太成学院大学紀要
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13 巻
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  • 2007年度から2010年度における調査
    池辺 晴美
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 1-8
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
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    本学3年次に開講されている体育実技を履修している学生を対象に新体力テストを実施した。結果は,全国平均と比較したところ,男女とも握力は有意に低値を示したが,他の測定については,平均を上回る項目が多かった。各年度間の比較においては,特に筋力が08男子,筋持久力が09女子をピークに低下している傾向がある。また,柔軟性が10学生において,女子よりも男子が上回った。生活習慣のうちの朝食摂取状況と睡眠時間については,男女とも07学生をピークに朝食を毎日食べている者が減少している。睡眠時間については,09男子と比較して10男子において6時間未満と回答した者は減少したが,8時間以上の睡眠時間を確保している学生はいなかった。今後,健康教育の一環として,他の学年及び他の学部においても体力・運動能力テストを実施し,自身の体力・運動能力を把握することは有益であると考える。
  • 明治初期 英語検定教科書以前の教科書の分析と検討
    井手 裕美
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 9-19
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
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    日本の英語教育の原点はどこにあるのか。検定教科書の出る以前, 日本人はどのようにして英語を学んだのであろうか。英語教育は明治維新前にすでに始まっており1811年に『諳厄利亜興学小筌(あんぐりあこうがくしょうせん)』, 1813年に『諳厄利亜語林大成(あんげりあごりんたいせい)』などの辞書が編集されていた。その後, 明治維新を迎え英語学習者の増加に伴い, 数多くの教科書が主としてアメリカから輸入されるようになった。1872年の「学制頒布」が国民教育の始まりとなったが, 英語教科書においては外国出版の「文典」「読本」などが使われた。その中で特にウエブスターの『スペリングブック』, ウィルソンの『第一リーダー』, ブローンの『ブローン文法書』の3冊を分析・検討することによって, 日本の英語教育の原点を調べ且つ現在の英語教育の課題を探る。
  • 観光地認知度調査と分析
    猪池 雅憲
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 21-32
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
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    本稿は岡山県津山市における観光地の認知度を調査し分析したものである。津山市観光地認知度調査は津山市内の中心市街地において実施した。津山市観光地認知度調査からは以下のことが明らかになった。津山市内の観光地で実際に「行ったことがある」場所で数値が高かったのは,津山城78%,衆楽園62%,城東町並み保存地区45%,横野滝38%,旧梶村家37%の順になっていた。「行ったことがある」場所で数値が低かったは,尾所の桜14%,布滝14%,梅の里公園18%,ぼたん寺19%であった。津山観光のパンフレットに記載されている観光地であるが,津山城,衆楽園以外の観光地で「行ったことがある」で60%に届かず,今後の観光産業を発展していくには非常に厳しい数値だと捉えることができる。
  • 岡山県津山市のフィールドワークに関する一考察
    猪池 雅憲
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 33-43
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    津山まつりのフィールドワークの満足度は92%と高かった。観光認知度調査,参与調査において「有意義だった」86%,「充実感をもつことができた」81%と高い数値を示している。数値が最も低かったのは「津山まつりをもっと広めるべきだ」で67%であった。自由記述ではフィールドワークに対する肯定的な意見が多数を占め,否定的意見は少なかった。自分たちの行動に対してもっと積極的にコミュニケーションを図るべきだった,態度の悪い学生が一部いて残念だったなど。内省する様子がうかがえた。学生のフィールドワークの満足度は前年度と比較すると上がっている。要因の一つとして初日に実施した観光認知度調査において,まちの人とのコミュニケーションがうまく図られ,アンケートもスムースにこなせたことが満足度の上昇に貢献していると考えられる。その背景には津山の人たちが私たちを快く受け入れてくれる土壌があったと推し量ることができる。ただ楽しいだけで学生が満足感を得ているのではなく,地元の人たちの受け入れの気持ちがそのまま学生満足度につながると思われる。
