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クエリ検索: "テトラピロール"
398件中 1-20の結果を表示しています
  • *望月 伸悦, 長谷 あきら
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2004年 2004 巻
    発行日: 2004/03/27
    公開日: 2005/03/15
    会議録・要旨集 フリー
    核ゲノムにコードされるLhcbなどの光合成関連遺伝子は、光・生物時計・組織特異性シグナルに加え、葉緑体(プラスチド)の分化に応じて転写調節を受ける。葉緑体の分化状態がどのようにして核に伝えられるか長らく不明だったが、このシグナル(プラスチドシグナル)伝達経路に関わるアラビドプシスの突然変異体(gun)の解析により、その一部が明らかになってきた。
    gun変異体は、クロロフィル蓄積量が低下し、その原因遺伝子が直接・間接的にクロロフィル合成に関与する「
    テトラピロール
    系」変異体と、クロロフィルレベルに異常を示さない「非
    テトラピロール
    系」変異体に分類される。
    テトラピロール
    系変異体の解析から、Mg-protoporphyrinIXまたはMg-protoporphyrinIX methylester (MgProto、MgProtoMe)がプラスチドシグナルの有力な候補と考えられている。新たな
    テトラピロール
    系変異体の解析と植物体内のMgProto/MgProtoMeレベルに関するデータを併せ、
    テトラピロール
    系経路について議論したい。非
    テトラピロール
    系変異体であるgun1の原因遺伝子であるとされるPARPノックアウト株の表現型についても報告する。Lhcb1-LUCレポーターを用いた新たなgun突然変異体スクリーニングについても報告したい。
  • *高橋 重一, 増田 建
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2006年 2006 巻
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/27
    会議録・要旨集 フリー
    植物のヘムは葉緑体やミトコンドリア、細胞質、ペルオキシソームに存在する。また、
    テトラピロール
    中間体は葉緑体からのシグナルとして核の光合成遺伝子の発現を制御する。しかし、これらオルガネラへの
    テトラピロール
    の分配機構の詳細は明らかではない。高等植物の
    テトラピロール
    は葉緑体で合成され、その分配には
    テトラピロール
    結合タンパク質(TBP)の関与が考えられる。今回、我々は植物での
    テトラピロール
    の分配機構の解明を目的とし、ヒトやマウスのTBPであるp22HBPのシロイヌナズナ相同遺伝子の解析を行った。
    シロイヌナズナのp22HBP相同遺伝子は6遺伝子存在し、うち2遺伝子にN末端シグナルペプチドが付加していた。p22HBPと最も相同な遺伝子(At1g17100)のGFP融合タンパク質をタマネギで一過的に発現させたところ、細胞質でGFP蛍光が認められた。また、組換えタンパク質へのヘム添加により、ヘム結合による400nm近辺での吸収増加が認められた。ヘム結合の解離定数は約0.4 µMであり、プロトポルフィリンIXとの結合(解離定数 約0.4 µM)も認められた。また、アポペルオキシダーゼ活性の再構成実験から、ヘム結合は可逆的であることが明らかとなった。以上の結果から、At1g17100はシロイヌナズナの細胞質型TBPであり、
    テトラピロール
    輸送タンパク質として機能していることが示唆された。
  • *松本 史紀, 増田 建, 島田 裕士, 太田 啓之, 高宮 建一郎
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2003年 2003 巻
    発行日: 2003/03/27
    公開日: 2004/02/24
    会議録・要旨集 フリー
    クロロフィル・ヘムなどの
    テトラピロール
    化合物は、十数段階の酵素反応により生合成される。これまで、代謝系の特定の段階を触媒する酵素において、環境応答や発達段階において異なる遺伝子発現制御を受けるアイソザイムが存在し、それらが制御段階として
    テトラピロール
    の生合成を調節していることが示されている。しかし、他の制御段階との協調的制御また代謝系全体の統御機構についての知見は未だに乏しい。そこで今回我々は、シロイヌナズナより
    テトラピロール
    合成系に関与する全ての酵素(アイソザイム)を網羅し、かつ各遺伝子の特異的な発現解析を可能にするためのミニアレイの作製を行った。まずシロイヌナズナの全ゲノム配列より、計35の
