本研究の目的は,「境」としてのテラスは,幼児にどのような用途で活用され得るのかを明らかにするとともに,それらの用途は,周辺の場所や活動との間にどのような関係性を有するのかを検討することである。本研究では,幼稚園における観察によって収集した事例を質的に分析した。その結果,「境」としてのテラスは,幼児に<幼稚園の玄関口>,<屋内との連続空間>,<屋外との連続空間>,<遊び場>,<開放的な空間>,<活動猶予空間>の6用途で活用される場所であることが示された。また,この6用途は,【園生活のジャンクション】,【あいまい性】というテラスの性質を中核として,周囲の場所をも巻き込みながら,相互に関係性を有することが明らかとなった。
抄録全体を表示