詳細検索結果
以下の条件での結果を表示する: 検索条件を変更
クエリ検索: "阿部英雄"
97件中 1-20の結果を表示しています
  • 石井 三都夫, 金森 隆, 遠藤 正司, 鶴岡 勇, 野沢 利範, 福田 雄, 山本 康了, 実川 豪志, 島村 努, 内海 晶彦, 松井 伸一
    日本獣医師会雑誌
    2000年 53 巻 5 号 297-301
    発行日: 2000/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    乳牛の子宮捻転において, 患牛の後肢を吊り上げて, 降ろすことにより容易に捻転を整復することができた. 捻転方向を上にして牛を寝かせ, 両後肢の球節の直上をロープで結束し, トラクターで後躯を約1m吊り上げた後に, 術者は産道より胎子を把握しながら静かに降ろすことにより捻転を整復できた. 全例とも無麻酔下で行った. 3年間, 35例の子宮捻転に対して本法を試み, 29例は本法のみで整復でき, 23例の胎子が生きて生まれた. 28例は左方捻転, 7例は右方捻転であった. 母体回転法を併用したのは6例で, そのうち5例の胎子が死亡していた. 捻転整復後, 分娩まで24時間以上経過した4例の胎子はすべて死亡していた. 整復中および整復直後, 全例の母牛に異常は認められなかった. 本法は短時間かつ少人数で実施可能であり, 体力も必要としないことから, 臨床的応用価値が高いと思われた.
  • 堀 高夫, 伊藤 雅紀
    日本林学会誌
    1974年 56 巻 8 号 297-302
    発行日: 1974/08/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
  • *菅原 至
    日本地理学会発表要旨集
    2023年 2023s 巻 402
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/06
    会議録・要旨集 フリー

    1.問題の所在  

     日本は第二次大戦の敗戦により小笠原諸島の施政権を喪失した.米国施政権下(1945-1968)の小笠原諸島では先住者である欧米系・太平洋系世帯のみが居住を認められ,日系島民は施政権返還まで居住が許されなかった.施政権返還後の小笠原村民は,住民行政上「在来島民」「旧島民」「新島民」の3者に区分されるが,「在来島民」は米国施政権下の父島に居住していた人々を,「旧島民」は戦前に小笠原諸島に居住していた日系世帯を指す.「新島民」は返還以降に父島・母島に移住した人々である. 「在来島民」の歴史経験や「新島民」の移住に関する研究には一定の蓄積がみられ,戦後に難民化した「旧島民」の生活や帰島・補償運動については石原(2013; 2019)に詳しい.しかし「旧島民」の返還前後の活動や帰島後の生活については詳らかになっていない.そこで,本研究は故郷喪失を経て帰島し,島内に定住した「旧島民」の経験を明らかにすることを目的とする.手法としては,南方同胞援護会の刊行物等の分析と,聞き取り調査を用いた.

    2.返還以前の「旧島民」の動向

     強制全島疎開以降,難民化した「旧島民」は,東京都(島嶼部を含む),神奈川県,静岡県を中心に全国43都道府県および沖縄(大東諸島)に離散した(南方同胞援護会編 1966).帰島を待つなかで「旧島民」は経済的に困窮し,1953年の東京都による「小笠原島引揚民の生活状況調査」では全体の85%が困窮者とされている.いつ帰島が許可されるか見通しが立たない状況のため,現住地への資本の投下が困難であったことも困窮の要因となった(犬飼・橋本 1969).総理府が返還直前に全国の「旧島民」を対象に実施した悉皆調査では,帰島希望者は回答者全体の68%にのぼり,島別の内訳は父島2,276名,母島1,424名,硫黄島395名であった.

    3.返還時の諸島内の状況と課題

     戦前の小笠原諸島には, 5つの行政村(父島: 大村・扇村袋沢村,母島: 沖村・北村,硫黄島: 硫黄島村)が設置されていたが,米国施政権下では父島大村のみが居住地として利用され,その他の集落は放棄されていた.「旧島民」の帰島に際しては,住宅や上下水道,電気等のインフラ整備が喫緊の課題であった.そのため,小笠原返還をもって「旧島民」の帰島が実現したわけではなかった.特に米軍が駐留しなかった母島は,全島が亜熱帯の植物に覆われたため再開拓が求められ,定住には返還から5年の歳月を要した.