    テトラピロール
    合成系遺伝子の塩基配列情報を得た。アイソザイムを構成する酵素については、それぞれの遺伝子特異的な領域を検索し、最終的にすべての酵素遺伝子について200~300 bpの遺伝子特異的な領域をRT-PCRにより増幅し、ミニアレイ作製のためのプローブとした。ゲノムサザン解析により全てのプローブが単一の遺伝子とハイブリダイズできることを確認後、光や植物ホルモン応答遺伝子などと合わせて計48プローブを、最終的にナイロン膜に高密度スポットし、ミニアレイを作製した。本ミニアレイを用いて得られた、光や植物ホルモン応答性また組織特異的な遺伝子発現解析による、
    テトラピロール
    合成系遺伝子の制御機構について報告する。
  • 宮原 裕一, 渡辺 宏, 鈴木 潤三, 鈴木 静夫
    陸水学雑誌
    1993年 54 巻 3 号 171-178
    発行日: 1993/07/28
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    牛込濠の湖水,植物プランクトン及び標品のフォスファターゼ活性に及ぼす五種の
    テトラピロール
    化合物の影響について観察した。
    三試料のアルカリフォスファターゼ活性は,使用したビリルビン,ビリベルジン,メソポルフィリン,ウロビリンにより阻害されたが,阻害強度は化合物によって異なる。酸フォスファターゼはウロビリンを除く4種の
    テトラピロール
    化合物により阻害を受けた。
    これらの化合物によるアルカリフォスファターゼ,及び酸フォスファターゼの阻害形式は,Line-weaver-Burk plotにより解析された。さらに,アルカリフォスファターゼに対するウロビリンの影響を調べるために,両者を混合させた溶液のゲルクロマトグラフィーを行った結果,アルカリフォスファターゼの活性中心である亜鉛がウロビリンとキレートを形成し,脱離する可能性が示唆された。従って,
    テトラピロール
    化合物のフォスファターゼ阻害は,
    テトラピロール
    化合物のキレート形成によるものと推察された。
  • *望月 伸悦, 岡 義人, 吉積 毅, 近藤 陽一, 松井 南, 河内 孝之, 長谷 あきら
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2010年 2010 巻
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/11/22
    会議録・要旨集 フリー
    高等植物では、葉緑体の発達が阻害されると、葉緑体機能(特に光合成機能)に関わる核コードの遺伝子群の転写が強く抑制される。この調節にはプラスチドから核へのレトログレードシグナル(プラスチドシグナル)が関わることが示唆されている。また、このシグナル伝達系変異体の多くが
    テトラピロール
    合成に関わる遺伝子をコードするため、
    テトラピロール
    合成中間体がシグナルであるとの説も提唱されているが、その実体は明らかではない。そのため、
    テトラピロール
    合成系変異体を網羅的に解析し、プラスチドシグナルとの関わりを再検討した。その結果、プロトポルフィリンIXより前の初期段階に関わる遺伝子を欠損してもプラスチドシグナルは正常に機能することが分かった。一方、Fe-ブランチの反応に関わるhy1hy2変異体(ヘムオキシゲナーゼおよびフィトクロモビリン合成酵素)でもプラスチドシグナルに異常が見られるが、その原因はこれらの変異体でヘムが蓄積し、その結果ALA合成が抑制されるためと説明されてきた。しかし、上で述べたように
    テトラピロール
    合成初期段階の抑制では説明が出来ない。そこで、Fe-ブランチの代謝系を改変した形質転換体や、ビリベルジンの投与、およびフィトクロム多重変異体を用いた詳細な解析を行った。さらに、FOXハンティング系統を用いた新規プラスチドシグナル伝達系変異体スクリーニングについても報告を行う。
  • *高橋 重一, 増田 建
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2007年 2007 巻
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/12/13
    会議録・要旨集 フリー
    植物において、ヘムは葉緑体で生合成され細胞内の様々なオルガネラで機能する。また、
    テトラピロール
    中間体は核コードの光合成遺伝子の発現を制御するシグナルの一つと考えられている。昨年我々は、シロイヌナズナにおいて、細胞内での
    テトラピロール
    輸送に関わる動物のp22HBP/SOULファミリーと高い相同性を示す遺伝子族が存在し、実際に組換えタンパク質がヘム結合性を示すことを報告した。今回、シロイヌナズナの細胞質型
    テトラピロール
