オキシフルオルフェンは光の存在下で, 感受性植物を短時間内に枯殺する作用をもつ。この殺草作用発現への
テトラピロール
蓄積の関与をより明らかにするために,
テトラピロール
合成阻害剤を前処理したキュウリ無傷植物に対するオキシフルオルフェンの作用と, プロトポルフィリン IXの蓄積への影響を調べた。
キュウリの茎葉部を暗条件下で1μMのオキシフルオルフェンに1.5時間浸漬した後に光 (150μEm
-2s
-1) を照射すると, 茎葉部に速やかな白化と乾燥がおこった。
テトラピロール
合成阻害剤である gabaculine と4,6-dioxoheptanoic acid をナキシフルオルフェンの処理前15時間にわたって根から吸収させると, それぞれ0.1mM と1mMの濃度でオキシフルオルフェンの作用をほぼ完全に抑制した (Fig. 1, Fig. 2)。これらの前処理をせずにオキシフルオルフェンのみを処理したキュウリ体内には, 可視症状の発現に先んじて急激なプロトポルフィリン IXの蓄積がおこり, 蓄積量は光照射後2時間でピークに達した (Fig. 3)。阻害剤を前処理した場合はプロトボルフィリン IXの蓄積が抑制され, 蓄積と作用の抑制の程度はよく一致した (Table 1)。
これらのことからキュウリの無傷植物体でおこるオキシフルオルフェンの枯殺作用に, それによって蓄積されるプロトポルフィリン IXが直接に関与しているものと考えられた。
抄録全体を表示