    4.「旧島民」の帰島・定住の過程

     返還後に帰島を果たした「旧島民」は,主に戦前の生活の記憶を持つ40代以上であり,少数の若者は親の意志に応えて随伴した島外育ちの戦後世代であった.帰島時期に着目すれば,同じ「旧島民」にも従事する職種により差異がみられた.例えば,漁業者は農業者よりも帰島・定住が早く,その要因としては以下の3点が指摘できる.第1に,米国施政権下の父島では,「在来島民」がグアムに冷凍魚を輸出していたため,最低限の港湾設備が整っていたこと.第2に,漁業者は,返還以前から返還後の漁協設立に向けて「在来島民」の漁業者と接触していたこと.第3に,戦前の農地が密林に戻っていたため,農業者としての定住を希望した人々は生業基盤の整備に時間が掛かったことである. これに対し,帰島が果たされなかった「旧島民」も存在する.一部の硫黄島出身者は父島・母島に移住し帰島を待ったが,現在まで帰島は実現していない.また,小笠原復興計画では,インフラ集約を目的として「一島一集落」が基本方針とされ,父島大村地区と母島沖村地区の優先整備が行われた.そのため,他集落出身者は帰島できても帰郷できない状況が続いた.本発表では,以上のような文書資料から得られた「旧島民」の帰島・定住の過程を,聞き取り調査の結果と照らし合わせることで,生きられた経験として論じる.

    文献

    石原 俊 2013.『〈群島〉の歴史社会学――小笠原諸島・硫黄島,日本・アメリカ,そして太平洋世界』弘文堂.

    石原 俊 2019.『硫黄島』中央公論新社.

    犬飼基義・橋本 健 1969.『小笠原――南海の孤島に生きる』日本放送出版協会.

    南方同胞援護会編 1966.『小笠原関係実態調査書元居住者名簿編』南方同胞援護会.

    [付記] 本研究は「

    阿部英雄
    史学地理学科研究奨励金」および 「明治大学大学院生研究調査プログラム」の補助金を使用した.