    結合タンパク質(TBP)について解析を行った。データベース解析により、シロイヌナズナの細胞質型TBPとして4遺伝子が認められたが、1つの遺伝子(At1g78450)のORFには欠失が認められたため、偽遺伝子であると考えられた。細胞質型TBPと考えられるAt1g17100(TBP17100)とAt3g37970(TBP37970)の組換えタンパク質を用いて、金属ポルフィリン類に対する結合特異性実験を行った結果、2つのタンパク質はヘム(Fe-プロトポルフィリンIX)に対して特異的な結合を示したが、その他の金属ポルフィリン類(Mn-, Sn-, Mg-, Co-プロトポルフィリンIX)に対しては非特異的な結合しか示さなかった。また、プロトポルフィリンIXに対して、TBP17100は特異的な結合を示したが、TBP37970は非特異的な結合しか示さなかった。以上の結果から、これら2つの細胞質型TBPは植物細胞の細胞質における
    テトラピロール
    輸送において、異なる機能を果たしている可能性が示唆された。
  • 中井 英隆, 土屋 陽一, 渡邉 克彦, 松下 剛士, 伊藤 征司郎, 吉原 正邦, 藤原 尚
    色材協会誌
    2000年 73 巻 4 号 176-181
    発行日: 2000/04/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    テトラチアフルバレン (TTF) を有するアルカンテトラチオールおよびアルカン
    テトラピロール
    の電気化学的性質とそのアルカンテトラチオールの関与する新規な電解重合について述べてある。グラッシーカーボン電極および金電極をTTF-テトラチオールの電解重合により修飾した。グラッシーカーボン電極および金電極修飾TTF-テトラチオール重合膜は, 電気化学的多重走査に対していちじるしく安定である。TTF-テトラチオール重合膜の電気化学的挙動と酸化還元電位は, 溶媒および電解質の対アニオンの性質に依存する。一方, 相当するTTF-モノチオールとTTF-テトラスルフィドの重合膜は生成しない。また, TTF-テトラチオールとTTF-
    テトラピロール
    の電気化学的性質について比較したところ, TTF-
    テトラピロール
    の重合膜では, TTFの酸化還元波を観測することができなかった。
  • *望月 伸悦, 田中 亮一, 田中 歩, 長谷 あきら
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2008年 2008 巻
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 フリー
    核にコードされた葉緑体関連遺伝子(LhcbRbcSなど)の発現は、葉緑体の機能・分化状態に応じて協調的に調節されることが知られている。この協調的遺伝子発現制御には、葉緑体から核に伝達される「プラスチドシグナル伝達系」が関わっている。このシグナル伝達に異常を示すgun突然変異体の解析から、葉緑体で合成される
    テトラピロール
    中間体(MgProtoIX)がシグナル因子の一つであると提唱されているが、その調節・認識機構は明らかになっていない。既報では、MgProtoIX蓄積量はプラスチドが光酸化を受けるとコントロールに比べ10数倍上昇すると報告されているが、我々の結果では1/100に低下することが分かった。しかし、MgProtoIXは蓄積しないにもかかわらず、MgProtoIXを含む中間体の合成能は数倍亢進している事が分かった。すなわち、光酸化を受けた植物では、中間体は活発に合成されても蓄積せず、直ちに代謝・分解されていると考えられる。本発表では、MgProtoIXなど中間体の分解とプラスチドシグナルの関係について考察するとともに、gun1およびMg-chelatase サブユニット変異体(gun4gun5)における中間体合成能の比較を報告する。また、新規突然変異体の単離・解析を進めており、本発表でその一部を紹介したい。
  • *吉原 静恵
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2006年 2006 巻
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/27
    会議録・要旨集 フリー
    フィトクロムは植物の様々な光応答に関わる光受容体だが、近年ではバクテリアのゲノムからも多くのフィトクロム様遺伝子が見いだされている。フィトクロムの特徴として、保存されたGAFドメインに開環
    テトラピロール
    を共有結合し、赤色光吸収型(Pr)と遠赤色光吸収型(Pfr)の間を可逆的に変換する性質が知られている。
    単細胞性シアノバクテリアSynechocystis sp. PCC 6803は光の方向に応答した運動性(走光性)を示すが、光の方向へ向かう正の走光性にはフィトクロム様光受容体PixJ1が必至である。シアノバクテリアから単離したPixJ1タンパク質は開環