  • 「独居の歌」小考
    笠井 昇
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 45-49
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
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    巻十七所載の大伴家持の連作、いわゆる「独居の歌」六首について、その手法と内容の解釈を試みた。特に、六首中異色に見える第六首目の歌かきつはた衣に摺り付けますらをの着襲ひ狩する月は来にけり (17・三九二一)の存在意義をめぐって考えてみた。第一首から順を追って作歌し、最後にこのような表現にたどり着いた家持の精神構造の変遷を一首ごとに吟味することにより、この歌は、「慣例としてますらを達が参加し、毎年くり返えされてゆく「不変」の行事」という認識のもと作歌されたもの、という結論を得た。
  • 金杉 高雄
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 51-60
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
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    言語学の発展は現代の科学技術の進歩と切り離すことはできない。意味を中心とする言語学ではメタファー、メトニミーの研究がより活発に進められてきた。この分野ではGeorge Lakoff が最も重心的な研究者である。しかし、言葉の意味を研究する上で必要に迫られるのが、言語学以外の隣接分野の知見である。Lakoff は自分の言語理論をより包括的に発展させるために、Mark Johnson (シカゴ大学)という哲学者を招き、共同研究をし、研究書を発表している。あまりにも有名な「Metaphors We LiveBy」である。この著作を発表した後、彼らは再び、「Philosophy in the Fresh」を世に出しその研究成果を問うている。この2 作目の共著では「Philosophy」という言葉がタイトルに取り入れられ言語学と哲学的思考の関係の深さが全面に出ている好例であるといえる。さらに、認知文法(CognitiveGrammar)を提唱する Ronald Langacker は哲学者、Heidegger の影響を大きく受けていることは周知の事実である。彼はHeidegger の思想に基づいて数多くの認知モデルを提出している。言語学がいろいろな形で姿を変えて進展するのには興味が引かれる。そのような動向の中で、特にここ10 年の間に注目されてきた分野として語用論と歴史言語学とを体系的、有機的に組み合わせた「歴史語用論」がある。この言語学は文法化、主観化、間主観化をキーワードに研究が進められてきている。言語学の新しい方向性である。言語学と隣接分野との組み合わせ、そして従来の歴史言語学と比較的目新しい語用論との組み合わせによる研究方法に加えて、認知言語学と歴史語用論とを組み合わせた研究方法に関してのその輪郭について日本語を中心にして、その意味変化を取り扱いながら試論を行うものである。
  • 小高 恵, 金杉 高雄, 田中 秀生, 池辺 晴美, 糸田 千鶴
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 61-67
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本論文は,この一年間に,アセンブリ・アワーで取り組んだ初年次教育についての報告である。はじめに,春学期と秋学期で取り組んだ内容についての報告を行った。次に,その中から,学生の将来のキャリア意思決定についてどのような態度を持っているかについての報告を行った。最後にアセンブリ・アワーの4年間の位置づけについての提案を行った。
  • 嶋崎 裕志
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 69-77
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    人格の要素「意」について論議した。W.James は、「意志」「注意」を考えるとき、注意の対象は神経の状態によって決定され、いかなる対象も神経作用による以外にわれわれの注意を捉えることはできないと論述した。本論文では、意識はI開示(1.アルゴリズム、2.ヒューリスティックス)II非開示(3.本能、4.隠される部分)に4区分され、「意」は、ヒューリスティックスの中のgenerativity 生成性と対応すると提案された。人間の人格と意識は、中枢神経系により維持され、「意」は「今現在明らかでないことを既知の枠を広げて理解し、言語化していきたい、という人間の取り組み」と考えられ、それを神経生理学的に考えると、常に少しでも先に伸びようとする神経細胞の突起 process の成長と考えられ、神経細胞の不断の成長と考えられる。
