詳細検索結果
以下の条件での結果を表示する: 検索条件を変更
クエリ検索: "カスパーゼ"
1,525件中 1-20の結果を表示しています
  • 韓 青松, 弓田 長彦, 西垣 隆一郎
    日本ハイパーサーミア学会誌
    2007年 23 巻 1 号 31-40
    発行日: 2007/03/20
    公開日: 2007/06/22
    ジャーナル フリー
    ハイパーサーミア (HT) によるアポトーシス誘導のメカニズムを, ヒト前骨髄性白血病細胞HL-60を用いて検討した. HL-60を43℃で60分間処理し, 形態観察およびDNAラダーの検出によりアポトーシスの誘導を確認した.
    カスパーゼ
    -3および8の活性を経時的に測定し,
    カスパーゼ
    -3, 8および9の阻害剤による
    カスパーゼ
    -3活性とアポトーシス誘導に対する影響を検討した. HT処理開始後, 早い時期からアポトーシスが誘導され, DNAラダーは処理終了後1時間から観察された.
    カスパーゼ
    -3および8は, HT処理によって活性化され,
    カスパーゼ
    -3および8の阻害剤添加によって,
    カスパーゼ
    -3の活性化とアポトーシス誘導はほぼ完全に阻害された. 一方,
    カスパーゼ
    -9の阻害剤添加によって, 両者は部分的に阻害された. 以上の結果より, HTは
    カスパーゼ
    -3の活性依存的にアポトーシスを誘導し,
    カスパーゼ
    -3の上流に位置する
    カスパーゼ
    -8と9は,
    カスパーゼ
    -3の活性化に重要な役割を担っていることが示された.
  • 羽鳥 仁志, 大谷 直, 大橋 勝, 上條 竜太郎, 南雲 正男
    頭頸部腫瘍
    1999年 25 巻 1 号 43-47
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    cisplatin (CDDP), fluorouracil (5-FU) による舌由来扁平上皮癌細胞株NAのアポトーシス誘導機構への
    カスパーゼ
    の関与について,
    カスパーゼ
    阻害剤を用いて検討した。NA細胞への細胞障害性を検索した結果, 両抗癌剤はNA細胞に対して細胞傷害性を示したが, 5-FUによる細胞傷害性は
    カスパーゼ
    阻害剤添加により抑制された。また, DNA断片化の定量分析において, 5-FUによる細胞質中への断片化DNAの放出は
    カスパーゼ
    阻害剤によって抑制された。さらに初期アポトーシスの指標となる phosphatidylserine (PS) の表面化をフローサイトメトリーにて検討した結果, 5-FUによるPSの表面化は
    カスパーゼ
    8の阻害剤を添加することにより抑制された。以上の結果より5-FUによるNAのアポトーシス誘導機構において,
    カスパーゼ
    8を含む
    カスパーゼ
    カスケードが関与していると思われた。
  • 香月 聡, 岩本 和香子, 山口 武夫
    高圧バイオサイエンスとバイオテクノロジー
    2008年 2 巻 1 号 130-137
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/30
    ジャーナル フリー
    マウス赤白血病 (MEL : Murine Erythroleukemia)細胞に100 MPaの高圧処理を行うと、ミトコンドリアの膜電位低下、
    カスパーゼ
    3の活性化やDNAラダーなどのアポトーシスに特徴的な現象が見られることが報告されている。今回、アポトーシスに伴う細胞の形態変化、
    カスパーゼ
    3の活性化経路、細胞内の水の状態変化について検討した。
    カスパーゼ
    8と
    カスパーゼ
    9の阻害剤を用いた解析から、100 MPaの高圧処理をした細胞で見られる
    カスパーゼ
    3の活性化には、
    カスパーゼ
    8とミトコンドリアを介する2つの経路が関与していることがわかった。高圧処理した細胞の走査型電子顕微鏡による観察は、細胞膜表面の平滑化を示した。また、1H-NMRによる細胞内の水のスピン‐格子緩和時間 (T1)の測定から、高圧処理直後では細胞からの水の流出が、180分間培養した細胞ではアポトーシスの進行に伴い、細胞内への水の流入が考えられた。
  • 桑原 大輔, 堤 康一朗, 小林 健彦, 俵道 淳, 肥塚 泉
    日本耳鼻咽喉科学会会報
    2002年 105 巻 2 号 152-157
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    われわれは頭頸部扁平上皮癌細胞 (HNSCC) に対してシスプラチンが
    カスパーゼ
    9の活性化を誘導し,
    カスパーゼ
    9の特異的抑制剤がこのHNSCCにおけるシスプラチン誘導性アポトーシスを抑制することを報告してきた. 本研究の目的は, シスプラチン耐性 (抵抗性) HNSCCにおいてシスプラチンによる
    カスパーゼ
    9活性化が抑制されるかどうかを調べることであった. シスプラチン耐性HNSCC株はシスプラチン存在下で増殖するものが選択された. シスプラチン処理後のプロ
    カスパーゼ
    9分解は耐性株では検出されなかったが, 耐性株の親株であるシスプラチン感受性HNSCC株では検出された.