    テトラピロール
    を共有結合し、青色光吸収型(Pb型、最大吸収435 nm)と緑色光吸収型(Pg型、最大吸収535 nm)の間を可逆的に光変換する新奇の光受容体である。この性質は大腸菌を用いた赤色光を吸収する開環
    テトラピロール
    PCBとの共発現系によって再現した。PixJ1は、PCBまたはPCB様の発色団を結合し、π電子共役系をねじ曲げることによって吸収を青色光領域へシフトさせると考えられる。
    GAFドメインの系統解析は、PixJ1が赤/遠赤色光吸収型のフィトクロムとは異なる枝に分類されることを示している。さらに、GAFドメインを持ち新規性のある吸収特性を示すシアノバクテリアの光受容体候補(cyanobacteriochromes)の存在が示唆された。
  • *吉原 静恵, 片山 光徳, 耿 暁星, 池内 昌彦
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2004年 2004 巻
    発行日: 2004/03/27
    公開日: 2005/03/15
    会議録・要旨集 フリー
    単細胞性のシアノバクテリアSynechocystis sp. PCC 6803は線毛によって運動し、光源へ向かう正の走光性、または遠ざかる負の走光性を示す。pixJ1 (gene ID: sll0041 in Cyanobase)は正の走光性に必須であり、フィトクロムの色素結合領域に保存されたGAFドメインをもつことから正の走光性の光受容体であると考えられた。PixJ1をSynechocystisから精製した結果、開環
    テトラピロール
    が色素として共有結合していることを見いだし、昨年度の本大会で報告した。精製したPixJ1は青色光(435 nm)と緑色光(535 nm)に最大吸収をもつ可逆的光変換を示し、暗所では青色光吸収型が安定であった。植物のフィトクロムは開環
    テトラピロール
    を結合し、赤色光吸収型(Pr)と遠赤色光吸収型 (Pfr) の光変換を示す特徴が知られている。近年、光合成能の有無に関わらず、多くのバクテリアのゲノムから、フィトクロム様の遺伝子が見いだされており、PrとPfrの光変換も報告されている。SynechocystisのフィトクロムCph1はphycocyanobilinを色素として結合するが、その最大吸収は656 nm(Pr)と705 nm (Pfr)であることから、phycocyanobilinがPixJ1に結合する可能性は低い。そこで、開環
    テトラピロール
    の生合成にかかわると考えられる遺伝子をSynechocystisのゲノム上で探索し、複数の候補遺伝子を得た。それらの遺伝子破壊株の合成するタンパク質について報告する。
  • 生越 久靖, 戸井 啓夫
    有機合成化学協会誌
    1982年 40 巻 1 号 42-52
    発行日: 1982/01/01
    公開日: 2009/11/13
    ジャーナル フリー
    Present review describes recent investigations on the intermediates in the biosynthesis of cyclic tetrapyrroles such as heme, chlorophyll, and vitamin B12. Hydroxymethylbilane has been newly found to be the product of the reaction with PBG deaminase and to be the substrate of uroporphyrinogen III cosynthetase. Porphyrinogen carboxy-lyase has been proved to remove carbon dioxide from the four acetate chain of uroporphyrinogen III in stereochemically same manner. The new route to cobyrinic acid, a precursor of vitamin B12' from uroporphyrinogen III is established by synthesis of radioactive pyrroles. It has been demonstrated that methylation by methionine occurrs at C-2 position, first, and succesive ring contraction to corrin macrocycle of vitamin B12 liberates acetic acid arising from C-20 atom and C-20 methyl moiety.