  • 青年期から高齢期を対象として
    高井 範子
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 79-90
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    青年期(大学生)から高齢期の人びとを対象に,ポジティブな生き方態度の形成要因についての検討を行った。男女共に加齢に伴って積極的な生き方態度が強まっていき,特に中年期女性においてその傾向が著しいことが見出されている。そこで,ポジティブな生き方態度に変化していく要因は何であるのかについて,生き方態度の男女の相違が特徴的であった中年期を主として取り上げながら,測定尺度によるものだけでなく自由記述分析も含めた検討を行った。その結果,ポジティブな生き方態度の形成要因として,ありのままの自己受容,他者懸念からの脱却,ありのままの自己を生きる姿勢,他者からの受容感(自分を受容してくれる他者の存在),仕方のないことに対するあきらめや折り合いをつける姿勢,自己成長的な人間関係観,ボランティア活動や社会的活動,趣味をもつことや教養講座の受講その他,何らかの行動を具体的に起こすこと,宗教的側面,目標や打ち込むべきものがあること,意味志向性や自己の存在価値感,人的なネットワークを持つことなどが見出された。本論文はポジティブな生き方態度の形成要因を検討するための筆者のレビュー論文である。
  • 太成学院大学の関西学生バスケットボール5部Aリーグでの戦い
    高橋 清
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 91-95
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究は2009年8月から10月まで開催された関西学生バスケットボールリーグ戦5部Aリーグの上位4チームの対戦した12試合を対象とし,オフェンスの攻撃形態が試合にどのような影響を及ぼすのかを,ファースト・ブレイク,セット・オフェンスについてそれぞれ比較し,分析を試みたものである。その結果、対象4チームにおいてファースト・ブレイクの試行回数が多く,成功の割合が高い数値を示し準成功率が低い数値を示した場合,試合の勝敗に影響を及ぼすことが認められた。セット・オフェンスにおいては,攻撃形態を5種類の動作に分類し集計した結果,各チームの特徴がみられた。太成学院大学は他の3チームよりも身長の優位差を生かしたプレイが多くみられ,パスを受けたらシュートする「shot」,リバウンドをとってシュートする「rebound」が多かった。この結果は,太成学院大学の競技レベルを把握できるとともに,今後の練習プログラムの設定やコーチングに役立つと考えられる。
  • ルソー『告白』「第一巻」「第二巻」における<盗み>の挿話のテキスト分析
    田中 秀生
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 97-103
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    ルソーの自伝作品『告白』には,ルソー自身の過去の悪徳の数々が記述されているが,特に読者の注意を惹くのは,子ども時代を描いた巻において盗みのエピソードが数度回想されている事実である。ルソーは自伝行為として過去の実際の出来事とそれにまつわる内面の連鎖を記しているのであるが,少なくともそれは過去の出来事と心理状態の無色透明の写しではなく,むしろ自伝という形式の借り受けによるところのより効果的な思想の表明とも考えられる。本稿は「第一巻」「第二巻」に現れるいくつかの盗みの挿話とそれに関係する周辺部分を取り上げ,主として盗みが発生する舞台としての共同体とそこを統制している法の性格を分析することを通じて,ルソー思想の基本的構えとしての自然/社会の枠組みに接続する内容をそこから析出することを試みた。
  • ルソー的徳の美学的方法(IV)
    田中 秀生
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 105-113
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    ルソーの著作には,対象が三分され(多くは時系列が織り込まれた形で),その中間部分(中間状態,中間項,中間期,等)が,その前後の部分それぞれの善きものの保存と悪しきものの廃棄によって価値あるものとしての属性を帯び,多くの場合,理想的なものにまで高められる,というパタンが観察される。人間の教育がテーマとされた作品『エミール』においても,個人の成長過程の中に「美しい幼年期」の「できあがった子ども」という独特の形象が造形されており,このルソー的<中間>と見做しうるものが出現し,自然状態の子どもとも完成された大人とも質的に区別された,一つの完結した理想状態が表現されている。本稿では,この『エミール』における<中間>性について,その内容の概略を呈示し,またその内容の政治思想における意味を敷衍して検討した。
  • 中村 真規子
