平成14年度春のグループ回想法プログラムにおけるビデオ撮影によって得られた
表情
の画像と,その
表情
時の回想内容を重ね合わせながら,一事例(A氏,88歳男性)にみられる特徴的な
表情
を捉える試みを行った.さらに,その
表情
が日常生活でもみられるかを観察した.結果,5回の回想法でみられたA氏の特徴的な
表情
として【難しい
表情
】【見定める
表情
】【笑いの
表情
(社交的な微笑み・照れ笑い・口を大きく開けた笑い)】【困った
表情
】【おどけた
表情
】の5つが抽出された.また,3日間の日常生活における対人交流場面との比較では,困った
表情やおどけた表情
は観察されず,難しい
表情と見定める表情
は各々1場面観察された.笑いの
表情
では,社交的な微笑みは1場面,照れ笑いは数回,口を大きく開けた笑いは,アクティビティケア時に観察された.日常生活では全般的に
表情
が変わらない時間が長かった.表現された
表情
から回想法での刺激が対象にとってどんな意味をもったのかを吟味することで回想法プログラムの評価を行い,そこで引き出された力を日常生活の中で活かしていくケアが重要だと考える.
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