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クエリ検索: "黒田百合"
56件中 1-20の結果を表示しています
  • ―原因,症状,評価(スクリーニング,臨床評価)とリハビリテーションの考え方―
    藤島 一郎
    The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
    2013年 50 巻 3 号 202-211
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/05/31
    ジャーナル フリー
    Dysphagia is a syndrome associated with many diseases and is emerging as a big problem in the Japanese aged society. It is important to observe the symptoms and realize the causes of dysphagia. Swallowing disorders are often caused by organic etiology such as tumors and traumas, but many patients suffer from functional disorders after stroke and neuromuscular diseases. Nasogastric tube placement and medications can also iatrogenically cause swallowing problems. When making a diagnosis, it is important to understand the mechanisms and signs of pseudobulbar palsy and bulbar palsy. Whereas bulbar palsy occurs following a lesion in the brain stem swallowing center, pseudobulbar palsy relates to bilateral corticobulbar tract damage. Interestingly, some clinicians report that dysphagia can be caused by unilateral cortical lesions including lesions in the insular cortex. To detect dysphagia, questionnaires and screening tests are helpful, as are water swallow tests, RSST, cervical auscultation and so on, but clinical observation of the swallowing session is most valuable. Videofluoroscopic and videoendoscopic examinations are required for precise diagnosis and further management. To know the gap between the capability function and performance state of swallowing, it is good to establish treatment goals. It is also important to know if the disease is progressive or not. For patients with progressive disease such as ALS, compensatory management should be a priority. We use functional training including muscle strengthening and swallowing technique for non progressive disorders. Medical treatments using ACE inhibitors and so on are options which might be effective to prevent aspiration pneumonia, and also, surgical treatments such as cricopharyngeal myotomy and laryngeal suspension are indispensable in treating patients with severe dysphagia.
  • 遠山 牧, 栗田 浩, 遠山 周明, 倉科 憲治
    信州医学雑誌
    2008年 56 巻 4 号 195-198
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/11/30
    ジャーナル フリー
    We report a case of a carcinoma of the oral floor with post-operative dysphagia which improved with a palatal augmentation prosthesis.
    An 82-year-old man was hospitalized because of swelling and pain of the oral floor and dysarthria. He underwent an operation for removal of the tumor one month after the first visit.
    Although he started water-drinking training on the seventh postoperative day, he had a swallowing disorder. He had a videofluoroscopic (VF) examination which showed that the swallowing disorder was caused by an inability to contact the palate with the tongue. Therefore we made a palatal augmentation prosthesis to improve his swallowing function. He received a videofluoroscopic (VF) examination again, which demonstrated an increase in the area and time of linguopalatal contact during swallowing. He became able to expectorate and to swallow pasty substances.
  • 伊原 良明, 小池 丈司, 野末 真司, 湯浅 研, 原田 由香, 髙橋 浩二, 丸山 文恵, 桐原 仁子
    老年歯科医学
    2016年 30 巻 4 号 388-392
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2016/04/23
    ジャーナル フリー
     老人福祉施設において適切に食事介助を行うことは重要であり,適切な食形態,栄養摂取経路の選択は考慮する必要があると考えられる。今回われわれは,東京都世田谷区立特別養護老人ホームにおける施設と地域歯科医師会歯科医師(かかりつけ歯科医)との連携について調査したので報告する。 対象:嚥下障害の診断にて,かかりつけ歯科医が昭和大学歯科病院口腔リハビリテーション科に嚥下機能検査の依頼をした施設入居者。 検査,対応法の決定:かかりつけ歯科医,歯科衛生士が口腔内診査,口腔機能検査を施行し,口腔衛生管理の指導,機能訓練を行う。施設栄養士が必要な食形態を用意し,関係者の立ち会いの下,当科が嚥下内視鏡検査(VE)を施行する。検査結果および訓練,食形態はその場で指導し,それを基に職員がミーティングを行う。2 カ月に 1 度食事観察に当科歯科医師が立ち会う。 アンケート:かかりつけ歯科医,施設職員に対し摂食嚥下障害を疑う症状,摂食嚥下障害の対応で悩む点,VE の利点,欠点について調査を行った。 結果:嚥下障害を疑う症状,対応で悩む点の両方で「むせる」という回答が最も多く,VE の利点は貯留状態がわかる,誤嚥の有無がわかることが多かった。欠点は嚥下に対する理解が十分でなくわからないところがあることが挙げられた。 考察:本結果より摂食嚥下障害に対する医療連携を行うためには,介助者に対する知識,技能の指導,向上が必要であることが示唆された。
  • 曽根 翠, 吉野 綾子, 川原 ゆかり, 武田 佳子, 浜口 弘, 江添 隆範, 西條 晴美, 荒木 克仁, 倉田 清子
    脳と発達
    2016年 48 巻 6 号 434-438
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/11/09
    ジャーナル フリー

