本研究では,連絡帳での保育士と保護者のやりとりを乳児の食事内容に焦点を当てて検討することによって,保育士が保護者と連携して子どもに支援する様相を明らかにすることを目的とする。その結果,保育士の「食事の連絡帳」での支援を受け,保護者と子どもが互いに影響を受け合いながら,それぞれの支援や行動を変容していく様相が明らかとなった。また,保育士と保護者の関係性の変容に伴い,保育士と保護者の単なる情報交換の道具として使用されていた連絡帳が,次第に子どもを支援するための媒介物としての役割も果たすようになっていった。そして,保護者は子どもの食事量や食べられる食材の増加から,子どもの成長を実感したり,子育ての不安を軽減することができており,「食事の連絡帳」が子育て支援や保護者支援としての効果をもたらすまでに,「食事の連絡帳」の機能が変容していったことが示された。
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