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28,788件中 1-20の結果を表示しています
  • グミゼリー咀嚼時の運動機能, 咀嚼筋筋活動, ならびに咀嚼能率
    栃倉 純, 志賀 博, 小林 義典
    日本
    咀嚼
    学会雑誌

    2000年 9 巻 2 号 57-64
    発行日: 2000/04/27
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    咀嚼側咀嚼時と非主咀嚼側咀嚼
    時との間の機能的差異の有無を検証する目的で, 主
    咀嚼
    側を認識している20歳代の正常者20名にグミゼリーを片側ごとに各20秒間
    咀嚼
    させた時のEMGリズムを運動機能, 咬筋筋活動の積分値を
    咀嚼
    筋筋活動, グルコースの溶出量を
    咀嚼
    能率の各指標として,
    咀嚼
    側間で比較した. その結果, 咬筋筋活動の持続時間, 間隔時間, サイクルタイムの各変動係数は, それぞれ主
    咀嚼側咀嚼時の方が非主咀嚼側咀嚼
    時よりも小さな値を示し, いずれも
    咀嚼
    側間に有意差が認められた. また, 咬筋筋活動の積分値とグルコースの溶出量は, 主
    咀嚼側咀嚼時の方が非主咀嚼側咀嚼
    時よりも大きな値を示し,
    咀嚼
    側間に有意差が認められた. これらのことから, 主
    咀嚼側咀嚼時と非主咀嚼側咀嚼
    時との間には機能的差異が認められ, 主
    咀嚼側咀嚼時の方が非主咀嚼側咀嚼
    時よりも強い力で安定した運動を営み, 高い
    咀嚼
    能率を有すること, また
    咀嚼の定量的分析に際しては咀嚼
    側に留意すべきことが示唆された.
  • 志賀 博, 小林 義典, 荒川 一郎, 横山 正起
    日本
    咀嚼
    学会雑誌

    2004年 14 巻 2 号 68-73
    発行日: 2004/11/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    目的: 本研究の目的は, 近赤外分光装置を用いてチューインガム
    咀嚼
    時の脳内血流の変化を明らかにすることである.
    方法: 20歳代の健常者20名に軟化したチューインガム1枚を1分間
    咀嚼
    させたときの両側の脳内血流を記録した.なお, 測定用プローブは, 皮質
    咀嚼
    野相当部の皮膚上に設置し, ガム
    咀嚼
    は, 主
    咀嚼側と非主咀嚼
    側について各1回を被験者ごとにランダムに行った.分析は, はじめに
    咀嚼
    前,
    咀嚼
    中,
    咀嚼
    終了1, 2, 3, 4, 5分後の7セッションにおける脳内血流量を測定した.次いで, これらのセッションの脳内血流量について, 経時的変化を調べた後, 脳内血流の変化量について, 主
    咀嚼側咀嚼時と非主咀嚼側咀嚼
    時との間で比較した.
    結果: 脳内血流は, 主
    咀嚼側咀嚼
    時, 非主
    咀嚼側咀嚼時ともに咀嚼
    中に増加し,
    咀嚼
    後速やかに減少し,
    咀嚼
    前の状態に回復する経時的変化を示した (主
    咀嚼
    側;F=127.0, 非主
    咀嚼
    側;F=92.9, p<0.01).
    咀嚼
    前と他のセッションの比較では,
    咀嚼
    終了5分後を除くすべてのセッションとの間に有意差が認められた.チューインガム
    咀嚼
    時の脳内血流の変化量は, 20例中18例において主
    咀嚼側咀嚼時のほうが非主咀嚼側咀嚼
    時よりも多く, 両
    咀嚼
    側間に有意差が認められた (t=3.78, p<0.01).
    結論:
    咀嚼
    により, 脳が活性化されること, またそれは主
    咀嚼側咀嚼時のほうが非主咀嚼側咀嚼
    時よりも強い可能性が示唆された.
  • 松田 秀人
    名古屋文理短期大学紀要
    2001年 26 巻 13-17
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2019/07/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
    咀嚼
    筋(咬筋と側頭筋前部)の活動度と
    咀嚼
    能力の関係を調べた.女子大生(19〜20歳)126人を対象として,
    咀嚼能力を咀嚼
    能力測定ガムで測定した結果,
    咀嚼
    能力が強い群が18名,
    咀嚼
    能力が標準の群が92名,
    咀嚼
    能力が弱い群が16名であった.各群の
    咀嚼
    筋の活動度を皮膚温の上昇度として把握した.皮膚温はサーミスター温度計で測定した.皮膚温の測定部位は, 咬筋中央部(左右)と側頭筋前部(左右)の合計4ヶ所とした.皮膚温測定中の
    咀嚼
    は,
    咀嚼
    ガムを用い, 各自の一定のリズムで10分間
    咀嚼
    させた.その結果
    咀嚼
    能力が強い群は, 普通群や弱い群に比べて皮膚温の上昇度が有意に高いことがわかった.したがって,
    咀嚼能力が強い群ほど咀嚼
    筋の活動が高く,
    咀嚼能力が低い群ほど咀嚼
    筋の活動が低いことが判明した.
  • 志賀 博, 小林 義典, 横山 正起, 荒川 一郎, 中島 邦久, 田口 智久
    日本
    咀嚼
    学会雑誌