     鼻腔栄養は簡便な経管栄養法として広く用いられている. 我々はビデオ内視鏡嚥下機能検査により鼻腔栄養チューブに起因すると考えられた喉頭蓋潰瘍を発見し, チューブ挿入方法の変更により改善することができた重症心身障害者3例を経験したので報告する. 症例の年齢は25歳, 39歳, 55歳で, すべて男性であった. 全例に高度の筋緊張亢進があり, 2例は高度側彎, 1例は胸椎前彎が見られた. 全例が人工呼吸器管理を受けていた. 高度側彎例は咽頭の変形も高度で, 鼻腔栄養チューブが喉頭蓋喉頭側面を斜走していた. 胸椎前彎例は栄養チューブが喉頭気管分離術を行った気管の盲端内でとぐろを巻いていた. 潰瘍は全例喉頭蓋喉頭側に形成されていた. 潰瘍形成の原因は, 高度側彎例では咽頭の変形, 胸椎前彎例では栄養チューブの気管侵入と考えられた. 栄養チューブの挿入方法を変更することにより, 全例で潰瘍は軽快した. 高度な脊柱側彎が見られる例, 高度の緊張が持続的に見られる例で鼻腔栄養チューブを使用する場合には, ビデオ内視鏡嚥下機能検査を実施して, 栄養チューブが喉頭蓋を傷つけないように挿入できる方法を確認しておくことが必要と考える.

  • 高橋 浩二
    Dental Medicine Research
    2010年 30 巻 3 号 253-258
    発行日: 2010/11/30
    公開日: 2013/03/26
    ジャーナル フリー
    舌接触補助床 (palatal augmentation prosthesis: PAP) は上顎に装着する口蓋部を肥厚させた形態の装置で, 舌癌, 口底癌などの切除術, 再建術後の舌運動障害患者に用いられるほか, 脳血管障害, 神経筋疾患に起因する舌運動障害患者などに適用される. 本装置は平成22年度診療報酬改訂により新規の摂食・嚥下リハビリテーション医療技術として保険収載され,「 嚥下機能療法にともなう舌接触補助床とは, 脳血管疾患や口腔腫瘍等による摂食機能障害を有し, 摂食機能療法を現に算定している患者に対して舌接触状態等を変化させて摂食・嚥下機能の改善を目的とするために装着する床または有床義歯形態の補助床をいう. 」と解説されている.
    平成21年度に当科において製作した舌接触補助床は43例であり, 当科の補綴物としては顎義歯44例に次いで多い.本稿では当科における舌接触補助床の作製法, 評価ならびに機能改善効果について概説する.
  • 河﨑 寛孝, 本村 千春, 山田 理恵子, 藤田 聡美, 飯田 英子, 坪川 操, 山口 昌夫
    日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
    2008年 12 巻 3 号 223-232
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2021/01/23
    ジャーナル フリー

    【目的】摂食・嚥下障害患者の咽頭残留に対しては,窒息・肺炎等のリスクを軽減する為,さまざまな除去法を用いるがその効果を確認した報告は少ない.今回,市販の嚥下困難者用ゼリー(エンゲリード®アップルゼリー)を用いた交互嚥下を嚥下造影検査時に実施し,咽頭残留の除去効果について検討した.

    【対象と方法】対象は,粘度の異なる3種類の模擬食品(ハチミツ状,ヨーグルト状.液状)のうち,1種類以上で咽頭残留を認め,本ゼリーを摂取し交互嚥下を行った摂食・嚥下障害患者とした.咽頭残留除去効果は,模擬食品毎に,本ゼリー摂取前後の喉頭蓋谷,梨状窩残留の程度を,4段階スコア(多量残留,少量残留,付着残留,なし)にて,評価した.