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 115-125
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    この論文は,医療サービスの質の向上を目指すための一考察である。発展途上国の医療サービスの問題点を流通の視点から整理する。事例として,南アメリカのガイアナの医療制度を整理する。人的,物的な資源に恵まれていない発展途上国で,医療サービスへのaccessiblity1 とavailabilityの向上を最小限の資金投入で達成しようとしている。ガイアナは無料提供によりaccessibilityの経済面は向上したが,一部の医療機関へ患者の集中がおこり医療制度が機能低下している。改善の方法は、マクロ的には国の医療制度と管理体制の整備,ミクロ的には医療機関のマネージメントの改善である。ここでは、ガイアナの医療制度の問題点を概観する。
  • 道本 ゆう子, 中村 真規子
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 127-130
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    近年の英語(Englishes)の拡張や国際言語としての役割を議論するときに、英語のintelligibilityが問題となっている。英語教育の分野でも、かつては伝統的な英語の母語話者(native speaker)の英語をモデルとし、それを評価の基準としていたが、昨今の英語の多様性に伴って英語教育も多様化しており、英語のintelligibilityをどのように確保するのかが課題となっている。本論では、現代英語の動向を踏まえ、英語教育とintelligibilityの関係、その必要性について考察する。
  • 文 鐘聲
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 131-136
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    学童期のこどもを持つ保護者が抱える,こどもと家庭・家族との関係に対する不安とその関連要因を検討することを目的とした。こどもと家庭や家族との関係について不安に感じる群(不安群)と感じない群(非不安群)に分け,独自に開発した漸化式を用いた分割表の直接確率計算を行った。不安群は非不安群に比べ,若い傾向にあり,居住年数が少なく,乳幼児がいる保護者の割合が高かった。また,かかりつけの医師を決めている割合が少なく,となり近所とつきあっていない割合が高い傾向にあった。また,緊急時に頼る相手として,家族・親戚に頼ることが少なく,学校関係者や公共の相談窓口により多く頼り,暮らしや,医療・健康・福祉,子育てのことで必要な情報を公共の相談窓口から得ている割合が高かった。住民同士のつながりを形成するための方策が必要であり,町内会や民生委員だけではなく,地域住民,地域,ボランティア等各種団体との新しいネットワークづくりが必要である。
  • 八木 一成, 橋本 千穂
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 137-144
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    2005年に制定された食育基本法により食育という名のもとで教育現場においても食に関する様々な取り組みが行われている。本稿では全寮制の中等教育学校における食生活に関するアンケート調査の自由記述内容について分析を行った。その結果,食生活に感謝の念を抱いているグループ,自身の食生活を肯定しているグループ,食生活に何らかの目標を持っているグループでは残食が平均より少なく,自身の食生活を反省しているグループ,不満を抱いているグループ,心配しているグループでは残食が平均より多いことが明らかとなった。また,残食が皆無であるグループを分析することにより,食育のあるべき姿を考察するものである。
  • 第91回・第92回全国高等学校野球選手権大会地方大会結果から
    雜賀 亮一
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 145-156
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    第92回全国高等学校野球選手権大会地方大会(以下,第92回地方大会とする)49地区の試合結果をもとに,先制点をあげたチームの勝率から,先制点が勝敗にどのような影響を及ぼすかを分析すると共に,勝つために望ましいゲーム展開を考えた。結果,第91回全国高等学校野球選手権大会地方大会(以下,第91回地方大会とする)と同様に,先制点をあげたチームの勝率が高く,先制点をあげることが勝敗に影響を及ぼすことが判った。
  • 雜賀 亮一
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 157-163