    2001年 11 巻 1 号 73-79
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    側頭下顎障害 (TMD) 患者の
    咀嚼運動における主咀嚼側咀嚼時と非主咀嚼側咀嚼
    時との間の機能的差異の有無を明らかにする目的で, TMD患者50名のチューインガム
    咀嚼
    時の運動経路と運動リズムの安定性について,
    咀嚼
    側間で定量的に比較し, 以下の結論を得た.
    1. 運動経路の安定性を表す開口時側方成分, 閉口時側方成分, 垂直成分のSD/ODは, 50名中それぞれ42名, 41名, 40名において主
    咀嚼側咀嚼時の方が非主咀嚼側咀嚼
    時よりも小さな値を示し, いずれも
    咀嚼
    側間に有意差が認められた.
    2. 運動リズムの安定性を表す開口相時間, 閉口相時間, 咬合相時間, サイクルタイムの変動係数は, 50名中それぞれ39名, 38名, 37名, 41名において主
    咀嚼側咀嚼時の方が非主咀嚼側咀嚼
    時よりも小さな値を示し, いずれも
    咀嚼
    側間に有意差が認められた.
    3. これらのことから, TMD患者の
    咀嚼
    運動における運動経路と運動リズムは, 主
    咀嚼側咀嚼時の方が非主咀嚼側咀嚼
    時よりも有意に安定しており, また
    咀嚼
    運動の定量的評価に際しては,
    咀嚼
    側に留意すべきことが示唆された.
  • 松田 秀人
    日本
    咀嚼
    学会雑誌

