炭酸エチルフェニル(以下EPCとする)を低圧水銀灯または高圧水銀灯によって光照射すると,サリチル酸エチル,
p-オキシ安息香酸エチルおよびフェノールが,かなりよい収量でえられた。溶媒としては,酢酸およびエタノールが良好であった。一方,塩化アルミニウム,臭化アルミニウムおよび三フッ化ホゥ素エーテル化物などのルイス酸を用いたフリース転位型の反応は成功せず,単に分解反応がみられるのみであった。また,EPCのフェニル基に種々の置換基を有する
炭酸エステル
についても,光転位反応が試うみられた。置換基として,メトキシ(パラ位),メチル(パラ,メタおよびオルト),フェニル(パラ)およびアセチル(パラ)基などを有する
炭酸エステル
においては,光転位反応が認められたが,クロロ(パラ),ニトロ(メタおよびパラ)およびカルベトキシ(パラ)基などを置換基として有する
炭酸エステル
は,光照射によって認められうるほどに転位生成物を与えなかった。
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