    カスパーゼ
    9活性を合成ペプチド分解能で検討したところ, シスプラチン処理後の
    カスパーゼ
    9活性は耐性株において感受性株と比較して低かった.
    カスパーゼ
    9の活性化にはチトクロームCの細胞質放出が必要と考えられているため, シスプラチン処理に反応する細胞質チトクロームCの発現レベルを検討した. 興味深いことに, シスプラチン処理後の耐性株と感受性株では同程度の細胞質チトクロームCの増加が認められ, Bcl-2関連蛋白 (Bcl-2とBcl-XL) の発現にも変化を認めなかった. これらの結果は, ある種のHNSCCでは
    カスパーゼ
    9活性の抑制がシスプラチン耐性に関与することを示している. またこの抑制機構はチトククロームCの細胞質放出に依存しない可能性がある.
  • *黒柳 美和, 山田 健志, 初谷 紀幸, 西村 幹夫, 西村 いくこ
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2005年 2005 巻
    発行日: 2005/03/24
    公開日: 2006/01/11
    会議録・要旨集 フリー
     植物の細胞死において、動物の細胞死の鍵酵素である
    カスパーゼ
    様活性の関与が示唆されているが、その実体は明らかではなかった。我々はタバコモザイクウィルスによって誘導される過敏感細胞死において液胞プロセシング酵素 (VPE)が
    カスパーゼ
    -1活性の実体である可能性を示した(1)。VPE が
    カスパーゼ
    -1活性をもつか否かを酵素化学的に明らかにするため、昆虫細胞を用いてVPEを発現し、VPEの特徴を動物の
    カスパーゼ
    -1と比較した。VPEは自己触媒的にプロ型前駆体から活性型に変換され(2)、標的タンパク質の成熟化に関与するシステインプロテイナーゼであり、これらの点において
    カスパーゼ
    -1と類似している。また、VPEは
    カスパーゼ
    -1の基質を切断し、
    カスパーゼ
    -1の阻害剤はVPE活性を抑制した。
    カスパーゼ
    -1の阻害剤を用いたインヒビターブロット法により、発現させた活性型VPEは阻害剤と特異的に結合していた。以上の結果から、VPEは
    カスパーゼ
    -1とアミノ酸配列上の類似性はないが、酵素化学的な特徴を共有していることが示された。

    (1) Hatsugai et al., 305, 855-858 (2004) Science
    (2) Kuroyanagi et al., 43, 143-151 (2002) Plant Cell Physiol.