    1997年 7 巻 1 号 3-10
    発行日: 1997年
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    女子大生と高校1年生 (男女) を対象にチューインガムを噛ませ, 溶け出してくる糖分から
    咀嚼
    能力を求めた.
    咀嚼
    方法は, 自由に70回噛ませる自由
    咀嚼
    と強制的に1秒間に1回噛ませる強制
    咀嚼
    , 強制的に1秒間に2回噛ませる強制
    咀嚼
    (女子大生のみ) とした.さらに, BMI (女子大生), ローレル指数 (高校1年生) により肥満度別に分類し,
    咀嚼
    能力と肥満との関連性を調べた.その結果自由
    咀嚼
    では, 女子大生と高校1年生ともに肥満群が非肥満群に比べて
    咀嚼
    能力が弱く,
    咀嚼
    能力と肥満との関連性を指摘できたが, いずれの強制
    咀嚼
    でも関連性が認められなかった.これは肥満群も非肥満群も強制
    咀嚼により一定の咀嚼
    リズムで噛ませたために噛むことに対する意識が高まり,
    咀嚼
    能力に差が出なくなったと考えられる.1秒間に1回噛ませる強制
    咀嚼と自由咀嚼による咀嚼
    能力の差を調べると, 女子大生と高校1年生ともに肥満群も非肥満群も強制
    咀嚼のほうが自由咀嚼に比べて咀嚼
    能力が優れていた.同様に1秒間に2回噛ませる強制
    咀嚼
    に関しては, 肥満群も非肥満群も自由
    咀嚼のほうが咀嚼
    能力が優れていた.強制
    咀嚼と自由咀嚼の差は咀嚼
    リズムであり, 1秒間に1回噛ませる強制
    咀嚼の方が自由咀嚼に比べて咀嚼
    リズムがおそく, 1秒間に2回噛ませると
    咀嚼
    リズムがはやくなった.したがって, ゆっくり噛ませると溶出糖量で表した
    咀嚼
    能力が増すことが本研究により示唆された.
  • 坂口 究, 横山 正起, 渡邊 篤士, 阿部 賢一, 岩下 隼人, 浦田 健太郎, 熊崎 洋平, 河野 稔広, 小針 啓司, 玉置 潤一郎, 福井 雄介, 藤下 あゆみ, 宮城 光志, 志賀 博
    日本顎口腔機能学会雑誌
    2012年 18 巻 2 号 152-160
    発行日: 2012年
    公開日: 2014/01/30
    ジャーナル フリー
    本研究は,習慣性
    咀嚼側と非習慣性咀嚼
    側との間の機能的差異の有無を検証して,習慣性
    咀嚼側が咀嚼
    機能に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした.被験者には,第7回顎口腔機能セミナーに参加した健常成人10名(26~33歳,平均28.7歳)を選択した.
    咀嚼
    運動の分析は,習慣性
    咀嚼側と非習慣性咀嚼
    側の間で,ガム
    咀嚼
    時の運動経路と運動リズムの安定性,運動経路のパターンについての比較を行った.
    咀嚼
    能力の分析は,グミゼリー
    咀嚼
    時のグルコース溶出量についての比較を行った.その結果,1.運動経路,運動リズム,運動経路と運動リズムの安定性を表す3つの統合指標は,10名中6名において習慣性
    咀嚼側咀嚼
    時のほうが小さかった.2.グルコースの溶出量は,習慣性
    咀嚼側咀嚼
    時のほうが大きな値を示し,
    咀嚼
    側間に有意差が認められた.3.習慣性
    咀嚼側咀嚼
    時における運動経路のパターンの発現は,パターンIとパターンIIIが10名中8名であった.4.発現を認めた各パターンの数値化による比較では,10名中5名は習慣性
    咀嚼側咀嚼
    時の点数のほうが大きく,3名は習慣性
    咀嚼側咀嚼時と非習慣性咀嚼側咀嚼
    時の点数が同じであった.
     以上のことから,習慣性
    咀嚼側と非習慣性咀嚼
    側には機能的差異が認められ,習慣性
    咀嚼側のほうが良好な咀嚼
    機能を営むことが示唆された.また,
    咀嚼
    機能の定量的評価には,
    咀嚼
    能力の計測,
    咀嚼
    運動経路のパターン分析,
    咀嚼
    運動の安定性の分析(統合指標)が有用である可能性が示唆された.
  • 深野 雅久, 中村 俊弘, 今村 直人, 石川 晴夫
    日本顎関節学会雑誌
    2002年 14 巻 1 号 31-37
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 10名の女性正常咬合者と22名の女性開咬患者の開口量,
    咀嚼
    幅, ならびに運動リズムを検討し, 開咬患者の形態的特性が
    咀嚼
    運動の特性に与える影響を明らかにすることである。
    ガム
    咀嚼
    時の記録は,
    咀嚼
    運動自動分析システムを用いて両群間で定量的な統計学的検討を加え, 以上の結論を得た。
    1. 正常咬合群における開口量,
    咀嚼
    幅の平均値は, 14.5, 2.4mmであったが, 開咬群では12.8, 1.6mmであり, 開口量では両群間に有意差が認められた。
    2. 開口相時間, 閉口相時間, 咬合相時間, サイクルタイムの平均値は, 正常咬合群では, それぞれ207, 198, 184, 589msec, 開咬群ではそれぞれ283, 235, 224, 741msecで, 閉口相時間と咬合相時間では両群間に有意差, 開口相時間とサイクルタイムでは両群間に高度な有意差が認められた。
    以上より, 女性開咬患者の
    咀嚼
    運動における運動経路は狭小化し, また運動リズムは緩徐であることが示唆された。
  • 志賀 博, 小林 義典, 横山 正起, 雲野 美香, 難波 錬久
    日本顎関節学会雑誌
    2003年 15 巻 1 号 37-42
    発行日: 2003/04/20
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    側頭下顎障害 (TMD) 患者の
    咀嚼
    運動経路の安定性を客観的に評価する目的で, 20歳代の女性健常者20名 (健常群) と女性TMD患者20名 (TMD群) に主
    咀嚼
    側でチューインガム, ピーナッツ, 硬パンを
    咀嚼
    させ,
    咀嚼
    開始後の第5サイクルからの10サイクルについて, 運動経路の安定性を表す開口時側方成分, 閉口時側方成分, 垂直成分のSD/OD (標準偏差/開口量) をそれぞれ算出後, 両群間で比較した。その結果, 開口時側方成分, 閉口時側方成分, 垂直成分のSD/ODは, いずれの食品
    咀嚼
    時でも, TMD群のほうが健常群よりも大きな値を示し, 開口時側方成分 (チューインガム
    咀嚼
    時: t=4.78, p<0.01, ピーナッツ
    咀嚼
    時: t=3.73, p<0.01, 硬パン
    咀嚼
    時: t=2.60, p<0.05), 閉口時側方成分 (チューインガム
    咀嚼
    時: t=4.37, p<0.01, ピーナッツ
    咀嚼
    時: t=2.61, p<0.05, 硬パン
    咀嚼
    時: t=2.97, p<0.01), 垂直成分 (チューインガム
    咀嚼
    時: t=6.25, p<0.01, ピーナッツ
    咀嚼
    時: t=3.15, p<0.01, 硬パン
    咀嚼