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    第92回全国高等学校野球選手権大会(以下,第92回全国大会とする)において先制点をあげたチームの勝率から先制点が勝敗にどのような影響を及ぼすかを分析した結果,先制点をあげたチームの勝率が高く,先制点をあげることが勝敗に影響を及ぼすことが判かった。第92回全国大会においては,先制点が勝利に結びつく割合が,第92回地方大会よりも大きく,改めて先制点の重要性を認識することとなった。全国大会における試合は,先制点をあげることで80%以上の勝率が得られる。先攻後攻においては,1回戦〜準々決勝以前の試合は後攻を,準々決勝以降の試合は先攻を選ぶ。前半(1回〜3回)で先制点を得点することがポイントとなるが,地方大会に比べ,初回における先制点のウエイトが小さくなっており,中盤(4回〜6回)までの粘りが必要となり,地方大会に比べ接戦になる試合が多いと言える。野球は「各チームは,相手チームより多くの得点を記録して,勝つことを目的としている。正式試合が終わったとき,本規則によって記録した得点の多い方が,その試合の勝者となるである」(公認野球規則,2009) ことから,早い段階から得点を重ねていくことが重要である。
  • Excelで求める2×m分割表の確率
    坂元 保秀, 文 鐘聲
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 165-172
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    分割表における独立性および一様性の両側仮説検定では一般的に検定統計量としてx²分布が用いられる。分割表の表内出現値が小さい場合,検定統計量に連続修正を施し検定が行われる一方で,出現値に対して超幾何分布に基づいて直接に確率を求める方法が利用され確率計算式として漸化式を導出した。また,漸化式による確率をMS-Excelを用いてプログラム化し,ワンクリックでその結果を表示させた。分割表の直接確率計算はExcel上では2×5分割表までの確率を求めx²検定統計量との有意性の検討も行い直接確率の有効性を確認した。
  • 瀬川 滋
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 173-184
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    システムの開発が成功するか失敗するかは,開発過程の要所要所で,プロジェクトに関わるあらゆる人の,特にプロジェクトマネジャーの物の見方・考え方に拠る所が大である。このことを,同業2社のシステムの開発の失敗事例と成功事例をモデルに取り上げ,開発過程毎に比較的にスタディしている。
  • Andere Lösung über das "Basel-Problem"
    若宮 達夫
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 185-193
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/15
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    ゼータ関数ζ(s)=∑_(n=1)^∞▒(1/n^s )においてs=2のときの値,すなわち∑_(n=1)^∞▒(1/n^2 )の値を求める問題をとくにバーゼル問題という。つまり,1+1/2^2+1/3^2+1/4^2+…の値を求める問題である。これはごく簡単そうに見えるがきわめて難解なため,過去多くの数学者の心をとらえてきた。ライプニッツをはじめ,著名な数学者らがこの問題に取り組んだが,いずれも徒労に帰している。最終的にオイラーによって解決をみた,いう経緯がある。これは純粋数学の面から解かれた問題ではあるが,はなはだ興味深いことに電気工学の分野にこのバーゼル問題が姿を見せるのである。交流を扱うある種の電気回路計算の中にそれが登場する。この計算を進めることでオイラーの解法とは別の方法でバーゼル問題を解くことができる。
  • 小坂 やす子, 文 鐘聲
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 195-201
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    精神看護学実習の準備や実習指導の資料とするために,精神看護学実習前後における精神障がい者に対するイメージの変化を明らかにすることを研究目的としてA大学看護学部3年生52人(全員女性)を対象に調査した。看護学生(以下,学生とする)の精神障がい者に対するイメージ21項目の平均得点とイメージの4因子「対人イメージ」,「行動イメージ」,「態度イメージ」,「意志のイメージ」の平均得点のそれぞれを精神看護学実習前後別に比較した。分析結果,精神障がい者に対するイメージ21項目の平均得点においては「つらい-楽しい」,「頼りない-頼もしい」,「消極的な-積極的な」,「内向的な-外向的な」,「臆病な-勇敢な」,「暗い-明るい」,「疲れた-元気な」,「不親切な-親切な」,「強情な-素直な」,「親しみにくい-親しみやすい」,「無気力-意欲的な」,「不安定な-安定した」,「弱々しい-たくましい」,「鈍い-鋭い」,「落ち着きのない-落ち着いた」の15項目のイメージ項目の平均得点において精神看護実習後は実習前より肯定的な方に有意に高かった(各p<0.01)。イメージ4因子の平均得点において4因子とも精神看護学実習後は,実習前より肯定的な方に有意に高かった(各p<0.01)。精神看護学実習における精神障がい者との接触体験によって,学生の精神障がい者に対するイメージは肯定的に変化するものと考えられた。今後の精神看護学実習準備や実習指導として精神障がい者に共感できる授業の工夫,行動の意味やその背景を考える機会をつくることの重要性が示唆された。