  • 伏見 圭司, 成川 礼
    生物物理
    2018年 58 巻 6 号 303-307
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/27
    ジャーナル フリー
    電子付録

    Because light is not only energy source but also important signal for photosynthetic organisms, these organisms develop highly organized light acclimation processes. Linear tetrapyrrole-binding photoreceptors play central roles in these processes. They are categorized into phytochrome and cyanobacteriochrome families. Here, we summarize current knowledge on these photoreceptor families especially focusing on color-tuning mechanisms of the cyanobacteriochromes. Because these photoreceptors possess many advantages for optogenetic and bio-imaging applications, we briefly introduce current developmental status of these photoreceptors.

  • *村本 拓也, 金本 浩介, Matthew J. Terry, 河内 孝之
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2005年 2005 巻
    発行日: 2005/03/24
    公開日: 2006/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    フィトクロムの発色団は直鎖状
    テトラピロール
    化合物フィトクロモビリン(PΦB)であり、発色団の構造がフィトクロムの波長認識特性や植物の生育にとって重要である。藍藻の集光性色素フィコビリンの発色団フィコエリスロビリン(PEB)はPΦBと共通した経路によって生合成される。PEBは発色団としてフィトクロムと結合するが、フィトクロムの立体構造変換と維持に必要なC15位C16位間の二重結合を欠くため、フィトクロムの立体構造が光変換しないことが示されている。我々は植物の生育におけるフィトクロム発色団の構造の役割を知るために、PΦBを持たないhy2変異体にPEB合成系の遺伝子を導入したフィトクロム発色団改変植物体(PEB植物体)を作製した。PEB植物体の暗所芽生えの胚軸や根の細胞において543nmの励起光によって580nm付近にピークを持つ蛍光が観察された。明所では胚軸伸長が抑制されなかったことから、hy2変異体の表現型が相補されず、機能的なフィトクロムが存在しないことが考えられた。一方、
    テトラピロール
    合成系遺伝子の欠損株は、葉緑体の発生と核にコードされる葉緑体タンパク質の遺伝子発現とが協調性を失うgun (genome uncoupled) 表現型を示す事が明らかにされているが、PEB植物体もgun 表現型を示した。これらの解析から、フィトクロム発色団の構造とフィトクロムの機能の関係や、
    テトラピロール
    生合成とgun 表現型との関係などについて議論したい。
  • *柏山 祐一郎, 小川 奈々子, 大河内 直彦
    日本地球化学会年会要旨集
    2009年 56 巻 1A16 05-08
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    ヘムはあらゆる生物に存在する炭素・水素に加えて窒素を含む
    テトラピロール
    化合物であり,それらの安定同位体組成は,それを合成した生物のフィジオロジーを反映・保存すると考えられる.本講演では,様々な現世生物のヘムの安定同位体組成のデータの基づいて生物界におけるヘム生合成プロセスの多様性・普遍性を議論し,白亜系の黒色頁岩から単離されたヘムを起源とする化石ポルフィリンの炭素・窒素同位体組成の研究成果を紹介する.