  • *女池 俊介, 小倉 亜希, 浅沼 武敏, 桑原 幹典, 稲波 修
    日本放射線影響学会大会講演要旨集
    2007年 2007 巻 CP-116
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】ヒト乳がん由来MCF-7細胞株は、
    カスパーゼ
    のサブファミリーである
    カスパーゼ
    3を欠損しており、放射線に対して強い抵抗性を示す。
    カスパーゼ
    はアポトーシスを起こす上で重要な因子であることが知られており、この蛋白質の欠損がMCF-7細胞での放射線抵抗性と強くかかわっていると考えられる。本研究において我々は、
    カスパーゼ
    3を過剰発現させたMCF-7細胞においてX線誘導アポトーシスが増強されるかどうかを検討し、有意なアポトーシス増強効果を見出した。さらにはそのアポトーシス誘導での他の
    カスパーゼ
    ファミリーの関与、ミトコンドリア経路ならびにTNFファミリー受容体経路の役割を明らかにすることを試みた。
    【方法】
    カスパーゼ
    3遺伝子を組み込んだ哺乳類細胞発現ベクターを作製した。MCF-7細胞にトランスフェクションし、細胞内に
    カスパーゼ
    3を過剰発現させた。X線照射後PI染色により蛍光顕微鏡でアポトーシス細胞を計測した。各種特異抗体を用いたウエスタンブロット法によりアポトーシス関連因子の発現を測定した。
    【結果】
    カスパーゼ
    3抗体を用いたウエスタンブロット法で高い発現効率が確認された。アポトーシスの割合は
    カスパーゼ
    3発現細胞においては非発現細胞とほぼ同じであった。しかし、この細胞にX線を照射すると、有意なアポトーシスの増感がみられた。一方、非発現細胞ではX線によるアポトーシスの誘導は見られなかった。このことからMCF-7細胞の放射線抵抗性には
    カスパーゼ
    3が重要な役割を担っていると示唆される。また、
    カスパーゼ
    3の上流に位置する
    カスパーゼ
    8(Ac-IETD-CHO)ならびに
    カスパーゼ
    9(Ac-LETD-CHO)の特異的阻害剤を加えると、この
    カスパーゼ
    3過剰発現細胞におけるX線誘導アポトーシス増強効果がAc-LETD-CHOのみならずAc-IETD-CHOでも阻害されることが見出された。これはアポトーシス誘導にミトコンドリア経路のみならずTNFα経路も関与する現象であることを示している。
  • 三輪 理, 間野 伸宏, 荒西 太士
    魚病研究
    2002年 37 巻 1 号 35-37
    発行日: 2002/03/15
    公開日: 2009/10/26
    ジャーナル フリー
     CHSE-214 細胞にビルナウイルスの一種である viral deformity virus を感染させた。 感染細胞群中にはアポトーシスに典型的な形態変化を示すものがみられ,
    カスパーゼ
    活性は感染細胞群からのみ検出された。 多くの
    カスパーゼ
    活性は感染5時間後にピークとなったが,
    カスパーゼ
    3,7のみは10時間後にピークを示した。 これらの結果は
    カスパーゼ
    の活性化が魚類細胞のウイルスによるアポトーシスに関与していることを示すとともに,
    カスパーゼ
    間の機能分化を示唆しているものと考えられた。
  • 三浦 正幸
    脳卒中
    2002年 24 巻 4 号 395-399
    発行日: 2002/12/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    ほ乳類中枢神経系のミエリン形成細胞であるオリゴデンドロサイト(OLG)は様々な細胞刺激に感受性が高く,低酸素あるいは虚血状態にさらされると変性する.広範な
    カスパーゼ
    阻害遺伝子p35をOLGに発現させると低酸素刺激にさらされた培養OLGや脳虚血時のOLG変性が有意に抑制された.これらのストレスにさらされたOLGで
    カスパーゼ
    11の発現誘導と
    カスパーゼ
    3の活性化が観察され,
    カスパーゼ
    11ノックアウトマウスでは脳虚血時のOLG変性が部分的に抑制されたことから,
    カスパーゼ
    11から
    カスパーゼ
    3を活性化する経路がOLG変性に関与することが示唆された.