  • 山下 和人, 笹 ゆか, 池田 博司, 泉澤 康晴, 小谷 忠生
    日本獣医師会雑誌
    1996年 49 巻 10 号 709-713
    発行日: 1996/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    キシラジ-ケタミンで麻酔導入したホルスタイン種雌成牛9頭中3頭に0.2%ケタミン溶液 (対照群), 6頭に1%グアイフェネシン-0.2%ケタミン-0.005%キシラジン混合液 (GKX群) を持続点滴投与して60分間麻酔維持した. 麻酔終了後, GKX群の3頭に総キシラジン投与量1.0mg当たりアチパメゾール0.25mg, 対照群にトラゾリン1.0mg/kgを静脈内投与した. GKX群の総麻酔維持液投与量は対照群のほぼ半量であった. 両群ともに心拍数と動脈血圧は良好に維持されたが, 呼吸性アシドーシスと低酸素血症が認められた. 平均起立時間は対照群では30分, GKX群ではアチパメゾールを投与しない3頭で63分, 投与した3頭で9分であった.
  • 田口 清, 石田 修, 鈴木 隆秀, 北島 哲也, 高田 秀文, 高橋 功, 松尾 直樹, 工藤 克典, 岩田 一孝, 園中 篤, 安里 章
    日本獣医師会雑誌
    1990年 43 巻 11 号 793-797
    発行日: 1990/11/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    子牛の腰の感染症50例に対して手術を実施した. これらの腰の感染症は腹腔外の臍および臍帯の感染と腹腔内の遺残腰帯の感染に分けられた. 前者では臍の膿瘍形成, 慢性の臍炎, 臍炎または臍膿瘍と臍ヘルニアの合併, 後者では膀胱と交通しない, あるいは交通する尿膜管の感染, 臍動脈の膿瘍形成, 肝と交通しない, あるいは交通する腰静脈の感染, および尿膜管と臍静脈両方の感染に分類された. 肝と交通する臍静脈の感染では14例中5例のみ治癒したが, その他では全例治癒した. 腹腔深部の触診に加えて陽性造影によるX線検査や超音波検査は腹腔内の遺残臍帯や腹部臓器への感染波及の診断に有用であった.
    子牛の腰の感染症では感染菌の検査をしながら感染を十分コントロールして摘出手術を実施すれば良好な成績が得られると考えられた. 肝と交通する臍静脈の感染では肝感染の早期診断と治療法の検討が必要である.
  • 宮本 文幸
    経営行動科学
    2011年 24 巻 2 号 93-107
    発行日: 2011年
    公開日: 2013/07/22
    ジャーナル フリー
    The cosmetics market in Japan has been said to be mature for a long time. Many new companies enter this market every year and try to succeed. So the top companies' market shares are decr The purpose of this paper is to analyze the usage of the method named "Sensibility-to-mind type packaging" developed by the author. This method contains some rules and techniques for acquiring new demand by creating a new product category and many personal communications. We consider this theme from point of view of the famous marketing theories, the evidence from some cases where the author was involved and a hypothesis about the mechanism causes word of mouth from "Sensibility-to-mind type packaging".
  • 小向 慎太郎, 植木 匡, 石塚 大, 若桑 隆二
    日本外科系連合学会誌
    2005年 30 巻 5 号 795-798
    発行日: 2005/10/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    特発性大網捻転症の1例を経験しその成因と素因に関係した興味ある所見がえられたので報告する。症例は49歳男性で急性腹症の診断にて入院した。発熱, および臍周囲に強い圧痛と筋性防御を認め, また腹部CT検査にて渦巻き状の層構造を呈する腫瘤を認めたため腸重積症の診断にて手術を施行した。術中所見では大網が時計方向に5回転捻転し大部分が壊死に陥っていた。大網の横行結腸付着部は横行結腸中央部やや左側寄りにて約10cmのみであった。本症例では腹痛の出現の数日前から過度の腹筋運動をしていたことが判明した。そのため急激な体位変換と大網の不完全固定が大網捻転の成因であった可能性が考えられた。特発性大網捻転症は術前診断が困難とされているが腹部CT検査にて渦巻き状の層構造を呈する腫瘤を認めた時は本疾患も鑑別にいれておくべきであると考えられた。
  • 池田 太郎, 金子 十郎, 臼井 亮平, 朴 英智, 阿部 英雄, 福澤 正洋
    日本臨床外科学会雑誌
    2000年 61 巻 8 号 2170-2173