  • *柏山 祐一郎, 力石 嘉人, 小川 奈々子, 大河内 直彦
    日本地球化学会年会要旨集
    2009年 56 巻 2A04 09-04
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    クロロフィルの
    テトラピロール
    骨格のメチン架橋位の炭素同位体組成を,分子全体と酸化分解により得られるマレイミド類の炭素同位体組成を比較することで求められる.本講演では,高等植物とシアノバクテリアから得られたクロロフィルaの値をもとに,後者のチン架橋位の炭素同位体組成がβカルボキシレーションによる重炭酸の同化を反映して,実際に大きな値をとるかどうかを検証する.また,東北日本の中新統女川層から得られた化石ポルフィリン(のメチン架橋位の炭素同位体組成を求め,当時の基礎生産におけるシアノバクテリアの寄与について議論する.
  • 松本 宏, 石塚 皓造
    雑草研究
    1992年 37 巻 2 号 153-158
    発行日: 1992/07/31
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    オキシフルオルフェンは光の存在下で, 感受性植物を短時間内に枯殺する作用をもつ。この殺草作用発現への
    テトラピロール
    蓄積の関与をより明らかにするために,
    テトラピロール
    合成阻害剤を前処理したキュウリ無傷植物に対するオキシフルオルフェンの作用と, プロトポルフィリン IXの蓄積への影響を調べた。
    キュウリの茎葉部を暗条件下で1μMのオキシフルオルフェンに1.5時間浸漬した後に光 (150μEm-2s-1) を照射すると, 茎葉部に速やかな白化と乾燥がおこった。
    テトラピロール
    合成阻害剤である gabaculine と4,6-dioxoheptanoic acid をナキシフルオルフェンの処理前15時間にわたって根から吸収させると, それぞれ0.1mM と1mMの濃度でオキシフルオルフェンの作用をほぼ完全に抑制した (Fig. 1, Fig. 2)。これらの前処理をせずにオキシフルオルフェンのみを処理したキュウリ体内には, 可視症状の発現に先んじて急激なプロトポルフィリン IXの蓄積がおこり, 蓄積量は光照射後2時間でピークに達した (Fig. 3)。阻害剤を前処理した場合はプロトボルフィリン IXの蓄積が抑制され, 蓄積と作用の抑制の程度はよく一致した (Table 1)。
    これらのことからキュウリの無傷植物体でおこるオキシフルオルフェンの枯殺作用に, それによって蓄積されるプロトポルフィリン IXが直接に関与しているものと考えられた。
  • 高橋 究
    沙漠研究
    2018年 28 巻 2 号 66-72
    発行日: 2018/09/30
    公開日: 2018/11/13
    ジャーナル フリー

    5-アミノレブリン酸(ALA)は,ヘムやクロロフィルといった,エネルギー生産など生物の根幹機能を担う重要な分子である

    テトラピロール
    化合物の代謝系における出発物質で,生物に普遍的に存在する,生命の根源物質とも称される天然アミノ酸である.

    生体におけるALAの生理作用は,農業分野で見出されたのち,医学・ヘルスケア分野においても多彩で加速度的な応用がなされており,当該分野へのALAの応用について概説する.