  • *初谷 紀幸, 黒柳 美和, 山田 健志, 飯 哲夫, 西村 いくこ, 西村 幹夫
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2004年 2004 巻
    発行日: 2004/03/27
    公開日: 2005/03/15
    会議録・要旨集 フリー
    植物は病原体の侵入に対して細胞死を伴う過敏感反応を誘導する。この過敏感細胞死は遺伝的にプログラムされた細胞死である。動物のプログラム細胞死の実行過程には
    カスパーゼ
    と呼ばれるシステインプロテアーゼによるプロセシング機構が関与している。これまでに過敏感細胞死の過程で
    カスパーゼ
    様活性が検出されているが、その実体は明らかにされていない。我々は、液胞タンパク質の活性化に関わるシステインプロテアーゼである液胞プロセシング酵素(VPE)が
    カスパーゼ
    -1の機能ホモログであることを先に報告した。今回、過敏感細胞死の過程における
    カスパーゼ
    様活性の実体を明らかにする目的で、TMV感染で誘導されるタバコVPEに着目して実験を行った。タバコにおいてTMV感染に伴い
    カスパーゼ
    -1様活性の一過的な上昇が認められ、
    カスパーゼ
    -1阻害剤により過敏感細胞死は抑制された。ビオチン標識した
    カスパーゼ
    阻害剤を浸潤させた感染葉から38-, 40-kDaのタンパク質を検出することに成功した。この両タンパク質はVPE抗体を用いたイムノブロットでも検出された。この結果は38-, 40-kDのタンパク質はVPEであり、過敏感細胞死の過程で誘導される
    カスパーゼ
    -1様活性の実体がVPEであることを示している。VPE阻害剤によっても過敏感細胞死は抑えられた。これらの結果は過敏感細胞死の過程で
    カスパーゼ
    -1様活性をもつVPEが機能していることを示唆している。
  • *岡本 和範, 石川 裕規, 池田 素子, 小林 迪弘
    日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集
    2003年 2003 巻 439
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/05/27
    会議録・要旨集 フリー
     ウイルス感染により誘導される細胞の生体反応の1つにアポトーシスと呼ばれる現象がある。この誘導はシステインプロテアーゼである
    カスパーゼ
    の連続的な活性化によることが知られている。しかし、鱗翅目昆虫ではSf9細胞とBmN細胞で実行型
    カスパーゼ
    が1種類ずつ同定されているにすぎず、アポトーシスの誘導機構はあまり解明されていない。そこで、他の鱗翅目昆虫細胞の実行型
    カスパーゼ
    の同定を試みた。
     Sf9細胞の実行型
    カスパーゼ
    の活性部位からプライマーを作成し、SpLi、TN368、Ld652Y細胞のcDNAを用いてRT-PCR法を行った。その結果すべての細胞で実行型カスパ〓ゼと思われるバンドが検出された。これらの中でSpLi細胞の実行型カスパ〓ゼの全塩基配列を決定した。SpLi細胞とSf9細胞の実行型カスパ〓ゼのアミノ酸配列を比較したところ、活性部位・プロセシングサイトが保存されており、アミノ酸全配列に渡って保存性が極めて高かった。現在は、SpLi細胞の実行型
    カスパーゼ
    を発現するベクターを作成し、詳細な機能解析を行うと同時に、TN368およびLd652Y細胞の実行型
    カスパーゼ
    の全塩基配列の決定を試みている。
  • *下川 一輝, 大城 柳子, 伊野波 彰, 太田 成男, 建本 秀樹
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2011年 104 巻 OR3-18
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/10
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】これまでに我々は,凍結融解後のアグー精子において
    カスパーゼ
    の活性化を伴ったアポトーシス様細胞死が誘導されていることを明らかにしてきた。しかし,この凍結障害による精子の
    カスパーゼ
    活性化経路に関しては,未だ十分には解明されていない。そこで本研究では,凍結融解後のアグー精子の性状性および各種
    カスパーゼ
    活性を調べ,凍結障害とアポトーシス様細胞死との関連について検討した。【方法】本研究には,3頭の繁用アグー射出精子を用い,200 µM安定型アスコルビン酸誘導体(AA-2G)と5%低密度リポタンパク質(LDL)を添加した凍結用希釈液(mBF5)を使用した。そして,ミトコンドリアからのシトクロムcの放出を抑制するBcl-xLを基にし作製された新規細胞死抑制タンパク質(PTD-FNK protein)を0もしくは300 nM添加したmBF5中で精子を30分間室温で静置することでPTD-FNK proteinを細胞内へ取り込ませた後,既報に従い冷却・凍結処理を行った。融解後,精子性状に関連する様々なパラメータを評価すると共に,活性型
    カスパーゼ
    -3,8および9を有する精子を計測した。【結果】凍結時のPTD-FNK protein処理精子において,融解後の