    【結果】試験を実施した症例は28例であった(平均年齢:73.2歳,原因疾患:脳梗塞15例,脳出血7例,誤嚥性肺炎4例,その他2例). 模擬食品が大量残留し,梨状窩からの誤嚥が続いたため,試験を中止した症例が1例あった.本ゼリー摂取後,全ての模擬食品にて,喉頭蓋谷残留に対しては,60%~72%,梨状窩残留に対しては,75%~100%の症例で残留スコアの改善が得られ,統計学的有意差が認められた(Wilcoxon signed-rank test). 本ゼリーが原因と考えられる,むせ・湿性嗄声・酸素飽和度低下・発熱などの有害事象は発現せず,臨床上問題となる事例はなかった.

    【考察】本ゼリーを用いた交互嚥下は,粘度の異なる3種の模擬食品すべてにおいて,喉頭蓋谷および梨状窩残留の除去に高い効果を示した.このことから,本ゼリーを用いた交互嚥下は,多様な粘度をもつ嚥下調整食品の経口摂取によって生じる,咽頭残留の危険性を軽減する方法として有用であることが示唆された.

  • 大塚 博之, 河上 祐一郎, 篠﨑 雅人, 川畑 博, 山中 太郎
    日本老年医学会雑誌
    2023年 60 巻 4 号 382-389
    発行日: 2023/10/25
    公開日: 2023/12/28
    ジャーナル 認証あり

    目的:医療療養病棟における内服薬剤について「慎重な投与を要する薬物」(PIMs)の使用,嚥下機能とADL区分を指標にした薬剤数について検討した.方法:2019年11月から12カ月間に連続して入棟した124症例(男性58名,女性66名)を対象に,内服薬剤を療養病棟に入棟時から2021年10月まで前向きに調査した.自施設からの入棟例は急性期病棟に入院時の薬剤についても検討した.療養病棟での栄養経路とADL区分を定量的に評価し,それぞれの内服薬剤数を統計解析した.結果:内服薬剤数の平均は入院時5.8剤,入棟時4.4剤,退棟時4.8剤であった.内服薬剤の約3割がPIMsに該当し,抗血栓薬(抗血小板薬,抗凝固薬),利尿薬,糖尿病薬,緩下剤の酸化マグネシウム,睡眠薬・抗不安薬,抗精神病薬が多かった.このうち療養病棟で中止したものは酸化マグネシウム,抗精神病薬,睡眠薬・抗不安薬が多かった.内服薬剤におけるPIMsの割合は,入院時35.1%,入棟時28.8%,退院時24.3%と有意に低下した(P<0.01).退棟時の内服薬剤数は,栄養経路別に経口摂取で5.5剤,経腸栄養で3.6剤,末梢・中心静脈栄養で0.7剤,ADL区分別にADL区分1で6.0剤,ADL区分2で5.8剤,ADL区分3で3.8剤となった.結論:PIMsの使用は,療養病棟から退棟時には入院時,入棟時と比較して減少したが,薬剤の種類により調整の内容は異なっていた.嚥下機能およびADL区分の低下により,内服薬剤数は少なくなることが示された.