    発行日: 2000/08/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    症例は37歳,女性.平成3年12月13日当院検診センターにて超音波検査上,胆管拡張を指摘され当院受診.外来にて諸検査施行し,またERCP目的で他院にて入院検査した.その結果,総胆管良性腫瘍を疑い,手術目的にて平成4年2月20日入院となった.
    同年3月12日胆嚢摘出術および総胆管切開嚢胞切除, T-tubeドレナージ術施行.病理組織学的には一層の円柱上皮よりなる真性嚢胞で悪性所見は認められなかった.術後経過は良好で4月23日退院となり,現在まで再発の兆候は認めていない.
    本疾患における本邦報告例は渉猟し得た限り,剖検例を含む8例しかなく,非常に稀な1例であると考え報告した.
  • 峯岸 裕, 塚正 泰之, 三明 清隆, 島崎 司, 今井 千春, 杉山 雅昭, 信濃 晴雄
    食品衛生学雑誌
    1995年 36 巻 3 号 442-446_1
    発行日: 1995/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    真空包装スモークサーモンの貯蔵性に影響すると考えられる食塩含量, aw,生菌数及び細菌叢について, 5企業の製品を調査した. 各社の平均食塩含量は, 2.02%から2.80%の範囲内であった. 平均awは1企業を除き0.97以上で, 生サーモンに近い値を保持していた. 凍結販売された製品の低温細菌数は, 大半が104CFU/g台又はそれ以下であったのに対し, 非凍結販売された製品の低温細菌数は, 大半が105CFU/g台又はそれ以上であった. 乳酸菌は73%の製品で微生物叢の50%以上を占めた. スモークサーモンの貯蔵中の変敗に関係していると考えた Enterobacteriaceae も67%の製品から検出され, 広く分布していることが確認された.
  • 松尾 定憲, 天野 定雄, 櫻井 健一, 榎本 克久, 阿部 英雄, 小倉 道一
    日本外科系連合学会誌
    2006年 31 巻 2 号 175-178
    発行日: 2006/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は16歳女性。15歳頃より神経性食思不振症を指摘され, 拒食と過食を繰り返していた。過食し, 通常は自ら嘔吐していたが, 来院前日過食後は嘔吐できず腹痛出現したため, 近医受診し加療目的に当科へ紹介受診となった。来院時, 腹部は著明な膨満を認め圧痛, 腹膜刺激症状を認めた。腹部単純レントゲン, 腹部CT検査では大量の残渣のため骨盤腔まで拡張した胃を認め, 少量の腹水も認めた。経鼻胃管を挿入するも内容の吸引が不十分であった。以上より急性胃拡張, 胃穿孔の疑いにて緊急手術を施行した。開腹所見としては残渣による著明な胃の拡張を認め, 広範囲に筋層の断裂を認めた。胃内容をドレナージし, 筋層の断裂は漿膜筋層縫合にて修復した。術後経過良好なため術後16日目に経口飲水開始し, 術後25日目より経口摂取開始した。その後も全身状態良好で術後32日目に退院となった。
  • 石部 良平, 田中 紘輝, 山田 和彦, 石崎 直樹, 西村 明大, 吉嶺 巡, 平 明, 松元 淳
    日本消化器外科学会雑誌
    1992年 25 巻 9 号 2421-2425
    発行日: 1992年
    公開日: 2011/08/23
    ジャーナル フリー
    脾内に発生した膵仮性嚢胞の2手術治験例を経験した. 症例1は27歳の男性で, 約10年間の飲酒歴を有していた. 術前診断は脾嚢胞で開腹したが, 膵尾部の強い炎症性癒着を認め膵尾部・脾合併切除術を施行した. 嚢胞内容液のアミラーゼ値が63,600So.Uと高値を示し, また病理組織学的にも脾内膵仮性嚢胞と診断された. 症例2は40歳の男性で, 飲酒歴は約20年であった. 術前, 腹部エコーなどにより脾内嚢胞を発見され, エコーガイド下に穿刺ドレナージが施行された. 嚢胞内容液のアミラーゼ値が162,780So.Uと高値であったため, 脾内膵仮性嚢胞と診断し, 膵尾部・脾合併切除術を施行した. 本症はまれな疾患で, 本邦では教室例を含めて27例の論文報告をみるのみである. また, 嚢胞穿刺により本症を診断しえたものはわれわれの1例を含めて3例のみである. 本症の治療として膵尾部・脾合併切除術が第1選択である.
  • 堅野 国幸, 五明 良仁, 山代 豊, 松井 孝夫, 岸本 弘之, 日野原 徹
    日本臨床外科学会雑誌
    1999年 60 巻 12 号 3312-3316
    発行日: 1999年
    公開日: 2012/08/03
    ジャーナル フリー
    症例は51歳,男性.シートベルトを着用して低速で乗用車を運転中,前方を走行中の他車に追突した.約1カ月後より左季肋骨から背部にかけての鈍痛を自覚,次第に増強し当院を受診,入院となった.腹部超音波検査では,脾下極および膵尾部に各々径約6cm,約2cmでいずれも内部が均一な低エコーの腫瘤が認められた.ERPでは膵尾部に直径約2cmの造影剤貯留が認められた.さらにCT,MRI検査などにより,脾および膵嚢胞と診断した.膵尾部切除および脾摘術を施行した.病理組織検査では脾および膵の嚢胞はいずれも仮性嚢胞でヘモジデリンの沈着があり,出血が示唆された.仮性嚢胞の発症に外傷が重要な役割を担うとされており,本例は追突時のシートベルトによる圧迫が発症原因と推測され,軽微な事故であっても経過観察上,注意を要すると考えられた.
  • 齊藤 美佐子, 青木 正紀, 金子 菜穂, 早川 純子, 西成田 進
    臨床リウマチ
    2007年 19 巻 1 号 61-67
