土木学会論文集A
Online ISSN : 1880-6023
ISSN-L : 1880-6023
63 巻, 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
英文報告
  • Junji KIYONO, Tadafumi FUJIWARA, Masanori HAMADA, Takao HASHIMOTO, Koj ...
    2007 年 63 巻 2 号 p. 374-385
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/20
    ジャーナル フリー
    Damage done to civil structures by the 2000 Tottori-ken Seibu Earthquake was investigated. Field surveys were made from October 8-10 by eight members dispatched by the JSCE in cooperation with other researchers. Descriptions are given of the earthquake, seismic ground motion; the damage done to such civil structures as roads, road bridges, lifelines, dams, port facilities; slope failures; and public risk management. Although peak ground accelerations were extremely intensive, structural damage was not as severe as compared with the average damage caused by past earthquakes in Japan. Such disaster responses as search and rescue activities, emergency responses, disaster information communication, and victim supports are discussed.
和文論文
  • 宮下 剛, 石井 博典, 藤野 陽三, 庄司 朋宏, 関 雅樹
    2007 年 63 巻 2 号 p. 277-296
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/04/21
    ジャーナル フリー
     ある鉄道鋼箱桁橋において発生した主桁ウェブの垂直補剛材下端回し溶接部付近の変状の原因を明らかにすることを目的として,1)レーザードップラー振動計を複数台用いた振動計測システムを構築し,2)垂直補剛材下端部に設置した補強材がある状態と一時的に撤去した状態の常時微動計測から局部振動モード形を同定し,さらに,3)局部応力と局部振動,列車速度との関係を詳細に計測および調査し,変状の主要因は台車の規則的な通過による主桁下フランジの局部的な振動であることを明らかにした.最後に,実測データを用いた簡易な解析モデルにより列車走行時の振動現象を説明し,局部振動に対する高速運転の影響を予測した.
  • 佐野 泰如, 小池 洋平, 大森 邦雄
    2007 年 63 巻 2 号 p. 297-311
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/04/21
    ジャーナル フリー
     鋼上路式アーチ橋のアーチリブに関し橋軸直角方向の地震時耐荷力を評価する目的で,アーチリブの幅厚比パラメータの異なる2体の実験供試体を製作し,橋軸直角方向の正負交番載荷実験を行った.損傷メカニズムは横構,横支材の局部座屈からこれらの部材の破断や部材座屈等により横構構面の形状保持機能を失った後に,アーチリブに局部座屈が生じ水平耐力が低下する結果となった.本検討結果より,アーチリブの橋軸直角方向の弾性域の力学的特性は,ガセットも含めた横構剛性とアップリフト作用時の支点剛性変化の影響が大きいことが分かった.また,横構,横支材からなる横つなぎ材の損傷が水平耐力に与える影響が大きく,解析的シミュレーションにおける課題であることが分かった.
  • 林田 宏二, 久保 喜延, 池田 隼人, 大窪 一正
    2007 年 63 巻 2 号 p. 312-325
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/05/18
    ジャーナル フリー
     完全剥離型断面である正方形断面角柱を対象として,久保らが提案している剥離干渉法(Separation Interference Method)の空力的な耐風安定化の手法について,各種風洞実験から空力安定化に寄与するメカニズムの解明に関する検討を行った.その結果,剥離干渉法が有効に機能するためには,剥離点間で生じる循環流が重要な働きをしており,循環流によって生じる圧力分布の変化によって空力安定性の優劣が決定することを明らかにした.また,剥離干渉法が有効に機能している場合には剥離干渉後の流れは気流迎角の影響を受けにくいことを示した.
  • 貝戸 清之, 小林 潔司
    2007 年 63 巻 2 号 p. 336-355
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/20
    ジャーナル フリー
     橋梁アセットマネジメントでは,目視検査結果を用いた統計的劣化予測に基づいてライフサイクル費用を算定する場合が多い.しかしながら,大半の施設管理者においてはデータの蓄積が十分ではなく,このことが統計的劣化予測手法の実用化の弊害となっている.そこで,本研究では予測の初期段階では専門技術者の先験情報により劣化予測結果を与え,目視検査データの蓄積とともに逐次予測結果を更新することが可能な方法論を提案する.具体的には,著者らが開発した統計的劣化予測手法であるマルコフ劣化ハザードモデルをマルコフ連鎖モンテカルロ法に基づくベイズ推定により更新する方法を提案する.さらに,実橋RC床版に対する目視検査データへの適用を通して,本手法の有効性を実証的に検証した.
  • 小川 靖之, 藤井 堅, 中村 秀治
    2007 年 63 巻 2 号 p. 356-373
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/20
    ジャーナル フリー
     薄いウェブを持つプレートガーダーがせん断力を受ける場合,ウェブ座屈後に斜め張力場が形成され,桁は後座屈強度を発揮する.このとき,垂直補剛材は張力場のアンカーとなり,桁の終局強度に関して重要な役割を持つ部材である.しかしながら,終局強度に関する過去の研究において,垂直補剛材に関するパラメータに着目し,終局強度との関係を調べた例は少ないようである.本研究では,垂直補剛材の曲げ剛性が桁の終局強度に与える影響について,剛性が極めて小さい領域も含め,FEMを用いて広範囲に調査した.また,フランジのねじり剛性の影響にも着目し,これらのパラメータを含む相関曲線を提案した.最後に,既報の実験値を用いて本算定式の精度を検証し,良い精度で桁の終局強度を推定できることを示した.
  • 中山 義紀, 大町 達夫, 井上 修作
    2007 年 63 巻 2 号 p. 386-395
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/20
    ジャーナル フリー
     ダムは極めて重要な土木構造物であり,貯水機能の維持,制御に不可欠な関連構造物もまた同様である.近年,大規模地震に対するダム耐震性能照査指針(案)が試行されるなど,ダム堤体だけでなく関連構造物も含めた耐震性能照査が求められている.本論文ではまず,ダム関連構造物の一つであるダムゲート系構造物に関する現行の設計法ならびに地震被災事例を示した.次に被災事例の中からダムゲート系構造物の一部であるピア構造物を対象とした動的解析を行い,構造形式の異なるピア間に発生する相対変位が操作橋梁や放流機械設備等へ影響を与える可能性があることを指摘するとともに,ダムゲート系構造物の耐震性能照査の手順,要点及び課題を示した.
和文報告
  • 安間 清, 津國 正一
    2007 年 63 巻 2 号 p. 326-335
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/20
    ジャーナル フリー
     鋼矢板を用いた遮水壁が,海上に建設される廃棄物処分場の遮水構造として採用されることが多い.遮水壁の目的は,処分場内汚水の場外流出を防ぐことにあり,レベルII地震動時にも十分な耐震性能の保持が求められる.これまで遮水壁の設計では,鋼矢板の発生応力に注目した許容応力度設計法が採用されてきたが,レベルII地震動を考慮した耐震設計で許容応力度設計法を採用することは不経済である.鋼矢板を用いた遮水壁の限界状態を考慮した耐震性能と遮水性能について,鋼矢板の構造的な異方性に注目した解析を行い.面外方向の曲げと面内方向のせん断に対して鉄板に近い強度と剛性を保有しているが,面内方向の引張りに対しては鉄に比べて著しく低い強度と剛性しか保有していないこと,部分的降伏状態では遮水性能を保持していることを明らかにした.
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