  • 西村 立, 藤島 一郎, 稲垣 倫子, 片桐 伯真, 黒田 百合, 佐藤 友里, 橋本 育子, 重松 孝
    耳鼻と臨床
    2008年 54 巻 6Supplement2 号 S135-S139
    発行日: 2008/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    甲状腺中毒性ミオパチーにより嚥下障害を呈した症例を経験した。症例は56歳,女性。2007年9月に突然の呼吸停止,心室細動に対して挿管,蘇生措置が行われ,入院加療された。検査によりバセドウ病と確定診断された。抜管後ミキサー食の摂食が開始されたが,誤嚥性肺炎で絶飲食となり,その後リハビリテーション科による嚥下障害の治療が開始された。検査より甲状腺中毒性ミオパチーが原因の嚥下障害と考えられた。嚥下造影を施行し,咽頭収縮,食道入口部開大不良のため食塊は食道入口部を通過困難で残留した。その場でバルーン法を行い,左梨状窩から食道入口部の通過で改善があり即時効果を認めた。その後バルーン訓練,摂食訓練を継続し,最終的に普通食摂食可能となった。甲状腺中毒性ミオパチーによる嚥下障害に対してバルーン訓練は初めて行ったが,有用であると考えられた。
  • 脇本 仁奈, 松尾 浩一郎, 河瀬 聡一朗, 隅田 佐知, 植松 紳一郎, 藤井 航, 馬場 尊, 小笠原 正
    老年歯科医学
    2011年 26 巻 1 号 3-11
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/14
    ジャーナル フリー
    頸部回旋法の液体嚥下時の有効性についての報告はあるが, 食物咀嚼時の嚥下前の食物通過への影響は明らかになっていない。また, どの程度の頸部回旋角度が代償手技として有効であるかは不明である。今回われわれは, 咀嚼嚥下時に頸部回旋角度を変化させ, 嚥下までの咽頭での食物通過側の変化について検討した。
    若年健常者22名が頸部回旋し, 液体バリウム5 mlとコンビーフ4 gを同時に摂食した時の咽頭での食物の流れを経鼻内視鏡にて記録した。頸部回旋角度は, 正中, 左右各30度, 最大回旋位の5角度とした。嚥下までの舌根部, 喉頭蓋谷部, 下咽頭部での食物先端の流入側および嚥下咽頭期直前の咽頭での食物の分布を同定し, 食物通過の優位側について解析した。
    喉頭蓋谷部では, 頸部回旋側の食物通過の割合が増加する傾向がみられた一方で, 下咽頭部では非回旋側での食物通過の割合が増加する傾向を示した。嚥下開始直前でも, 食物は, 喉頭蓋谷部では回旋側と正中部に多く存在していたが, 下咽頭では非回旋側に多く認めた。頸部回旋角度は30度と最大回旋で, 食物通過経路に有意差はなかった。
    食物咀嚼中, 頸部回旋すると喉頭蓋谷までは回旋側へ優位に流入するが, 頸部回旋による物理的な下咽頭閉鎖により, 食物が下咽頭へと侵入するときには反対側へと経路を変えることが示唆された。さらに, 姿勢代償法として頸部回旋法は, 最大回旋位まで頸部を回旋する必要性がない可能性が示された。
  • 医療
    1995年 49 巻 Supplement 号 719-722
    発行日: 1995/10/16
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 小池 純子, 浦上 祐司, 高橋 博達, 藤島 一郎, 佐藤 史江, 荒木 克仁, 山口 淳, 柳迫 康夫, 寺本 佳史, 内山 卓也, 中澤 公孝, 青木 昌弘, 永田 雅章, 松永 俊樹, 栢森 良二, 徳山 満, 赤居 正美, 志波 直人, 安東 範明, 伊藤 武哉, 宮下 暢夫, 佐々木 健
    リハビリテーション医学
    2003年 40 巻 Supplement 号 S293-S299
    発行日: 2003/05/18
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
  • 吉岡 昌美, 中江 弘美, 一宮 斉子, 天羽 崇, 高橋 侑子, 十川 悠香, 日野出 大輔
    口腔衛生学会雑誌
    2012年 62 巻 5 号 454-461
    発行日: 2012年
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル フリー

     近年,水分補給のためのゼリー状食品やとろみ剤などの嚥下補助食品が高齢者に広く利用されるようになってきた.そこで本研究では,これらの嚥下補助食品の摂取が口腔衛生状態にどのような影響を与えるのかを明らかにすることを目的とした.

     嚥下障害のない健常成人13名を被験者とし,クッキー,ゼリー状食品,とろみ剤で調整した水を単独あるいは2種類の組み合わせで摂取してもらった後,3 ml の水で洗口したときの吐出液の濁度を測定し食品の口腔内残留量を評価した.摂取の際には口に含む量,時間,嚥下回数,咀嚼の有無等に制限を加え,咀嚼嚥下が十分でない状況を設定した.その結果,クッキーの後にゼリー状食品やとろみ調整水を摂取すると,クッキーの口腔内残留が有意に減少することが示された.さらに,ゼリー状食品の一つを被検食品として咀嚼の有無や摂取量,摂取回数等の影響を調べたところ,咀嚼して食べると口腔内残留量が大幅に減少することが明らかとなった.以上のことから,口腔内残留の多い嚥下障害者の食事の最後にゼリー状食品やとろみ調整水を咀嚼して摂取することが口腔衛生状態の改善,さらには口腔内残留による誤嚥の予防につながる可能性が示唆された.加えてこのような食品による口腔清掃作用の効果を最大限に発揮するためには,食品の物性のみならず食べ方についても考慮する必要があることが示唆された.