    カスパーゼ
    -3と9の活性が有意に減少し,ミトコンドリア正常性や精子運動性が有意に向上した。一方,活性型
    カスパーゼ
    -8を有する精子率には,PTD-FNK protein処理の有無による違いは認められなかった。また,DNAおよび細胞膜の正常性は,融解直後に比較して融解3時間後の精子で有意に減少した。しかし,融解後もPTD-FNK proteinで継続処理した場合,断片化DNAを示す精子の増加は抑制された。これらの結果から,凍結融解後のアグー精子における性状性の低下と
    カスパーゼ
    -3の活性化には,凍結時のミトコンドリア障害に伴って誘導される
    カスパーゼ
    -9の活性化経路が深く関係していることが明らかとなった。さらに,PTD-FNK protein処理に関係なく
    カスパーゼ
    -8の活性化も検出されたことから,他の経路を介したアポトーシス様細胞死誘導機序が存在する可能性も示唆された。
  • *土田 芽衣, 平田 祐介, 野口 拓也, 松沢 厚
    日本毒性学会学術年会
    2019年 46.1 巻 P-46E
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/10
    会議録・要旨集 フリー

     セリン・スレオニンキナーゼSTK11/LKB1は、消化管における過誤腫を特徴とするポイツ・ジェガース症候群の原因遺伝子である。STK11は下流キナーゼの制御を介して細胞内エネルギーレベルの調節や細胞増殖の抑制を行い、癌抑制遺伝子として機能することが知られているが、実際に腫瘍を抑制する分子メカニズムについては、これまでよく分かっていない。我々は、キナーゼ関連分子を網羅したsiRNAライブラリーを用いたスクリーニングにより、細胞死を惹起するデスレセプターの一つであるFasが誘導するアポトーシスを促進する因子としてSTK11を同定し、その腫瘍抑制の分子メカニズムについて解析した。

     STK11の欠損細胞は、Fas依存的な

    カスパーゼ
    -8の活性化が減弱し、アポトーシスに耐性を示した。またSTK11欠損細胞に、レトロウイルスを用いてSTK11を安定発現させて再構築すると、実際にFas依存的な
    カスパーゼ
    -8の活性化およびアポトーシスが促進された。
    カスパーゼ
    -8は、Cullin3ユビキチンリガーゼ複合体によるポリユビキチン化とそれに伴う多機能タンパク質p62を介した凝集体形成によって活性化が増強される。興味深いことに、このFas刺激で誘導される
    カスパーゼ
    -8の凝集体形成がSTK11依存的であることが新たに判明し、STK11は
    カスパーゼ
    -8の凝集体形成を促進することで
    カスパーゼ
    -8の活性化を増強していることが示唆された。さらに我々は、癌組織で見出されているSTK11 D176N変異体がFas誘導性アポトーシスを促進できないことを確認し、実際にこのSTK11変異体ではFas誘導性の
    カスパーゼ
    -8凝集体形成機構が破綻していることを見出した。本研究結果からSTK11は、
    カスパーゼ
    -8凝集体の形成促進を介して
    カスパーゼ
    -8活性化を増強し、Fas誘導性アポトーシスを亢進させることで抗癌作用を発揮することが判明し、STK11が癌抑制遺伝子として働く分子メカニズムについて初めて明らかとなった。現在、STK11依存的なFas誘導性アポトーシス促進機構の生理的意義を詳細に解析すると共に、実際の癌病態との関連についても検討を行っている。

  • : Hycuiap-3発現及びカスパーゼ活性の変動
    石川 裕規, 池田 素子, 加藤 泰弘, Alves C. A. Felipe, 小林 迪弘
    日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集
    2002年 jsss72 巻
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/02/03
    会議録・要旨集 フリー
    NPVのIAPは
    カスパーゼ
    の活性化を抑え、アポトーシスを抑制することが知られている。我々はこれまでに、HycuNPVのHycuiap-3がSf9細胞において、アポトーシス阻害活性を持つことを示した。一方、HycuNPVはLd652Y細胞において、高いアポトーシス誘導能を示す。今回、HycuNPVによって誘導されるLd652Y細胞のアポトーシスの機構を理解するために、HycuNPV感染Ld652Y細胞におけるHycuiap-3の発現及び
    カスパーゼ
    活性の変動を調べた。まず、Ld652Y細胞及び、HycuNPVの宿主細胞であるSpIm細胞にHycuNPVを感染させ、Hycuiap-3の発現量の変動を比較したところ、両細胞は同様の発現パターンを示し、ピーク時の感染後12時間におけるたんぱく質量も同程度であった。次に、HycuNPV感染Ld652Y細胞において、エフェクター
    カスパーゼ
    の活性変動を調査したところ、感染後24時間から著しい上昇が見られた。以上の結果は、Hycuiap-3はエフェクター
    カスパーゼ
    が活性化するよりも以前に十分量発現しているにもかかわらず、エフェクター
    カスパーゼ
    の活性化を抑えないことを示す。このことは、NPVのIAPに細胞特異性があることを示唆する。現在、Ld652Y細胞の細胞IAPの同定及び機能解析を行っている。
