考えられる。このことから、NWA 1232隕石の母天体において異なる場所で互いに異なる熱変成を受けた岩相が混ざり合い、現在の形になったと考えられる。
  • 榎田 夏美, 大谷 曜, 赤井 純治
    セッションID: R9-P05
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/06
    会議録・要旨集 フリー
    CIコンドライトのグループにはいくつかの特異な結晶形態を持った磁鉄鉱がしられる。しかし、 その詳細には未知のところがあり、成因、構造、生成の場等不明なところが多い。今回 その形態的多様性をさらに検討するとともに、水熱合成により磁鉄鉱をつくり、形態的な 特徴をあきらかにしようとした。 特徴的なものとして、2枚セットの板状のもの、フランボイドの不規則型の特徴的なもの等 が、隕石中から新たにみられ、また合成でも同様のものが生成した。生成の場として、熱水 環境がかかわることを論じた。
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