日本毒性学会学術年会
第50回日本毒性学会学術年会
選択された号の論文の555件中551~555を表示しています
一般演題 ポスター
  • Armin WOLF, Monika TU, Lola FÄS, Natalia ZAPIORKOWSKA-BLUMER, Kasia SA ...
    セッションID: P3-314
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/03/08
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    While animals produce high wrong predictions of drug-induced liver injury (DILI) to man, human micro-physiological systems (MPS) raised high expectations that their use in industrial practice could improve the hepatoxicity prediction. Among the available MPS, human 3D primary hepatic spheroids are most promising in terms of their liver-like features, scalability, data quality, reproducibility, and miniaturization which make them compatible for standardized industrial high-throughput applications. Moreover, human 3D hepatic spheroids predict hepatotoxicity more accurately than primary human hepatocyte cultures (Proctor et al., Archives of toxicology vol. 91,8 (2017): 2849-2863). In the current study human 3D hepatic spheroids were further evaluated by a large data set of clinically applied drugs which were selected from the FDA DILIrank dataset. In the current study the cytotoxicity of 82 drugs were investigated by their ATP content after 7-day treatment. The cellular ATP IC50 values were put in relation to the clinical exposures (total plasma Cmax). The cytotoxicity of the FDA classified drugs correlated well with the in vivo hepatotoxicity. Hepatotoxic drugs had lower cellular ATP IC50 to total plasma Cmax ratio (Ra/c) than non toxic drugs. At an empirical Ra/c score below 90 drugs were flagged as hepatotoxic. 80.6% of “Most-DILI-Concern” drugs were correctly predicted as hepatotoxic, whereas 84.2% of “No-DILI-Concern” drugs were correctly predicted as safe. A similar positive correlation was obtained for the severity class and label section of the drugs tested, with the most hepatotoxic drugs having lower Ra/c scores than less hepatotoxic drugs. In conclusion, the results demonstrate that human 3D hepatic spheroids is predictive and pragmatic MPS that can be applied in drug development at the industrial setting.

  • 勝谷 成男, 山田 隆志, 広瀬 明彦, Emma HILL, Adrian FOWKES, Susanne STALFORD, Alun ...
    セッションID: P3-315
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/03/08
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     すべての化学物質について、動物を用いてその毒性を試験することは非現実的でかつ実現不可能であることから、代替法を用いて高リスク物質を検出する必要があると考えられている。生殖発生毒性試験は高価で時間を要するためその必要性が特に考慮されるべきで、代替可能な方法にはAOP(Adverse Outcome Pathway;有害性発現経路)にもとづいた“試験と評価のための統合的アプローチ”(Integrated Approaches to Testing and Assessment;IATA)が含まれる。我々は、化学物質の毒性データベース(DB)を新たに作成した。含まれるデータセットの解析を出発点として、生殖発生毒性のAOPを開発した。

     DBに含まれる生殖発生毒性試験は、概ねOECDテストガイドラインTG421及びTG422に従って実施された。試験成績毎にレビューが行われ、データセットのキュレーション及び分析が実施された。その結果、毒性に関係する化合物クラスと標的候補が特定された。関連性抽出等から、標的候補に関係するAOPを推定した。さらに、標的分子の生理学的な役割及び毒性あるいはそれらのメカニズムなど、AOPにおける関連性について調査した。

     開発されたAOPでは、ヒストン脱アセチル化酵素阻害による高アセチル化を分子開始イベント(molecular initiating event;MIE)とし、嚢胚形成、軟骨形成及び骨形成の3経路の障害に含まれる主要イベント(key event;KE)を介して、最終の有害性発現(adverse outcome;AO)である骨格奇形について記述することができた。AOPにおける機序は、当該遺伝子をノックアウトした研究や構造が異なる阻害剤による研究によって検証されている。またAOPを用いた毒性予測の実施例により、本AOPの有用性が確認された。

  • 堀川 真一, 飯野 好美, 牛丸 忠士, 佐々木 就康, 團塚 眞美, 藤原 淳, 角﨑 英志
    セッションID: P3-316
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/03/08
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    2022年7月20日に株式会社新日本科学と株式会社イナリサーチは新日本科学グループとなった.これを機会に両施設間で行っているSENDデータの作成においても協力し,FDAや製薬企業におけるデータレビュー及び今後のSEND利活用を見据えて高品質なSENDデータが提供できるようSEND仕様(SENDデータセットの格納ルール)の統一化に取り組んでいる.

    FDA Data Standards Catalog v9.0に記載されている通り,2023年3月15日以降開始する試験からFDA申請において「胚・胎児発生に関する試験」(EFD試験)のSENDデータの提出が義務化された.

