1979年に初めてヒトに対して応用されてから,天然サンゴの
外骨格
は骨補填材として臨床応用されてきた.天然サンゴ(ハマサンゴ)は,海綿骨に類似した構造を有し,埋植後の初期機械的特性が類似しているという理由から選ばれた.サンゴ
外骨格
は炭酸カルシウムの結晶の一種であるAragoniteで構成されており,多孔性であることが特徴である.
in vitroや
in vivoの実験によってサンゴ
外骨格
の生体適合性,骨伝導性および生体吸収性がこれまでに明らかにされた.サンゴ
外骨格
は成長因子の適切なキャリアとして機能し,細胞の付着,成長,拡散および分化を可能にするため,天然サンゴ
外骨格
は優れた骨補填剤であると報告されている.本稿では,環境破壊問題によって存続の懸念がある天然サンゴの代替品として人工養殖されたサンゴの一種である
Montipora digitataの
外骨格
由来骨補填材に関連する研究をレビューする.
抄録全体を表示