  • 文献検討
    松井 達也
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 203-211
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究の目的はアルコール症を持つホームレスに対する支援に関する文献検討を行い、彼らの支援についての示唆を得ることである。アルコール症を持つホームレスに対する支援に関する国内文献10編と国外文献42編の文献検討を行った結果、ホームレスであることとアルコール症は大いに関連があり、ホームレスのアルコール症を解決するためには入所施設での集中的なプログラムと退院後の地域での医療的支援と居住の確保が重要であることがわかった。さらに国内におけるアルコール症を持つホームレスに対する支援は不十分であり、特に地域でいかに医療的支援を行うかが課題となっている。
  • バタイユによるヘーゲル
    髙橋 紀穂
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 213-224
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本稿はヘーゲルの「否定性」の概念をバタイユがいかに受容,発展させたかについての論考である。議論は以下の手続きでなされる。第1節においては,バタイユがヘーゲル哲学の中に「供儀」の要素を見たことが確認される。第2節においてはその「供儀」の概念を,バタイユが人間の「外」を目指すための方途と捉えていたことを明らかにする。第3節では,コジェーヴが論じたヘーゲル哲学における「否定性」の概念をとり上げる。すなわちそれが知の豊かさと労働の発展を駆動させる契機とされていることを論じる。第4節においては,バタイユが「否定性」には知と労働を発展させる側面と死と破壊を導く供儀的側面を見ていたことを明らかにする。第5節においてはバタイユが「否定性」の供儀的側面を第一義的に考えていたことを明らかにする。最後の「おわりに」においては,ヘーゲルが「否定性」の一面しか見ていなかったというバタイユの批判を取り上げる。
  • 中桐 謙一郎
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 225-232
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    抽象的な否定概念は具体的な空間概念における経験を基にして理解されている概念である。この二つの概念は「容器のメタファー」を基盤として理解されている。「内外」や「越境」などの概念によって捉えられる否定概念は,「ない」を用いた否定文によって主に存在論的に「Xがない」や認識論的に「Xではない」の二種類で表される。この二つの概念はそれぞれものの「存在」とものの「存在の仕方(=存(あ)り方)」に依存している。そのような概念化を可能にしている要因は「視覚」である。すなわち,「否定概念」は視覚という人間の五官による「身体的」な概念化を基盤としている。
  • 学級活動や集団遊びを中心に
    中塚 健一
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 233-240
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    我が国では,戦後,「日本国憲法」制定により主権在民が宣言され,民主主義が日本の政治,社会体制の基礎となった。しかし,多数決を原則とする民主主義の手続きには,マイノリティや弱者を排除してしまう負の側面がある。子どもたちが,平和で民主的な国家・社会の形成者としての資質を身に付けるために,どのような実践が可能なのか。本稿では,小学校の集団遊び等による,児童の民主的思考の成長と教師の役割について検討していく。
  • 服部 俊子
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 241-252
