日本セキュリティ・マネジメント学会誌
Online ISSN : 2434-5504
Print ISSN : 1343-6619
最新号
日本セキュリティ・マネジメント学会誌
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巻頭言
解説記事
  • 板倉 陽一郎
    2025 年39 巻2 号 p. 2-7
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/11/14
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿は,個人情報保護法の第二次いわゆる3年ごと見直しの動向を解説するものである.法は情報通信技術や社会実務の急速な変化に対応するため,3年ごとの検討を義務づけている.検討の結果,必ずしも改正を要するわけではないが,2024年以降,第二次の検討では,個人情報保護委員会での審議を経て,中間整理(令和6年6月)や報告書(同年12月),「考え方について」(令和7年3月)が公表されており,改正につながる見込みである.「考え方について」は事実上,改正の基盤となる.「考え方について」の概要は以下の通りである.第一に,本人関与の在り方が検討される.特に同意規制に関し,GDPRの規定をも参考に,統計作成等や,契約履行など,新たに同意を不要とする類型を定める方向である.漏えい等通知義務の柔軟化や,子どもの個人情報の取り扱いについての明確化も提案されている.第二に,データ利活用の多様化への対応が挙げられる.クラウド事業者等への取扱いの委託規律の再考,一定の個人関連情報の不適正取得・利用規制,顔特徴データ等に対する透明性確保,悪質名簿業者を想定した義務強化などである.第三に,実効性確保のための規律として,緊急命令の対象拡大,違反事実の本人への通知及び公表や,第三者への要請制度,刑事罰拡充が示されている.課徴金制度や団体訴訟の導入は継続課題とされた.提出予定の法案はデータ利活用政策の基盤とも位置づけられている.今後,2026年通常国会以前の法案提出が見込まれる.
  • 竹之内 隆夫
    2025 年39 巻2 号 p. 8-15
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/11/14
    研究報告書・技術報告書 フリー
     AI時代において、企業の競争力の源泉はデータであり、その重要性は生成AIなどの普及によって一層高まっている。その中で、海外の巨大IT企業はデータを戦略的に囲い込んで収集し、AIを活用して企業価値を伸ばしている。それに対し、ほぼ全ての業種の多くの日本企業の成長戦略は、データの囲い込みではなくデータ連携であると言われている。しかし残念ながら、AI活用やデータ連携は道半ばである。その要因の一つが、機密データのクラウド処理や組織間でのデータ連携に伴うセキュリティ懸念である。この課題を克服する技術として注目されるのが、Privacy Enhancing Technologies(PETs, プライバシー強化技術)、特にConfidential Computing(CC、機密コンピューティング)である。CCは、データを秘匿しながら処理でき、さらにリモートアテステーションという機能により、他社が管理するAIの処理基盤が安全であることを確認できる。CCは、2024年のAppleの生成AIサービスへの適用など、この1〜2年で急速に普及が進み、既に私達の生活で使われている。また、この技術は防衛や経済安全保障の分野でも注目され、さらに、個人情報保護法や政府のデータ利活用の方針などの政策議論でも話題となっている。本稿は、AI時代におけるデータの戦略的価値と課題を整理した上で、PETsやCCの技術概要から、事例や政策動向を説明する。
第9回(2024年度)辻井重男セキュリティ論文賞 受賞論文(概要)
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