    時: t=2.57, p<0.05) のいずれにおいても両群間に有意差が認められた。これらのことから, TMD患者の
    咀嚼
    運動経路は, 不安定であることが確認された。
  • 岩崎 精彦
    歯科医学
    1990年 53 巻 2 号 g59-g60
    発行日: 1990/04/25
    公開日: 2017/02/20
    ジャーナル フリー
    硬, 軟両食品
    咀嚼
    時の頭蓋の力学的反応の違いと頭蓋の成長, 発育との関連性を明らかにすることが, この研究の目的である. 立位に固定した麻酔下の成熟期 (体重 : 7.0〜10.4kg) および幼年期 (体重 : 2.3〜2.7kg) の日本ザルの下顎骨の両側の臼歯部骨体部ならびに両側の上顎骨の臼歯部骨体部, 頬骨弓前部, 頬骨弓後部, 側頭骨鱗部, 頭頂骨中央部および側頭骨顎関節周辺部の合計14か所に三軸ストレインゲージを貼付し, 両側の咬筋を同時に電気刺激して収縮させ, 咬合,
    咀嚼
    させた. なお, 電気刺激の強さは, 咬合時の両側咬筋ならびに硬食品 (クッキー) および軟食品 (マシュマロ)
    咀嚼
    時の左側 (
    咀嚼
    側) 咬筋においては60V, 食品
    咀嚼
    時の右側 (非
    咀嚼
    側) の咬筋は30Vである. 咬合時に対する
    咀嚼
    時の全総主ひずみ量 (
    咀嚼時に咀嚼側と非咀嚼
    側との頭蓋各骨に生ずる主ひずみ量の総和) の百分率は, 硬食品
    咀嚼
    時には成熟期頭蓋と幼年期頭蓋とではほとんど差は認められないが, 軟食品
    咀嚼
    時には幼年期頭蓋のほうが小さい. 咬合時に対する
    咀嚼
    側頭蓋総主ひずみ量 (
    咀嚼時に咀嚼
    側頭蓋の各骨に生ずる主ひずみ量の総和) の百分率については, どちらの食品を
    咀嚼
    しても, 両頭蓋間にそれほど差が認められないかあるいは差が認められたとしてもその差はわずかである. それに対して, 咬合時に対する非
    咀嚼
    側頭蓋総主ひずみ量の百分率は, 幼年期頭蓋のほうが硬食品
    咀嚼
    時では大きく, 軟食品
    咀嚼
    時では著しく小さい. すなわち, 硬食品
    咀嚼
    においては, 非
    咀嚼側頭蓋にはその発育を促すのに必要なだけの大きさの咀嚼
    力が加わっているのに対して, 軟食品
    咀嚼
    時には加わらない. したがって, 摂取食品の性状による頭蓋の力学的反応の悪影響は, 軟食品
    咀嚼
    時において, とくに幼年期の非
    咀嚼
    側の頭蓋に現われる.
    咀嚼
    時には,
    咀嚼物質の大きさや性状等によって頭蓋各骨に加わる咀嚼
    力の方向, したがって主ひずみの方向が咬合時と異なる骨とまったく差異の認められない骨とがある. 前者の骨は, 幼年期頭蓋のほうに多く認められる. このことから, 成熟期頭蓋のほうが応力が集中しやすいことがわかる. また, 頭蓋各骨における
    咀嚼
    時の主ひずみ量が咬合時に比べて増加する骨は, 軟食品
    咀嚼時よりも硬食品咀嚼
    時のほうが, また幼年期頭蓋よりも成熟期頭蓋のほうが多い. 頭蓋各骨における
    咀嚼
    時の主ひずみ方向の変動および主ひずみ量の増大についての以上の知見から, 成熟期頭蓋においては
    咀嚼
    時には個々の骨がそれぞれ単独に, これに対して幼年期頭蓋では頭蓋を構成するすべての骨が一塊として,
    咀嚼
    力を緩衝していることがわかる. 非
    咀嚼
    側の頬骨弓は,
    咀嚼
    力の緩衝作用に対して重要な働きをしている. すなわち, 頬骨弓の主ひずみ量は, 軟食品
    咀嚼時の幼年期非咀嚼
    側頬骨弓における場合を除いては, 他の頭蓋各骨よりも著しく大きい. また, その主ひずみの方向は非
    咀嚼
    側頬骨弓では変わりやすく,
    咀嚼
    側頬骨弓では変わりにくい. 量と方向とについての以上の現象から, 非
    咀嚼
    側の頬骨弓は第2級のてこの作用が十分に発揮されるように, 機能していることが証明される. しかし, 幼年期の非
    咀嚼
    側頬骨弓は, 軟食品
    咀嚼
    時には主ひずみの方向は変わりやすいが, 主ひずみ量が大きくないから, 第2級のてこの作用は発揮されない. なお, latency time, peak time, restoration timeおよびひずみ波形のパターンを測定し, 粘弾性体としての頭蓋各骨の力学的モデルは三要素モデルによって説明できると判断した.
  • 溝上 真也, 山下 秀一郎, 橋井 公三郎, 中塚 佑介
    日本補綴歯科学会誌
    2010年 2 巻 2 号 78-87
    発行日: 2010/04/10
    公開日: 2010/07/08
    ジャーナル フリー
    目的:ヒトには側性があり,顎口腔系にも習慣的使用頻度の高い主
    咀嚼
    側が存在する.ところが,
    咀嚼
    側を考慮した補綴治療に対する示唆は得られていない.そこで本研究では,主
    咀嚼側咀嚼と非主咀嚼側咀嚼
    の両者で下顎運動様相を比較し,さらに,年齢層間や食品性状間でも比較を行い,補綴臨床上の示唆を得ることを目的とした.
    方法:被験者は健常有歯顎者30名とした.主
    咀嚼
    側の判定は,
    咀嚼
    開始後20ストロークにて頻度の高い側を主
    咀嚼
    側とした.
    咀嚼
    中の下顎運動測定には,6自由度顎運動測定装置を用いた.被験項目は,ビーフジャーキーとグミゼリーを用いた主
    咀嚼側咀嚼と非主咀嚼側咀嚼
    とし,切歯点の閉口路角,閉口筋活動中の下顎頭の移動距離と最大移動速度について比較した.さらに,年齢層間と被験食品間においても比較を行った.
    結果:
    咀嚼側咀嚼では非主咀嚼側咀嚼
    と比べ,切歯点の閉口路角が大きく,平衡側下顎頭の移動距離と最大移動速度がそれぞれ長くなり大きくなる傾向がみられた.また,壮年者ではこの傾向がさらに顕著になることも判明した.被験食品間では,差はみられなかった.
    結論:
    咀嚼側咀嚼
    の方がGrinding Typeとなる傾向が強く,また,主
    咀嚼
    側を中心とした咬耗により,年齢層による差がより顕著になったことが推察された.臨床的には,左右対称の補綴が必ずしも良いわけではなく,機能的形態を加味した補綴処置の必要性が示唆された.
  • 林 幸男
    日本補綴歯科学会誌
    2014年 6 巻 1 号 99-102
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/01/31
    ジャーナル フリー
    症例の概要:患者は23歳の女性.歯の先天性欠如による審美不良と
    咀嚼
    困難を主訴に来院した.上顎には左右側小臼歯と左側の第2大臼歯,下顎は左右側第2小臼歯と右側の側切歯に先天性欠如があり,金属床を用いた局部床義歯による補綴治療を行った.
    考察:義歯の装着により審美性と
    咀嚼
    機能に患者の満足が得られ,17年間の長期にわたり良好な予後が得られていると考えられる.
    結論:歯の先天性欠如による審美障害と
    咀嚼
    障害を,通法の金属床を用いた可撤性部分床義歯による補綴治療を行い,さらに定期的な検査と3回の人工歯置換による修理により長期間の良好な経過を得ることができた.
  • 塩沢 光一, 柳沢 慧二
    日本
    咀嚼
    学会雑誌