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    事前の意思表示であるアドバンス・ディレクティヴは, 「拡張された自律」という道徳原理を軸とした, 患者の自己決定の「明確な証拠」である。よって、代理意思決定ではそれを採用することが患者の自律尊重になる。この見解は今、人々に広く認知されているものである。それに対して, そもそも自律は拡張されないと異議を唱えたのが, ブキャナンとブロックである。彼らにとって代理意思決定は, 意思能力がある患者の権利を拡張することによって, すでに事前に決定されたものとしてあるアドバンス・ディレクティヴを,代理人が採用するという、手続きの方法を意味するものではない。意思能力がない「他者」を, 意思能力があるわれわれがどのようにとらえ, その他者のためにどのような決定ができるのか、その問題に対するわれわれの道徳的判断を、繰り返し検討し続けるところにあるものなのである。本稿は, パーフィットの「人格の同一性」や「言語行為」を切り口に, アドバンス・ディレクティブと代理意思決定を考察した彼らの主張を概観し, そこで提示された代理意思決定を検討する。
  • 町 惇彦
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 253-258
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    金融商品会計基準と法人税法との調整、デリバティブ取引等を利用した租税回避防止の観点から、各期末に時価評価し、評価損益は課税所得に反映させる措置が必要となる。しかし、法人税法の所得計算は未実現利益の計上を担税力等の観点から原則として認められないにもかかわらず、売買目的有価証券は期末保有時点で時価によって評価(時価法)し、それによって、評価益とされた場合、益金の額に算入され、課税所得を構成する。法人税法の所得計算規定は未実現利益の排除、実現主義であり、この実現主義との整合性を持たせるべき点の理論的根拠付けを検証してみる。
  • 森山 輝夫, 町 惇彦
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 259-264
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    平成13年の改正商法により、自己株式の取得を認める必要性が高い場合以外は自己株式の取得を禁じていたのが解禁され、それに伴って会計処理も全面的に見直され、自己株式の取得による資本金・資本準備金の減少の会計処理を定める必要から平成14年2月21日「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」が公表され、それまでの資産計上を資本の部に計上すると定めた。この金庫株解禁の背景と商法改正を通して会計処理の転換を検証し、併せて個人株主並びに法人株主からの自己株式の取得に伴うみなし配当課税の取り扱いを検証する。
  • リーマンショックに関する一考察
    瀬川 滋
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 265-271
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    経済学は長らく「アダム・スミスの理論」が支配し,金融工学もこの理論を基に,NASAのスペースシャトル打上失敗で溢れた技術者を中心に,金融商品の価格分布が彼らの得意な分布の正規分布で表して理論化し,これを前提にデリバティブ商品等金融商品が開発していった。しかし人間がからむ行動は必ずしも理論的で無くて,金融商品の価格分布も正規分布では無くてベキ分布に従うということが分かってき,これまでの金融商品の前提が大きく狂ってきた。このことがリーマンショックの発生を見誤り,その後の経済恐慌を引起こした。
  • 人間教育の伝統と未来
    寺田 治史
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 273-283
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    幸福度世界一のデンマ-クと同90位の日本(2006年.英レスタ-大学ホワイト教授調べ)。この違いはどこから来るのか。5度に亘るデンマ-ク訪問の結果、その底流に両国における教育の歴史に違いを見出す事が出来る。知と情と意を統合した"対話中心の教育"(筆者はこれを人間教育と称する)を貫くデンマ-クに対して日本の教育は、知育に偏しているように思われる。デンマ-クにおける調査、聞き取り、視察を通して考察した内容を提示し、わが国における今後の議論の糧となれば幸いである。
  • 養護教諭との連携
    梨木 昭平
    原稿種別: 本文
    2011 年 13 巻 p. 285-296
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    養護教諭を目指す看護学部学生と主に保健体育科教諭を目指す学生とが一緒に受講している点が本学の教職課程の大きな特色のひとつといえる。約30年ぶりに文部科学省が発行した「生徒指導の手引き」-「生徒指導提要」では、「養護教諭と他の教職員との連携」ということが何箇所かで指摘されている。また一方で2010年度以降の入学生には「教職実践演習」の受講が新しく義務づけられる。養護教諭との連携や「実践」ということに留意して、受講生向けのテキストを比較検討し、講義時の学生の「ふりかえり」や意見表明にも着目しながら、「生徒指導論」について考察する。
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