  • *濱野 修平, 鈴木 碧, 平田 祐介, 野口 拓也, 松沢 厚
    日本毒性学会学術年会
    2022年 49.1 巻 P-75E
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/25
    会議録・要旨集 フリー

     生体は多種多様な毒物・化学物質に曝されているが、細胞毒性を有する化合物に曝露された細胞は、様々な様式のプログラム細胞死を誘導することで、その恒常性を維持している。代表的なプログラム細胞死であるアポトーシスについては、詳細な細胞死誘導メカニズムが解明され、その実行因子でシステインプロテアーゼである

    カスパーゼ
    -3がアポトーシス誘導の中心的役割を担っている。一方、近年見出された、ストレス応答分子PARP-1の活性化に依存した新たなプログラム細胞死“パータナトス”は、神経毒性を原因とする晩発性の神経変性疾患に深く関与することから注目されているが、その制御機構はほとんど分かっていない。

     最近我々は、パータナトス誘導機構の解析の過程で、

    カスパーゼ
    -3がアポトーシスだけでなく、パータナトスの誘導にも関わることを新たに見出した。興味深いことに、アポトーシス誘導には
    カスパーゼ
    -3のプロテアーゼ活性が必須であるのに対し、パータナトスの誘導においては、
    カスパーゼ
    -3のプロテアーゼ活性を必要としなかった。実際、まだ活性化型になっていない前駆体
    カスパーゼ
    -3が、パータナトス誘導因子であるAIFの核移行を促進することで、パータナトス誘導を亢進させることが判明した。以上の結果から、既知の機能とは異なり、酵素活性非依存的に“パータナトス”を促進するという、
    カスパーゼ
    -3の非典型的な新しい機能の存在が明らかになった。

     現在、本メカニズムをより詳細に解析し、

    カスパーゼ
    -3のパータナトス誘導における機能的および生理的役割の解明を進めている。本会では、これまでのアポトーシス誘導時とは全く異なる、
    カスパーゼ
    -3の新たな機能について議論したい。

  • 鈴木 敏彦
    日本臨床免疫学会会誌
    2012年 35 巻 4 号 306a
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/02/28
    ジャーナル フリー
      病原体パターン受容体Nucleotide-binding, oligomerization domain (NOD)-like receptor (NLR)ファミリーのいくつかは,細胞内
    カスパーゼ
    -1の活性化を誘導し,宿主炎症応答を制御することが明らかになってきている.NLRC4は細菌のべん毛や分泌装置由来のタンパクを認識する.一方で,NLRP3は細菌,ウイルス等の病原体のみならず,生体内危険因子(尿酸結晶,コレステロール結晶等)も認識して
    カスパーゼ
    -1を活性化する.また,AIM2は2本鎖DNAを認識するとされている.このように,NLRはそれぞれ異なった刺激因子を認識していると考えられるが,その分子機構は未だよくわかっていない.我々は,グラム陰性病原細菌の感染に伴って誘導される
    カスパーゼ
    -1の活性化機構を,菌および宿主NLRの両面から調べてきた.その中で,菌が分泌する因子がNLRによる
    カスパーゼ
    -1活性化を阻害することを見出し,菌が免疫応答を回避する可能性が示唆されている.本セミナーでは細菌感染とNLRとの関わりについて,我々の研究知見を交えながら紹介したい.
  • 松田 直之, 山本 誠士, 畠山 登, 服部 裕一
    日本薬理学雑誌
    2008年 131 巻 2 号 96-100
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/02/14
    ジャーナル フリー
    敗血症は感染を基盤とする全身性炎症反応症候群であり,ショックや多臓器不全に移行する重篤な病態である.重篤化した敗血症に対する根治的な治療法は現在も確立されておらず,未だ敗血症は集中治療領域での死因の第1位の病態である.敗血症に合併するショックの初期病態はNOやプロスタノイドの産生による体血管抵抗の減弱した血流分布異常性ショックである.しかし,敗血症の持続により血管内皮細胞障害が進行すると,ショック病態は体血管抵抗の高い末梢循環の損なわれたcold shockへ移行する.この血管内皮細胞障害を導く重要な因子として,血管内皮細胞のアポトーシスが関与する.敗血症血管では,Aktの活性が損なわれる傾向があり,血管内皮細胞のホメオスタシスが障害されるとともに,Badのリン酸化の低下によりアポトーシスが進行する.さらには,血管内皮細胞におけるDeath受容体ファミリーの細胞膜発現が高まり,FADDの増加とc-FLIPなどの抗アポトーシス因子の低下を伴うことにより,
    カスパーゼ
    8と
    カスパーゼ
    3が活性化する.このような敗血症病態における血管内皮細胞のアポトーシスの治療は今後注目されると考えられる.Akt活性を高めるHMG-CoA還元阻害薬の臨床応用や,
    カスパーゼ
    8および
    カスパーゼ
    3,さらにはFADDの阻害を標的としたsiRNAを含めた創薬が期待される.