    発行日: 2007/03/30
    公開日: 2016/12/30
    ジャーナル フリー
        A 64-year-old man was diagnosed with MPO-ANCA-related systemic vasculitis in March, 2004, because of multiple mononeuropathies, an interstitial pneumonia, a rapidly-progressive glomerulonephritis which was demonstrated by a biopsied-specimen from kidney. High dose intraveneous methylprednisolne bolus-therapy following an oral prednisolone were transiently effective. In August, 2004, the serum level of MPO-ANCA elevated again, and a macular purpura appeared in both arms. A hundred mg/day of oral cyclophosphamide was added to the prednisolone. In February, 2005, he was re-admitted to our hospital because of muscle weakness of extremities mainly in the left arm and leg. Laboratory examination showed a pancytopenia, high serum levels of ferritin (more than 3000μg/ml) and of MPO-ANCA. Bone marrow-aspirated smear showed a number of hemophagocytosis by macrophages. His general status worsened with continuous pyrexia and a decreased level of consciousness. He died in April, 2005, in spite of the treatments including several antibiotics and anti-fungal agents. An abscess formation in the right frontal lobe demonstrated by the autopsy seemed to be responsible for his final outcome. Histologically, the narrowing of lumen and thickening of small vessels in several organs such as kidneys and lungs were observed.
        In this case, the serum levels of cytokines such as INF-γ, TNF-α, which play an important role for the pathogenesis of hemophagocytic syndrome were undetectable. On the other hand, the serum levels of IL-6, IL-10 and soluble IL-2 receptor were high. These cytokine profiles were compatible with those in compensatory anti-inflammatory response syndrome (CARS) which reflects a cachexic condition but not systemic vasculitis nor hemophagocytic syndrome.
  • 佐藤 正人, 伊東 大輔, 山中 英治, 小切 匡史
    日本小児外科学会雑誌
    2000年 36 巻 6 号 924-927
    発行日: 2000/10/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    特発性大網捻転症はまれな疾患で, 成人例の報告は散見されるが小児例の報告は極めて少ない.症例は9歳男児.右下腹部痛を主訴に近医を受診し, 急性虫垂炎の疑いで当科を紹介された.身長135cm, 体重40kg(肥満度+25%)で発熱もなく全身状態は良好であった.右下腹部に圧痛を伴う腫瘤を触知した.反跳痛を認めたが筋性防御は陰性であった.血液生化学検査ではCRPの上昇を認めたが白血球上昇は認められなかった.急性腹症の診断にて開腹したところ, 右上腹部に少量の血性腹水を認めた.この部位で大網が180度捻転を来しており, 捻転部大網は壊死に陥っていた.健常部にて大網を切除し, 手術を終了した.今後肥満児においては急性虫垂炎の鑑別診断のひとつとして特発性大網捻転症を考慮する必要があると考えられた.
  • 大石 康介, 落合 秀人, 柏原 貴之, 山本 尚人, 大石 俊明
    日本臨床外科学会雑誌
    2005年 66 巻 10 号 2558-2563