  • 佐藤 友里, 藤島 一郎, 高橋 博達, 片桐 伯真, 大野 綾, 黒田 百合, 石橋 敦子, 西村 立, 橋本 育子
    耳鼻と臨床
    2007年 53 巻 6Supplement2 号 S89-S93
    発行日: 2007/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    症例: 57歳、男性. 椎骨動脈解離性動脈瘤により左延髄外側梗塞を発症し入院。第31病日に施行した嚥下造影では食塊が健側は不通過で患側の左輪状咽頭部のみを通過した. また食塊は常に患側へ送り込まれやすかった. 間欠的口腔食道経管栄養とともに、バルーン訓練と左側臥位・頸部右回旋の条件でゼリー食からの段階的摂食訓練を開始した. 第87病日に施行した嚥下造影では食塊が健側の右輪状咽頭部も通過するようになっており、輪状咽頭部通過側が両側通過へと変化した. Wallenberg症候群では一般に食塊は健側輪状咽頭部を優位に通過する症例が多いといわれているが、中には患側優位の症例も認める. また咽頭への送り込み側は健側優位といわれている. 今回両側へ食塊を誘導し通過側を確認したところ患側から両側通過へ変化した. Wallenberg症候群の摂食訓練を行う際には送り込み側と通過側の両者を考慮に入れる必要があると思われる.
  • 谷口 洋, 藤島 一郎, 前田 広士, 高橋 博達, 大野 綾, 黒田 百合
    耳鼻と臨床
    2006年 52 巻 1Supplement1 号 S71-S76
    発行日: 2006/01/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    水痘帯状疱疹ウイルス (varicella-zoster virus: VZV) による末梢神経障害は皮疹を伴うことが特徴だが、時に皮疹を欠くことがありzoster sine herpete (ZSH) として知られていろ。今回われわれはZSHにより嚥下障害を呈した一例を経験した。症例は 60歳女性で右耳痛後に嚥下障害が出現した。右舌咽迷走神経麻痺による嗄声と嚥下障害を認めたが、ほかの脳神経障害はなく、耳、咽喉頭に皮疹を認めなかった。嚥下造影検査は球麻痺のパターンを示した。髄液検査で細胞数と蛋白が上昇し、頭部MRIは正常であり、耳痛の存在からZSHを疑った。アシクロビルで耳痛と嚥下障害は著明に改善した。血清VZV抗体価は既感染のパターンで髄液VZV抗体価とVZV-DNAは陰性であったが、総合的にZSHと診断した。ZSHは検査上明らかなVZVの再活性化を示さないことがあり診断上の注意が必要である。痛みを伴う末梢神経障害ではZSHを積極的に疑う必要がある。
  • 植田 耕一郎, 向井 美惠, 森田 学, 菊谷 武, 相田 潤, 渡邊 裕, 戸原 玄, 中山 渕利, 佐藤 光保, 井上 統温, 飯田 貴俊, 和田 聡子
    老年歯科医学
    2010年 25 巻 2 号 123-130
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/05/10
    ジャーナル フリー
    摂食·嚥下障害に対する義歯型の補助具が, 舌, 頬, 口唇, 軟口蓋などの運動や感覚の補助, 安定した咬合位の確保, および咀嚼や嚥下機能の維持, 改善のために使用されている。しかし, 義歯型補助具の使用状況や適応患者がどの程度存在するかの実態は把握されていない。そこで歯科診療所3,000カ所, 歯学部付属病院29カ所, 一般病院歯科500カ所を対象に, 郵送法による質問紙自記入方式によって義歯型補助具に関する実態調査を行った。
    義歯型補助具作製の有無は, 歯学部付属病院および一般病院歯科の全体で, 「ある」が34.3%, 「ない」が65.3%であり, 歯科診療所全体では「ある」が3.0%, 「ない」が96.9%であった。補助具作製が行われない理由は「費用弁償がない」「補助具に関心がない」が上位であった。
    全国の義歯型補助具に関する臨床推計の結果, 必要な義歯型補助具のうち, 歯学部付属病院では4.5%, 一般病院歯科では53.8%, 歯科診療所では82.1%が作製されていなかった。義歯型補助具が適応とされる患者は年間16,368例であり, それに対して約11,922例に義歯型補助具が作製されていないことが推計された。さらに要介護高齢者214名を対象に摂食·嚥下機能の調査を行い, そのうちの2割ほどが義歯型補助具の対象になることが推察され, 器質的ばかりでなく, 脳卒中や認知症をはじめとする運動性の摂食·嚥下障害においても潜在的需要が少なからず存在することが示唆された。
  • 森田 晃司, 津賀 一弘
    日本補綴歯科学会誌
    2017年 9 巻 3 号 181-185
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/23
    ジャーナル フリー

     二次介護予防事業の一つとして口腔機能向上サービスがあり,高齢者でも簡単にできる口腔周囲筋を使うレクリエーションなどが行われている.しかしながら,そのサービスの利用は低迷している.日本老年歯科医学会が提案する口腔機能低下の診断基準の中で,舌圧の低下は,摂食・嚥下機能の低下および食事形態の劣化と関連すること,また舌接触補助床の装着や口腔機能向上プログラムの実施により改善されることが紹介されている.本稿では舌圧検査のこれまでのエビデンスを検討し,応用上のポイントを示すとともに,健康寿命の延伸に貢献できる可能性がある口腔機能向上プログラムへの応用と普及について提案する.

