行政機関は地震による被害状況を迅速に把握する必要がある.国土技術政策総合研究所では,国土交通省が管理するインフラに設置したCCTVカメラを地震発生後に自動で水平旋回し,俯瞰的に状況を把握可能なパノラマ画像を生成し初動対応を支援する研究を行っている.
光量が不足する夜間に地震が発生した場合,CCTVカメラの電子感度を上げる機能により光の帯が旋回中の動画に発生する.光の帯はパノラマ画像を生成する際のノイズとなる.そこでCCTVカメラを小刻みに旋回,停止しながら旋回する手法を提案する.
パノラマ画像を地震発生の直後に生成する必要があるため,本手法の有用性は光の帯を除去可能な停止時間の短さで評価した.地方支分部局の協力が得られた全国の16台を対象に検証した結果では,停止時間は長くても3秒確保すれば十分という知見を得た.
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