    発行日: 2005/10/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は47歳,男性.平成14年7月,検診にて肝酵素の軽度上昇あり超音波検査を施行し,脾内に最大径50mm迄の多発嚢胞を認めた.以後画像検査で経過観察され,増大傾向は認めなかった.平成15年4月,左上腹部痛を主訴に来院し,腹部超音波検査で脾臓に接する後腹膜側に血腫を認めたが,このとき特に外傷,打撲などはなかった.腹部造影CTでは脾門部に平成14年12月のMRIに比べ増大した脾嚢胞と嚢胞内出血を認め,脾被膜下の出血がみられた.特発性脾嚢胞破裂と診断し,翌日のCTで病変部の悪化はなく保存療法としたが,腹痛の増悪があり,開腹下に手術を施行した.脾被膜下の血腫は膿瘍状の腔を形成し,脾門部から後腹膜,膵尾部に繋がっており,膵尾部との剥離は困難であった.このため術式を脾摘,膵尾部切除とした.病理組織診断では,脾嚢胞は膵由来の仮性嚢胞であった.本症例は慢性膵炎による脾内膵仮性嚢胞が脾臓に穿破して脾破裂を起こしたと考えられた.
  • 尾形 章, 大野 一英, 升田 吉雄, 遠藤 文夫, 増田 益功, 小幡 五郎
    日本臨床外科学会雑誌
    1999年 60 巻 9 号 2400-2404
    発行日: 1999/09/25
    公開日: 2009/08/24
    ジャーナル フリー
    症例は64歳の女性で上腹部異和感および腹部腫瘤を主訴に当院を受診し,上部消化管造影および内視鏡にて十二指腸癌と診断され入院した.入院時の血清AFP値は480ng/mlであり, AFP産生十二指腸癌の診断にて開腹手術を行った.術中十二指腸球部を中心に腫瘍を認め,周囲および大動脈周囲リンパ節の腫大を伴った.胃癌取扱い規約に準じD4郭清を行い,膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本において3型の腫瘍が十二指腸球部を中心にあり一部膵頭部への直接浸潤を認めた.組織学的には中分化型腺癌で肝様腺癌様の明るい胞体を有する腫瘍細胞は認めなかった.また, AFP染色 (SAB法)にて腫瘍細胞の細胞質は茶褐色に染まった. AFP産生癌の報告例は増加してきているが,原発性十二指腸癌での報告は稀である.今回, AFP産生十二指腸癌の症例を経験したので文献的考察を含めて報告する.
  • 朴 英智, 金子 十郎, 阿部 英雄, 池田 太郎, 臼井 亮平, 福澤 正洋
    日本臨床外科学会雑誌
    1999年 60 巻 3 号 811-816
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    特発性大網捻転症の本邦報告は43例と稀な疾患である.今回われわれは特発性大網捻転症の1例を経験したので報告する.症例は78歳,男性.ゲートボール中に大腹部痛出現し,腸閉塞の診断にて他院入院するも右側腹部痛・腹部膨満感持続し当院紹介入院となる.腹部超音波検査にて胆嚢胆石・総胆管拡張および右側腹部に6×2.5cmの内部low echoicな楕円状の腫瘤を認め急性虫垂炎・限局性腹膜炎の診断のもとに緊急手術を施行した.虫垂は炎症所見に乏しく淡血性の腹水を中等量認めたため,虫垂切除後に腹腔内を検索すると,臍上部腹膜に暗褐色調の大網腫瘤の癒着を認めた.大網腫瘤の頸部に右方向2.5回の捻転を認め,健常部を含め捻転部以下の大網を切除した.病理所見では,脂肪組織全体の急性循環障害を認めた.
    自験例を含めた本邦報告44例について文献的考察を加え検討した.
  • 大和 弥寿
    日本食品低温保蔵学会誌
    1993年 19 巻 4 号 222-224
    発行日: 1993/12/28
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
  • 田中 剛史, 我山 秀孝, 大内 由雄, 一色 教幸, 山際 裕史
    日本消化器病学会雑誌
    2000年 97 巻 10 号 1272-1277
    発行日: 2000/10/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    hepatoid adenocarcinoma(肝様腺癌)は,その多くは胃において発生し,十二指腸における報告例はまれである.今回我々はAFP高値をともなった十二指腸肝様腺癌の1例を経験した.腫瘍は十二指腸球部原発と考えられ,組織学的にtrabecular patternを認め,抗AFP染色陽性であった.肝への遠隔転移は認めなかったが,膵および肝門部への浸潤を認め,急速に全身状態が悪化した一因と考えられた.
  • 南 光昭, 青木 洋三, 植阪 和修, 平林 直樹, 榎本 勝彦, 嶋本 哲也
    日本臨床外科学会雑誌
    2000年 61 巻 3 号 798-802
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    大網捻転症は大網が捻転し,その末梢が血行障害に陥るものであり,比較的稀な疾患である.今回われわれは捻転を起こす病因がない特発性大網捻転症2例を経験したので報告する.症例1:40歳,男性.急性虫垂炎の診断にて開腹したところ,漿液血性の腹水が大量に貯留し,大網の一部が時計方向に5回捻転し,末梢側は壊死に陥っていた.症例2:70歳,女性.便秘にて,下剤を服用したところ,右下腹部痛が出現し,急性虫垂炎と診断した.手術所見は大網の一部が時計方向に3回捻転し,壊死に陥っていた.誘因としては症例1は,会社員で仕事中に回転椅子で体を捻転する事が多く,急激な体位変換が一誘因として関与した可能性も考えられた.症例2では下剤の服用による,腸蠕動の充進が誘因と考えられた.急性虫垂炎との鑑別は難しいが,右下腹部痛を主訴とする急性腹症の場合本疾患も考慮に入れる必要がある.
feedback
Top