  • *野本 信也
    日本地球化学会年会要旨集
    2013年 60 巻 2A04
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    光合成生物の持つ
    テトラピロール
    色素であるクロロフィルは、主として海洋などの水界中で大量に合成されてきた。クロロフィル分子は、構成するピロールに結合する原子団の違いによって多くの種類が見いだされており、光合成生物の種類によって異なるクロロフィルを持つ場合もある。それらの一部は海底などの堆積層に埋没して地質学的年代に渡って保存されている。本発表では、地層中におけるクロロフィルの化石分子の存在形態と特徴について述べる。
  • *大河内 直彦, 力石 嘉人, 小川 奈々子, 柏山 祐一郎, 菅 寿美, 北里 洋
    日本地球化学会年会要旨集
    2008年 55 巻 2B02 20-08
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/06
    会議録・要旨集 フリー
    クロロフィルは光合成独立栄養生物によって合成され,生体内では光合成色素として機能している。このクロロフィルは,光合成細菌が合成するバクテリオクロロフィルまで含めると,大きく10種類に分類することができ,各クロロフィルは特定の起源光合成生物によってのみ合成されることが知られている。このクロロフィルの中心核の
    テトラピロール
    構造は,堆積物中で化学的にも微生物学的にも非常に安定したャ泣tィリンと呼ばれる化合物群として長期間保存されている。そのため,堆積岩から抽出されるャ泣tィリンの炭素および窒素安定同位体比は,クロロフィルの同位体組成,ひいては一次生産者の同位体組成を強く反映している。それらの情報は,潜在的に過去の光合成生物の栄養塩の起源,取り込み様式,代謝プロセスといった海洋学的,生物学的な情報を,ほぼ純粋な形で保存していると考えられる。本講演では,主にクロロフィルの分子内同位体組成(アイソトャ}ー)を決定する要因について,生合成の観点から考察し,それからどのような環境情報が引き出せるのかについて論じるとともに,実際の測定結果との整合性についても論じる。クロロフィルの
    テトラピロール
    構造は,葉緑体内でグルタミン酸8分子が縮合して生成されるため,その炭素同位体比はグルタミン酸のそれを強く反映したものである。ただし,縮合の過程でグルタミン酸のC5炭素が6つ脱離するため,正確に一致することはない(Ohkouchi et al., 2008)。
    テトラピロール
    構造の分子内炭素同位体組成のうち,各ピロール環を架橋している炭素については,クロロフィルを各ピロール環に分解(マレイミド化)することにより,マスバランスによって同位体組成を求めることができる。またクロロフィルの窒素同位体比は,グルタミン酸がアミノレブリン酸になるときに導入されるアンモニアの窒素同位体比を反映している。したがって,グルタミン酸の窒素同位体比とは一致しないはずであり,実際にそのことが実験から確認された。各ピロール環に含まれる窒素は,マレイミド化した後に測定したところ,理論どおりほぼ同じ同位体組成を持つことが明らかになった。
  • *望月 伸悦, 田中 亮一, 田中 歩, 増田 建, 長谷 あきら
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2007年 2007 巻
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/12/13
    会議録・要旨集 フリー
    高等植物では、葉緑体の機能・分化状態に応じて、核にコードされた葉緑体関連遺伝子(LhcbRbcSなど)の発現が協調的に調節されている。この協調的遺伝子発現制御には、葉緑体から核に伝達される「プラスチドシグナル」が関わると考えられてきた。このシグナル伝達に異常を示すgun突然変異体の解析から、葉緑体で合成される
    テトラピロール
    中間体(MgProtoIX)がシグナル因子の一つであると提唱されている。また、MgProtoIX合成に直接関わるMg-chelataseのHサブユニット(GUN5)が、アブシジン酸(ABA) 受容体であるとの報告もあり、プラスチドシグナルとABAシグナルの関係について注目されている。本発表では、gun5 を含むMg-chelatase変異体および一連のクロロフィル合成系突然変異体における、gun表現型とABA表現型について比較検討する。また、新たに得られた多数のgun5突然変異体アリルを用い、プラスチドシグナルとABAシグナル表現型について、アリル間での比較についても報告したい。
    これまでに、シグナル分子として働くと考えられるMgProtoXIの合成に関わる遺伝子について明らかになってきたが、依然としてその受容及びプラスチドから核への伝達機構については不明な点が多い。そのため、新規突然変異体の単離・解析を進めており、本発表でその一部を紹介したい。
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