    1992年 2 巻 1 号 35-40
    発行日: 1992/12/25
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    ヒトの
    咀嚼
    時の頬の働きを調べる目的で, 双極の表面電極を用いて成人被験者の
    咀嚼
    時の頬筋EMGを導出した.
    咀嚼
    試料にはゼラチンを主成分とするグミ, およびチューイングガムを用いた.
    咀嚼時の頬筋筋活動を咀嚼
    側と平衡側とで比較すると,
    咀嚼
    側の方が平衡側に比べて著しい筋活動を示した. ガム
    咀嚼時とグミ咀嚼
    時の頬筋筋活動を比較すると, ガム
    咀嚼
    ではほぼ一定の大きさの筋活動を維持したのに対し, グミ
    咀嚼では咀嚼
    の進行に伴い, しだいに減少した. 本研究で認められたこれらの頬筋筋活動と
    咀嚼
    時の頬の働きとの関連について考察した.
  • 寺村 美千代
    歯科医学
    1994年 57 巻 2 号 g59-g60
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2017/03/06
    ジャーナル フリー
    咀嚼
    運動についてこれまでに EMG, 下顎運動, 歯の変位,
    咀嚼
    力など多くの研究が行われてきた. これらのなかでも
    咀嚼
    力の測定は下顎運動に調和し, 歯周組織に負荷の少ない咬合面形態を考えるうえで重要視され, 補綴学的にも興味深いテーマである. しかし
    咀嚼
    力の測定は, 装置製作の難しさから, これに関する報告は少ない. 今回,
    咀嚼
    力測定用センサを用いて3次元的な
    咀嚼
    力を測定し,
    咀嚼
    力の方向と量について分析し,
    咀嚼
    の時期によりどのように変化するかを観察した. 実験に用いたのは, 教室の豊田が開発したセンサに新たに改良を加えたものである. 本センサを4名の被検者の根管処置済みの下顎第一大臼歯に組み込み, レーズンおよびピーナッツ
    咀嚼時の咀嚼
    力について,
    咀嚼
    開始の第1ストロークから嚥下までの全ストロークを MKG 下顎切歯点運動とともに記録し, 各分力と合力のピーク値, カ積, 持続時間お上び
    咀嚼
    カベクトルの変化について分析した.
    咀嚼
    の進行に伴う食品の破砕につれて,
    咀嚼
    力の合力と各分力は, そのピーク値や力積, 持続時間を含めて減少する傾向を示した. そして,
    咀嚼の初期では咀嚼
    力の垂直成分が多く発揮され,
    咀嚼
    の進行に伴い側方成分の比率が増加して, 食品を効率よく
    咀嚼
    していると考えられた. 一方, 各側方力は, 垂直力の1/4から1/30と小さく, 経時的には垂直力にみられるような大きな変化は示さなかった.
    咀嚼
    の1ストロークにおける
    咀嚼力を咀嚼
    カベクトルで観察すると, とくに
    咀嚼
    初期では, 閉口相終末の crushing phase で大きな垂直力が発現するため,
    咀嚼
    力は直線的に垂直方向を向く様相が認められた. このことは, 下顎の作業側移動に伴う下顎の安定と
    咀嚼
    効率に関連しており, さらに歯根膜の鋭敏な感覚が歯に加わるカの大きさと方向を感受し, 過大な側方力の発生を防ぐように顎運動をコントロールしている可能性が示唆された. 一方, 咬合相では, crushing phase での粉砕に対して, 咬合面形態の影響を受け, ベクトルの方向の変動が大きくなり側方圧が発現する臼磨様運動を行っている様相が推察された. 以上より,
    咀嚼
    の進行に伴う食品性状の変化と呼応して,
    咀嚼
    力の発現が変化する様相が明らかとなった. また, 1ストローク中においても
    咀嚼
    運動において粉砕と臼磨というそれぞれの役割に応じ2つの
    咀嚼
    力の発現様式が区分され, 有効に
    咀嚼
    機能を営んでいることが示唆された.
  • 長沢 亨, 岡根 秀明, 佐々木 元
    歯科基礎医学会雑誌
    1979年 21 巻 1 号 1-8
    発行日: 1979年
    公開日: 2010/10/28
    ジャーナル フリー
    咀嚼機能に対して咀嚼
    速度がどの程度影響しているかを明らかにするため, 健全歯列者を対象として,
    咀嚼
    速度を種々の速度で規定して
    咀嚼
    させ, ピーナツ粉砕能およびチューインガム溶出糖量を測定した。
    咀嚼
    速度は各被験者の習慣性の速度を基準にして変更した。
    咀嚼
    速度を速くするとピーナツの粗い粒子の残留量が増加し, ガムの溶出糖量は減少した。一方,
    咀嚼
    速度を遅くするとピーナツの中程度の粒子の残留量が増加し, ガムの溶出糖量も増加した。
    咀嚼値と咀嚼
    時間の間に関係はなく, 任意の速度で
    咀嚼させたときの咀嚼
    値が最も高く,
    咀嚼速度を速くしても遅くしても咀嚼
    値は低下した。
    ガム溶出糖量は
    咀嚼
    時間と相関があり, ゆっくり
    咀嚼
    させればそれだけ溶出糖量が増加した。
  • ATP吸光度法およびチューインガム法による検討
    金高 弘恭, 三谷 英夫
    日本顎関節学会雑誌
    2002年 14 巻 1 号 25-30
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    咀嚼
    は日常生活において非常に重要な機能であるが, 顎関節症によりさまざまな影響を受けるといわれている。そこで本研究では, 顎関節雑音に伴う顎機能異常が
    咀嚼
    機能に与える影響を調べることを目的とし,
    咀嚼機能の総合的な評価が可能な咀嚼
    能力についての測定を行った。
    研究対象として, 平均20歳の約5, 000人よりなる集団から厳しい条件のもと抽出した正常咬合者40名 (男女各20名) を用いた。被験者は2群に分類され, 顎関節雑音を有するものを顎機能異常群10名 (男女各5名) とし, なんら顎機能異常を有さないものを対照群30名 (男女各15名) とした。また, 側面頭部X線規格写真の計測および咬合接触面積の測定により, 両群間には形態的な有意差が認められないことが確認された。
    咀嚼
    能力の測定は, 比較的操作が簡便で測定所要時間の短い, ATP吸光度法およびチューインガム法により行った。
    本研究の結果, 下記の結果を得た。
    1. ATP吸光度法による
    咀嚼
    能力では,両群間に有意差は認められなかった。
    2. チューインガム法による
    咀嚼
    能力では, 顎機能異常群が対照群より有意に低い値を示した。
    以上より, 顎関節雑音に伴う顎機能異常が
    咀嚼
    機能に影響を与えている可能性が示唆された。
  • 小見野 真梨恵, 志賀 博, 上杉 華子, 中島 邦久, 荒川 一郎, 仁村 可奈
    日本全身咬合学会雑誌
    2021年 27 巻 2 号 13-17
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/12/25
    ジャーナル フリー

