要 旨 Tornstam(1989)は老年的超越が老年期後半に出現する心理的特性であることを指摘している。 本稿ではこの心理的特性が、母性社会と言われる我が国においてもそのまま当てはまるかどうかについて、自我やアニミズム・アニミズム心性との関係で論じた。その結果、文化的、歴史的に母性社会においては、アニミズムやアニミズム心性の傾向が強く、自我意識が抑制されることから、老年的超越は老年期後半よりもずっと以前の、発達のかなり早期から継続して認められる心理的特性であることが推測された。
要 旨
福島県喜多方市では小学3年生から6年生が総合的な学習の時間に「農業科」の授業に取り組んでいる。喜多方市の教育委員会のウェブページから各小学校の取り組みを整理するとともに、2018年10月に調査した喜多方市立小学校の児童327名のアンケート結果をまとめた。ほとんどの小学校では市の教育委員会が推奨している作物一覧から作物を選定し「種蒔き→管理→収穫→調理・加工・食べること」を実施していた。小学校により収穫祭などに農業支援員や地域の方を招待して地域とかかわる機会としていた。93%以上の児童は、「作物を収穫すること」「作物を調理して食べること」が楽しく、「仲間と協力する」「感謝して食べる」ことは身についたと考えていた。
高等教育機関における2017(平成29)年度以降の障害学生数は、前年度までの人数と比較して大幅に増加している。本研究では、既存の資料や文献を対象に障害学生に必要とされる高等教育における支援の課題について、障害者差別解消法と合理的配慮・障害者に対する教育と合理的配慮・高等教育機関における発達障害学生への支援の3つの側面から検討した。その結果、高等教育機関における障害学生に対する支援の課題は、1つは、障害学生のみを対象とせず、すべての学生を当事者とした合理的配慮の実現とそれに必要な基礎的環境の整備であった。他の1つは、障害学生の中等教育段階の個別の教育支援計画との連続性の確保、および計画を持たない障害学生やグレーゾーンにある学生について修学期間中の個別の教育支援計画作成と、これらの学生の卒業後のライフステージを見据えた個別の移行支援計画作成による支援の実施であることが示唆された。
プロジェクトマネジメントではQCD(品質:Quality、コスト:Cost、納期:Delivery)という言葉がよく使われる。プロジェクトマネジメントにおいて、QCDは重要なマネジメント要素であり、プロジェクトを成功させるために守らなくてはならない項目でもある。著者らは中小企業への支援活動を行ってきたなかで、ほとんどの企業がプロジェクトを上手く回せないという問題を抱えている状況が見受けられた。そこで、失敗したプロジェクト内容と理由に関する報告を収集し、プロジェクト毎にQCDへの影響の重み付けを行った。さらに、失敗につながるキーワードを報告から抽出し、失敗要因からリスク分析を実施した。