市販
ほうとう
17種の性状および物性について検討を加え,以下の結果を得た.
(1) 市販
ほうとう
は形状および成分に大きな差が見られ,幅は5~10mm,厚みは1.6~2.8mm,水分量は24~35%,食塩量は0.2~1.7%,タンパク質量は生めん中に6.7~9.4%,原料小麦粉に換算すると8.4~11.8%であった.
(2)
ほうとう
の標準的な形状および成分は幅が5~6 mmあるいは7~8mm,厚みは2mm,水分量28~30%,食塩量0.8~1.1%,タンパク質量(原料小麦粉中)9~10%であると判断された.
(3) ゆで後の形状増加はゆで前に比べて幅が1.2~1.5倍,厚みが1.2倍で,引張り強度は3~4g/mm
2の範囲にあった.
(4) 17種の
ほうとう
から5種を選択し,ゆで時間をかえて
ほうとう
の水分量および物性値を測定した. 5種の
ほうとう
の食感的に好ましいゆで時間は試料により13分から20分まで幅が見られたが,その時の水分含量は67~68%であった.
(5) 物性試験において, 5試料のせん断強度および引張り強度はいずれも水分含量への依存性が高かったが, 4試料でせん断強度の方が水分含量との相関係数が大きかった.
(6) 5種の
ほうとう
の水分含量68%での物性値を比較すると,せん断強度と引張り強度とに正の相関が見られた.
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