    重心動揺計を用いた重心動揺検査は,直立姿勢に現れる身体制御機構の障害による動揺を観察し,平衡機能を評価するため,主に耳鼻咽喉科,神経内科,眼科などで普及しており,歯科においても,顎口腔機能と全身機能の密接な関係を調べるために用いられてきている1〜16)

    咀嚼
    運動時の身体重心動揺を調べた研究では,重心動揺は,閉眼時よりも開眼時のほうが安定すること,安静時よりも軟化したチューインガム
    咀嚼
    時,特に片側
    咀嚼
    時に最も安定することが報告されている16).しかしながら,
    咀嚼
    側の違いが重心動揺に及ぼす影響については,明らかにされていない.

    そこで,本研究では,

    咀嚼
    側の違いが身体重心動揺に与える影響を明らかにする目的で,健常有歯顎者25名の各種
    咀嚼
    (軟化前後の自由
    咀嚼と右側と左側の片側咀嚼
    )時の重心動揺を足圧分布測定システムを用いて測定し,身体動揺の総軌跡長を算出し,
    咀嚼
    側間で比較した.総軌跡長は,軟化後自由
    咀嚼のほうが軟化前自由咀嚼
    よりも有意に短く, 身体重心動揺は,軟化後自由
    咀嚼
    のほうが安定していた.右側
    咀嚼と左側咀嚼
    との比較では, 両
    咀嚼
    間に有意差が認められず,利き手側と身体重心動揺との間に関係がなかった.主
    咀嚼側咀嚼と非主咀嚼側咀嚼
    との比較では, 主
    咀嚼
    側のほうが有意に短く,身体重心動揺は,主
    咀嚼側咀嚼
    のほうが安定していた.

    咬合が身体重心動揺に及ぼす影響を調べた研究では,偏心咬合位よりも咬頭嵌合位5),スプリントや義歯の装着 4, 6, 7, 10, 14)で身体重心動揺が少なくなることが報告されている.これらは,咬合が安定していると身体重心動揺が少なくなることを示している.このことから,

    咀嚼運動においてもより安定した咀嚼
    時に身体重心動揺が少なくなることが予想される.