  • *鈴木 睦, 小島 健介, 林 砂緒, 川原 潤一
    日本トキシコロジー学会学術年会
    2006年 33 巻 P-114
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】抗体投与に伴う副作用として、Infusion Reactionが知られている。Infusion Reacitonの発現時にはTNF-αやIL-6の増加が認められており、サイトカイン放出症候群と言われることもある。しかしながら、現在Infusion Reactionの詳細な発現機序については不明な部分が多い。臨床現場では、この反応を回避する目的で抗体投与前に抗ヒスタミン薬などを前投与することも行われているが、全てのInfusion Reactionを抑制するには至っていない。そこで我々は、抗体によるInfusion Reactionを回避する前処置剤を探索する目的で実験を実施した。【方法】Infusion Reactionの反応が認められたサルから、Infusion Reaction前後の血液を採取し、包括的な遺伝子検索を実施した。解析後に選定された前処置剤候補について、マーモセットを用いてInfusion Reactionの回避を確認した。さらにInfusion Reactionで認められるサイトカイン放出に対する影響を検討する目的で、擬似的なモデルとしてラットにLPSを投与し内因性のサイトカインを誘導するモデルを用い、その誘導に対する影響を検討した。【結果】包括的な遺伝子検索の結果、
    カスパーゼ
    関連遺伝子の変動が認められた。そこで、マーモセットに
    カスパーゼ
    関連遺伝子の変動を抑える目的でミノサイクリンを前投与したところ、Infusion Reactionによる死亡や一般状態の悪化が認められなかった。さらにラットを用いた検討では、ミノサイクリンの投与によりLPSによる
    カスパーゼ
    の変動が抑制され、各種サイトカインの誘導が抑制された。これらのことから、抗体投与によるInfusion Reactionに、新たに
    カスパーゼ
    が関与することが考えられた。また、抗体投与による
    カスパーゼ
    発現減少を抑えるミノサイクリンの前投与はInfusion Reactionを抑制する目的に有効である可能性が示された。
  • *橋本 優実, PANKAJ KAMDAR Radhika, 松井 理, 橋本 光正, 松本 義久, 岩淵 邦芳
    日本放射線影響学会大会講演要旨集
    2011年 2011 巻 OB-2-1
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/20
    会議録・要旨集 フリー
     アポトーシスに陥った細胞において、XRCC4は
    カスパーゼ
    3あるいは7で切断され、DNA ligase IV結合領域を含むが核移行シグナルを欠いた35 kDaのN末断片(以下pN35)となることが知られている。本研究では、XRCC4断片化のアポトーシスにおける役割を調べた。
     マウスリンパ腫L5178Y細胞由来XRCC4欠損細胞株M10細胞をスタウロスポリン(以下STS)で処理してアポトーシスを誘導した。アポトーシスは、
    カスパーゼ
    3の活性化あるいはアポトーシス特異的DNA断片化(TUNEL法)を指標に検出した。
     M10細胞に野生型XRCC4を発現させた細胞株(M10-XRCC4)をSTS処理すると、pN35が検出されたが、
    カスパーゼ
    で切断されない変異型XRCC4(XRCC4 D265A)を発現させた細胞株(M10-D265A)ではこの断片は検出されなかった。このときM10-XRCC4でのみ、アポトーシスの増強と、
    カスパーゼ
    3上流に位置する
    カスパーゼ
    8および9の活性化体の増加がみられた。STSによるアポトーシスに対する増強効果は、M10細胞にpN35を発現させても認められなかったが、核移行シグナルを付加したpN35を発現させると認められた。M10-XRCC4と M10-D265Aの両細胞において、 XRCC4とDNA ligase IVは、アポトーシスの進行に伴い核から核外へ移行した。
     以上より、
    カスパーゼ
    によるXRCC4のN末断片化はアポトーシスに必要であることが確かめられた。pN35は核内に存在する時にアポトーシス増強作用を発揮することが明らかとなった。アポトーシス増強の機序としては、pN35による
