CPAにて搬送され結果的に死亡した症例に対し死後CT (
オートプシー
・
イメージング
。以下, Ai) を施行し死因究明の有用性を検討したので報告する。対象は2009~2016年, 海老名総合病院にCPAにて搬送され死亡確認後, Aiを撮像した285例。年齢は0~104歳, 中央値は74歳。頭部, 頸部および躯幹部 (胸部~骨盤部) をMDCTを用い撮影し, 放射線科専門医かつAi学会認定医が読影した。結果, CT画像のみから死因が判明した症例は78例であり, 大動脈解離・大動脈瘤破裂40例, くも膜下出血・脳内出血12例, 血性心囊液による心タンポナーデ8例と続いた。死亡時の状況と併せて死因を推定できたのは21例であり, 最多が溺水14例であった。今回の検討では285例中99例 (35%) で死因の推定ができた。CPAで搬送され結果的に死亡したが死因が不明であった場合に, Aiはその原因検索に有用である可能性が示唆された。
抄録全体を表示