    咀嚼
    運動に関するこれまでの研究で,被験食品や
    咀嚼方法などの咀嚼条件が咀嚼
    運動に影響を及ぼすことが明らかにされており18),通常の食品では,
    咀嚼
    中に大きさや硬さが変化し,それに対応して
    咀嚼
    運動も変化するため,不安定になってしまう.したがって,
    咀嚼
    中に大きさや硬さが変化しない軟化したチューインガムが被験食品として適切であり,グミゼリーがそれに準じることが明らかにされている19).軟化前後の自由
    咀嚼
    の身体重心動揺を測定した本研究の結果では,総軌跡長は,軟化後自由
    咀嚼
    のほうが有意に短く,身体重心動揺は,軟化前自由
    咀嚼よりも軟化後自由咀嚼
    のほうが安定していた.軟化後のチューインガムは
    咀嚼
    中に大きさや硬さが変化しないが,軟化前のチューインガムは
    咀嚼
    中に大きさや硬さが大きく変化するため,
    咀嚼
    運動が変化し,不安定になることは容易に推測でき,このことが身体重心動揺に影響を及ぼしたものと考えられる.

    右側

    咀嚼と左側咀嚼
    との比較では,総軌跡長が右側
    咀嚼
    (9.06cm)と左側
    咀嚼
    (8.99cm)とで近似し,両
    咀嚼
    間に有意差が認められなかった.なお,利き手が
    咀嚼
    運動に及ぼす影響を排除するため,本研究では,右側が利き手の者を被験者に限定した.また,利き手の影響を調べた研究ではないが,安静時の総軌跡長は右利きが7.5cm,左利きが7.7cmであったと報告されている20).これらのことから,利き手側と身体重心動揺とは関係ないと考えてよいように思われる.

    ヒトには嚙みやすい側(主

    咀嚼
    側)があり,非主
    咀嚼
    側との間に機能的差異があることが明らかにされている21, 22)
    咀嚼運動においても主咀嚼側咀嚼のほうが非主咀嚼咀嚼
    よりも有意に安定することが報告されている21).本研究では,総軌跡長は, 主
    咀嚼側のほうが非主咀嚼
    側よりも有意に短く,身体重心動揺は,主
    咀嚼側咀嚼
    のほうが安定していた.著者らは,身体重心動揺は自由
    咀嚼よりも片側咀嚼
    のほうが有意に安定することをすでに報告16)していたが,本研究の結果により,片側
    咀嚼
    の中で,非主
    咀嚼側よりも主咀嚼
    側のほうが有意に安定することを示すことができた.これは,
    咀嚼運動が主咀嚼
    側で最も安定することに起因しているものと考えられる.

    これらのことから,身体重心動揺は,利き手側と無関係であり,運動が最も安定する主

    咀嚼側咀嚼
    時に最も安定することが示唆された. 注:本文中の文献番号は,英論文中の文献番号と一致する.


    ※内容の詳細は英論文になります.
  • 中村 健太郎, 山本 司将, 山口 雄一郎, 松浦 尚志, 佐藤 博信
    日本補綴歯科学会誌
    2017年 9 巻 1 号 53-61
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/02/21
    ジャーナル フリー

    目的:下顎運動分析記録装置は

    咀嚼
    運動路を分析し,
    咀嚼
    機能の回復に用いられてきた.さらに近年,
    咀嚼
    運動路の終末位(以下,
    咀嚼
    運動終末位とする)付近の顎位を詳細に分析ができるようになった.しかしながら,この
    咀嚼
    運動終末位と咬頭嵌合位との位置関係は十分に解明されていない.そこで,本研究の目的は下顎運動分析記録装置と改良した
    咀嚼
    運動終末位分析ソフトウェアを用いて,咬頭嵌合位に対する
    咀嚼
    運動終末位の位置関係を明らかにすることである.

    方法:被験者は健常有歯顎者の男性歯科医師5名を対象とし,下顎運動分析記録装置と既存の下顎運動記録ソフトウェアを改良した

    咀嚼
    運動終末位分析ソフトウェアを用いて,
    咀嚼
    運動終末位の咬頭嵌合位に対する位置関係を分析した.被験食品は10×10×10 mmに加工したバナナ,カマボコ,りんご,食パン,フランスパンとし,それぞれ左右側で片
    咀嚼
    5回ずつ2回(計10回)行わせ,顎運動を計測した.各被験者,各被験食品の
    咀嚼運動別に咬頭嵌合位からの咀嚼
    運動終末位の3次元的位置を計測した.

    結果:咬頭嵌合位に対する

    咀嚼
    運動終末位は被験食品の違いにかかわらず,前方または後方に位置した.その距離は食品別でも個人別でも最大で平均0.18 mmであった.左右的位置関係についてはその距離は最大でも平均0.12 mmであった.

    結論:健常有歯顎者における

    咀嚼
    運動終末位は咬頭嵌合位に近似していることが示された.