    カスパーゼ
    8および9の活性化の促進が考えられた。一方、アポトーシスの進行に伴うXRCC4とDNA ligase IVの核外移行には、XRCC4のN末断片化は必要ないことが示された。
     なお、M10細胞は文部科学省ナショナルバイオリソースプロジェクトを介して理研BRCから提供された。
  • 松田 直之, 山本 誠士, 寺前 洋生, 高野 健一, 別府 賢, 山崎 弘美, 横尾 宏毅, 畠山 登, 小池 薫, 服部 裕一
    日本薬理学雑誌
    2009年 134 巻 4 号 198-201
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/14
    ジャーナル フリー
    敗血症(sepsis)は,感染症を基盤とする全身性炎症反応病態であり,組織酸素供給の低下したショックを合併しやすい病態である.敗血症に合併するショックの初期病態は,一酸化窒素やプロスタノイドなどの過剰産生による体血管抵抗の減弱した血流分布異常性ショック(warm shock)である.しかし,敗血症の持続により血管内皮細胞障害が進行すると,末梢循環の損なわれたcold shockへ移行し,高められた体血管抵抗により心収縮性低下が具現化する.この血管内皮細胞障害を導く要因として,アポトーシスが関与する.敗血症では,血管内皮細胞や主要臓器のさまざまな細胞でDeath受容体ファミリーの細胞膜発現が高まり,さらにアダプター分子であるFas-associated death domain protein(FADD)が増加し,
    カスパーゼ
    -8と
    カスパーゼ
    -3が活性化し,アポトーシスが誘導される傾向がある.敗血症性ショックにおいては,warm shockをcold shockへ移行させない管理が必要であるとともに,特に血管内皮細胞のアポトーシスを抑制する創薬が必要とされている.FADDや
    カスパーゼ
    の阻害を標的としたアポトーシス治療は,敗血症性ショックの進展を防ぐ治療として有効と評価された.
  • *杜 可, 黄 基旭, 永沼 章
    日本トキシコロジー学会学術年会
    2011年 38 巻 P-34
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/08/11
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】我々は小胞体関連蛋白質の分解系に関与するユビキチンリガーゼであるFBXO6の発現抑制がHEK293細胞に高いカドミウム感受性を与えることを見出している。また、FBXO6発現抑制細胞ではカドミウムによる小胞体ストレスが亢進されていることも明らかにしている。そこで今回は、カドミウムよる小胞体ストレスを介したアポトーシス誘導経路におけるFBXO6の役割を検討した。 【結果および考察】HEK293細胞にFBXO6に対するsiRNAを導入したところ、対照細胞に比べてカドミウムによる顕著なアポトーシス誘導が認められた。また、アポトーシス誘導に関与する活性型
    カスパーゼ
    3のレベルを調べたところ、カドミウム処理によって増加する活性型
    カスパーゼ
    3のレベルがFBXO6発現抑制によってさらに増加した。また、FBXO6発現抑制細胞では、小胞体ストレスマーカー蛋白質であるBIPおよびCHOPのレベルが対照細胞よりも低濃度のカドミウム処理によって増加した。一方、CHOPの発現抑制によって、カドミウムによる活性型
    カスパーゼ
    3のレベル上昇が一部抑制されたことから、CHOPがカドミウムによる
    カスパーゼ
    3の活性化に一部関与していると考えられる。そこで、FBXO6発現抑制細胞にさらにCHOPの発現を抑制したところ、FBXO6単独発現抑制細胞で認められたカドミウムによる活性型
    カスパーゼ
    3レベルの増加の割合が著しく低下したものの、対照細胞に比べると依然として高値を示した。以上のことから、FBXO6はカドミウムによる小胞体ストレスを負に制御することによってCHOP経路を介したアポトーシス誘導を抑制している可能性が考えられる。現在、カドミウムによる小胞体ストレス抑制因子としてのFBXO6の役割について詳細に検討中である。
feedback
Top