日本森林学会誌
オープンアクセス電子ジャーナルとして毎月発行(104巻6号から)。
論文で用いたデータはJST の提供するデータリポジトリJ-STAGE Dataで公開し、シェアが可能。
Editorial Managerに投稿された原稿は、審査事務システムにて、査読(ピアレビュー)を経て、本誌に掲載。
オンラインで発行される原稿の種別は、論文・短報・総説・その他(書評など)である。
投稿については、学会のホームページの投稿案内をごらんください。
103 巻 3 号以降に掲載された学術論⽂はオープンアクセスで、設定されるクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(Creative Commons license)は CC BY-NC-ND 4.0。本誌掲載の論文の使用については著作者および第三者による著作権の利⽤を参照。

スコープ
日本森林学会誌(以下、日林誌)は日本森林学会が定期的に刊行する和文の学術誌です。日林誌は1919年より、森林と林業に関する基礎研究・応用研究の成果をまとめた論文、短報、総説等を発信しています。森林・林業に関わるあらゆる人びとにとって科学的な情報の共有・交換の場であるとともに、持続可能な社会の構築に貢献することを目指しています。 

対象とする森林学分野

林政、経営、立地、遺伝・育種、生理、造林、植物生態、動物・昆虫、微生物、防災・水文、利用、風致・観光、教育
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収録数 994本
(更新日 2025/06/12)
Online ISSN : 1882-398X
Print ISSN : 1349-8509
ISSN-L : 1349-8509
ジャーナル 査読 オープンアクセス
J-STAGE Data
過去3年間の日本森林学会誌論文賞授賞論文
105 巻 (2023) 12 号 p. 345-356
集落人口を対象にしたコーホート分析の可能性 もっと読む
編集者のコメント

令和6年(2024年)日本森林学会誌論文賞
集落人口分析のために、国勢調査の市区町村より小さな範域の集計の利用可能性は論じられてきたものの、具体的実証研究は多くない。本
論文は、これまで十分に分析されてこなかった集落単位の人口統計分析を、国勢調査の調査区別集計と自身のフィールド調査を組み合わせたことで、先行研究に比べてはるかに高い精度での分析を可能とし、一歩踏み込んだ新規性がある。これらの手法により、2020年の集落合併の要因を明らかにした点に高い独創性が認められる。また、本論文は統計資料の利用可能性を再認識させ、本論文で提案された方法は国内の同様の地域の分析にもあてはまる普遍性を有しており、当該分野の研究の進展を期待させる内容といえる。

105 巻 (2023) 10 号 p. 316-322
畳み込みニューラルネットワークMobileNetV2を用いたクロマツ雌花開花ステージの判定ツールの開発 もっと読む
編集者のコメント

令和6年(2024年)日本森林学会誌論文賞
従来、クロマツの開花ステージ判定は目視によって行われ、習熟や経験が必要であった。深層学習モデルとそれを組み込んだアプリを用いてそれを判定する本研究の試みは、新しい技術を応用するという点で、新規性・独創性がみられる。本技術は経験が少ない技術者・研究者でも簡単に人工授粉に適した開花ステージを判定できるため、社会的波及性は極めて高い。研究における当該技術の適用箇所が秀逸であり、深層学習を適用し成功した事例研究としての価値だけでなく、林木育種をはじめとする森林科学全体そして林業・林産業分野にも応用できる発展性を有している。

105 巻 (2023) 5 号 p. 166-182
衛星データを用いた森林変化マップにおける面積推定と精度評価の手法 もっと読む
編集者のコメント

令和5年(2023年)日本森林学会誌論文賞
リモートセンシングにおける解析精度の判定方法の適否は重要な問題であり古くから議論が重ねられてきたものの、日本では精度の評価方法についての学術的な論文・総説がこれまでなかった。志水会員の論文は、精度評価に関する数多くの国際誌を参照して、その問題点と国際的に標準とされる精度評価方法について体系的にまとめ、森林リモートセンシング分野における学術的発展性への貢献が非常に大きい、完成度の高い総説である。

海外では違法伐採の監視、国内では伐採届等との突合といった目的でその技術の需要が高まりつつあることを踏まえ、評価に利用したRのモデルを公開することでリモートセンシングの解析において適切な精度評価方法の普及に貢献しうること、森林変化マップを作成する場面で本論を参考に適切な精度評価が実施されるようになることが期待されることなどの波及性が期待される。さらには、和文誌での発表により国内における技術水準の向上に寄与した点はおおいに評価される。

103 巻 (2021) 5 号 p. 351-360
深層学習を用いた樹幹からの打撃音に基づく樹高および材積の推定 もっと読む
編集者のコメント

令和4年(2022年)日本森林学会誌論文賞
この論文は、立木を打撃すれば樹高が推定できそうだという素朴なアイデアを、音情報の画像化と深層学習によるスペクトログラム画像解析といった今日的な技術を組み合わせることで実装したもので、新規性という点で高く評価できる。また、近年の森林計測分野ではレーザー測量や写真測量によって樹木サイズを計測する試みが多くなされているが、本論文ではレーザーや写真以外の情報源として打撃音が有効であることを示した点で、学術的発展性を有するものと高く評価できる。さらに、著者らは今後に取り組むべき課題を複数提示しており、これらを一つずつ解決することにより、将来的には、測定対象木を数回打撃してその場でスマートフォンに録音するだけで樹高や材積が推定可能なシステムが開発される可能性があり、高い社会的波及性のほか進歩性も期待できる。

104 巻 (2022) 2 号 p. 74-81
中国の森林動態に対する社会経済要因の短期的および長期的影響 もっと読む
編集者のコメント

令和4年(2022年)日本森林学会誌論文賞
この論文は、中国の森林資源動態を対象として、経済水準が森林面積に与える影響を、これまで試みられていなかった長期と短期の双方の視点を取り入れて、自己回帰分布ラグ(ARDL)モデルを導入して分析したものであり、この点に新規性と独創性が認められる。また、分析においては、丁寧な検討をした上で、計量経済学的に適切なモデルと検定を用いており、進歩性が認められるほか、このような長期と短期の双方の視点を取り入れたARDLによる解析は、将来的に学術分野の発展に多大な貢献をもたらすという点で高く評価できる。さらに、脱炭素社会に向けて森林動態の研究が国際的に注目される中で、中国を事例にして森林面積に対する複数の社会経済要因の影響を明らかにしたという点で社会的波及性もあり、将来的に持続的森林管理に向けた政策や投資などに関する一層の重要な知見をもたらすことが期待できる。

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