  • 金高 弘恭, 幸地 省子, 新井 映子, 中條 哲, 徳川 宜靖
    日本口蓋裂学会雑誌
    2010年 35 巻 1 号 28-34
    発行日: 2010/04/25
    公開日: 2012/03/07
    ジャーナル 認証あり
    本研究では口唇裂・口蓋裂患者の摂食嚥下機能を評価するために新しく機能評価用ゼリーを開発し,口唇裂・口蓋裂患児および非裂児へ適用することにより,口唇裂・口蓋裂患児の摂食嚥下機能の経年的な成長発育変化および非裂児との比較について検討を行った。
    対象は東北大学病院附属歯科医療センター顎口腔機能治療部にて咬合管理を行っている2歳から6歳までの口唇裂・口蓋裂患児(患児群)167人と,宮城県内および静岡県の保育園・幼稚園に在籍する2歳から6歳までの園児(対照児群)45人とした。ゼラチン,グラニュー糖,レモンエッセンスから,硬さの異なる3種の摂食嚥下機能評価用ゼリーを作製し,
    咀嚼
    開始から嚥下が完了するまでの時間および
    咀嚼
    回数について計測を行った。患児群,対照児群とも,2-3歳群および4-6歳群の2群に分類し,各群間で比較検討を行ったところ下記の結果を得た。
    1.患児群,対照児群とも,評価用ゼリーの硬度が増すに従い,摂食嚥下時間および
    咀嚼
    回数が有意に増加した。
    2.患児群では,成長発育に従い,硬いゼリーで摂食嚥下時間が有意に減少し,軟らかいゼリーで
    咀嚼
    回数が有意に増加した。また,全ての硬さの評価用ゼリーにおいて,成長発育に従い,単位時間あたりの
    咀嚼
    回数が有意に増加した。
    3.患児群と対照児群の比較では,2-3歳群,4-6歳群とも,摂食嚥下時間および
    咀嚼
    回数に明らかな有意差は認められなかった。
    本研究結果より,2歳や3歳という低年齢においても,食品の硬さを弁別し,
    咀嚼
    や摂食嚥下の様式を変化させている可能性が示唆された。また,口唇裂・口蓋裂を有していても,幼児期より適切な外科的治療および咬合管理が行われていれば,摂食嚥下機能に影響をおよぼすことが少ないと考えられた。
  • 平賀 泰, 志賀 博, 小林 義典
    日本
    咀嚼
    学会雑誌

    2001年 11 巻 1 号 29-35
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    咀嚼時の下顎運動量と咀嚼
    能率との関係を明らかにする目的で, 20歳代の正常者50名にグミゼリーを主
    咀嚼
    側で20秒間
    咀嚼
    させた時の下顎切歯点の開口量,
    咀嚼
    幅とグルコースの溶出量との関係を調べた. その結果, 開口量とグルコースの溶出量との関係は, 開口量が大きくなるに従って, グルコースの溶出量も大きくなり, 両者間に高度に有意な正の相関が認められた.
    咀嚼
    幅が4mm未満の群における
    咀嚼
    幅とグルコースの溶出量との関係は,
    咀嚼
    幅が大きくなるに従って, グルコースの溶出量が大きくなる傾向を示し, 両者間に高度に有意な正の相関が認められた.
    咀嚼
    幅が4mm以上の群における
    咀嚼
    幅とグルコースの溶出量との関係は,
    咀嚼
    幅が大きくなるに従って, グルコースの溶出量が小さくなる傾向を示し, 両者間に有意な負の相関が認められた. これらのことから,
    咀嚼時の下顎の垂直的運動量と咀嚼
    能率との間には, 比例的な関係があり, また下顎の側方的運動量と
    咀嚼
    能率との間には, 側方的運動量が4mm未満の場合に比例的な関係があるが, 4mm以上の場合に逆比例的な関係があることが示唆された.
  • *小竹 佐知子
    一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
    2009年 61 巻 2P-12
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/02
    会議録・要旨集 フリー
    目的 食品
    咀嚼
    中に食品から放散する香気は、食品のおいしさを決める最終的な判断基準の一つとなることから重要と考えられる。そこで、食品
    咀嚼中の放散香気量に及ぼす咀嚼
    頻度の影響を検討することを目的として、
    咀嚼
    モデル装置を用いて測定した。 方法 抜き型(直径2.7cm)を用いて直径2.5cm、高さ2.5cmに成形した蒟蒻ゼリー(マンナンライフ社製、カップポーションタイプ・レモン味)を0.31Hz、0.71Hz、1.00Hz、1.46Hzの
    咀嚼
    頻度にて2分間模擬
    咀嚼
    させ、その間に放散した香気をテナックスチューブに捕捉し、加熱脱着式(TSD、Gerstel社)のGC-MS(6890GC-5973MSD、Agilent社)によりリモネンを分析した。実験は6回の平均とし、シェッフェの全群比較法により統計処理を行った。 結果 
    咀嚼
    頻度1.46Hz(1.46回/秒の
    咀嚼
    )は、予備実験にて学生パネルに試料を供試して食べてもらい、計測した嚥下するまでの
    咀嚼回数と咀嚼
    秒数から算出した値の最大値である。学生の
    咀嚼
    頻度は1.00~1.46Hzの間にあり、これに対して、ややゆっくりの
    咀嚼
    を0.71Hz、非常にゆっくりの
    咀嚼
    を0.31Hzに設定した。リモネンの放散量は、
    咀嚼
    頻度が低くなるにつれて減少する傾向にあったが、1.46Hzと1.00Hzの間には有意差は無く、0.71Hzでは5%、0.31Hzでは1%の危険率で有意に減少した。以上のことから、
    咀嚼
    頻度が低い高齢者では、
    咀嚼
    中の放散香気量の少ないことが示唆された。
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