    SENDデータセットは,試験報告書やコンピュータシステム等に基づくSEND仕様の違いにより,試験施設ごとに用語や格納方法に差が生じやすい.これはEFD試験も同様であり,CDISCが公開した CDISC/FDA SENDIG-DART v1.1 Fit for Use Pilotの結果からもその状況が伺える.

    このような状況から,新日本科学グループでは,それぞれの施設で実施する標準的なEFD試験をケーススタディとして取り上げ,SENDデータセットに生じている違いについて分析を行った.その結果,我々の施設間でも,採用する用語の違い,データ格納ルールの違いに加え,胎児の形態学的所見の統制用語へのマッピングにも違いが生じていることが分かった.そこでSEND仕様の統一化へ向けた第一歩として,SENDデータセット内で使用する用語の統一に取り組んだ.

    本発表では,具体的なSENDデータセットの違いを報告すると共にSEND仕様の統一化へ向けて取り組んだ用語の統一について報告する.

  • Marina TSUGARU, Kenichi NORITAKE, Haruka NISHIYA, Toshio IMADE, Katsuh ...
    セッションID: P3-317
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/03/08
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    【序論】

    脳脊髄液(CSF)は薬物の中枢移行性や中枢神経系毒性を評価するうえで重要な生体試料である。本研究では、2種類のCSF採取法(大槽穿刺と頸部切開)でCSFを採取し、CSF中の化合物及び神経伝達物質の濃度を比較した。また、3種類の麻酔が神経伝達物質濃度に及ぼす影響についても比較検討した。

    【方法】

    実験1では、3種類の麻酔下(ペントバルビタール、イソフルラン、3種混合麻酔)で無処置ラットからCSFを採取し、神経伝達物質を測定した。実験2では、中枢移行性の異なる3種類の化合物(カルバマゼピン、オンダンセトロン、ベラパミル)を投与した。投与後0.5、1、4時間に血液とCSFを採取し、血漿中及びCSF中の化合物濃度を測定した。

    【結果及び考察】

    実験1では、大槽穿刺法に比べて頸部切開法でドパミン、ノルエピネフリン、エピネフリン、セロトニン、ノルメタネフリン、メタネフリンが高値を、DOPACが低値を示した。麻酔比較では、大槽穿刺法において、イソフルラン麻酔に比べて、3種混合麻酔ではノルエピネフリンとエピネフリンが、ペントバルビタールではエピネフリンが低値を示した。実験2では、3化合物とも2つの採取法で化合物濃度の差は認められなかった。化合物濃度測定ではどちらの採取法も有用であるが、神経伝達物質測定にはイソフルラン(またはペントバルビタール)麻酔下、大槽穿刺を選択することが望ましいと考えられた。

  • 秋山 雅博, 江島 竜太, 佐藤 弘規, 金 倫基
    セッションID: P3-318
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/03/08
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    【目的】近年、メタボリックシンドローム(以下:MS)の制御に対する腸内細菌叢の関与が知られる。アルギン酸ナトリウム(以下SA)はMSに対する改善効果や、一部の腸内細菌が資化できることが知られている。しかし、SAのMS抑制作用に対する腸内細菌の関与は不明である。そこで、本研究では作用への腸内細菌の寄与を明らかにすることを目的とした。 【方法】C57BL/6J雄マウスを高脂肪飼料と5%SA含有高脂肪飼料の2群に分けた。をそれぞれ12週間与え、MSの病態評価と糞便中菌叢解析を行なった。同様の条件で4週間飼料を与え、大腸粘膜固有層の細胞集団解析と糞便中菌叢解析、糞便中メタボローム解析を行なった。抗生剤を投与してマウスの腸内細菌叢を撹乱させ、4週と12週で上記と同様の実験を行なった。 【結果と考察】高脂肪食と同時にSAを摂取したマウスでは、Bacteroides属菌が顕著に増加した。抗生剤を投与したマウスではBacteroides属菌が大幅に減少し、SAによるMS抑制効果が消失した。MSの発症に関わる腸管のマクロファージ(以下:Mφ)を観察したところ、Bacteroides属菌の増加に伴って炎症性Mφの割合が低下した。Bacteroides属菌と正の相関を示す代謝物として、ビタミン B 群などが同定された。以上の結果から、SA摂取によって増加するBacteroides属の腸内細菌やその相関代謝物がMφを制御することでMSを抑制している可能性が考えられる。 【結論】SAはBacteroides属菌ならびに相関代謝物を増加させることで腸管における炎症性Mφを制御しMSを抑制している可能性が示唆された。

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