  • 藤島 一郎, 水野 雅康, 永長 周一郎, 中村 精一, 古村 泰, 木倉 敏彦, 原田 薫雄, 浦上 祐司, 薛 克良, 藤本 哲雄, 山中 崇, 稲川 利光, 太田 喜久夫
    リハビリテーション医学
    2003年 40 巻 Supplement 号 S199-S202
    発行日: 2003/05/18
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
  • 森 隆浩, 吉川 峰加, 吉田 光由, 菊谷 武, 小野 高裕, 津賀 一弘, 水口 俊介, 櫻井 薫
    老年歯科医学
    2019年 34 巻 1 号 86-93
    発行日: 2019/06/30
    公開日: 2019/07/24
    ジャーナル フリー

     目的:舌接触補助床(PAP)装着前後の舌圧の変化を明らかにすること。

     方法:全国の17施設においてPAPによる治療を行った摂食嚥下障害患者を後方視的に調査した。PAP装着前後ならびに再評価時の3回最大舌圧が測定されていたのは51例であり,これらを口腔腫瘍などの器質的障害群23例と脳血管疾患などの機能的障害群28例に分類した。PAP装着前後ならびに再評価時の最大舌圧の比較,PAP装着直後の即時的舌圧変化量と再評価時までの長期的舌圧変化量の関係を検討した。また,29例で測定されていた嚥下時舌圧の装着前後の変化についても検討した。

     結果:器質的障害群の最大舌圧は,装着前9.6±8.8 kPa,装着直後16.4±10.3 kPa,再評価時20.7±11.2 kPaと増加した(p<0.01)。また,即時的舌圧変化量と長期的舌圧変化量には強い正の相関を認めた(r=0.81,p<0.01)。機能的障害群の最大舌圧は,装着前12.1±7.0 kPa,装着直後15.5±8.0 kPa,再評価時18.7±7.7 kPaと増加しており(p<0.01),即時的舌圧変化量と長期的舌圧変化量には中等度の正の相関を認めた(r=0.51,p<0.01)。嚥下時舌圧もPAP装着前の3.0±3.5 kPaから装着直後の11.8±9.2 kPaに増加していた(p<0.01)。

     結論:最大舌圧は,PAP装着後に即時的および長期的に増加し,即時的効果が得られた者ほど長期的な効果も期待できる傾向を認めた。また,嚥下時舌圧もPAP装着により増加することが示された。

  • 内視鏡と探触子を用いた新しい喉頭感覚評価法
    石橋 敦子, 藤島 一郎, 高橋 博達, 片桐 伯真, 大野 綾, 大野 友久, 黒田 百合, 佐藤 友里, 西村 立, 橋本 育子
    耳鼻と臨床
    2007年 53 巻 6Supplement2 号 S153-S161
    発行日: 2007/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    従来、嚥下障害の評価は運動機能面中心での評価であり、感覚機能面での評価はほとんどなされていない。咽喉頭感覚の評価法として新しく開発された、喉頭内視鏡を用いた探触子法での咽喉頭感覚テストを嚥下障害患者において施行したので報告する。対象者は嚥下造影で咽頭残留所見を認めた嚥下障害患者35名である。テストに用いる喉頭内視鏡 (XENF-DP) と探触子はオリンパス社と共同開発したもので、探触子は4種類あり、細い径より上行的に触れ検査施行し、自覚所見と喉頭内転筋反射でみる他覚所見が一致した場合に陽性と判定した。検査部位は、喉頭蓋喉頭面と、可能な場合は左右披裂部位である。喉頭の感覚闘値と咽頭残留感の自覚、食物誤嚥、唾液誤嚥、肺炎の既往との相関関係を認めた。咽頭残留感の自覚、唾液誤嚥の2項目について喉頭感覚との相関関係を認めた。つまり、咽頭残留の自覚がない場合や唾液誤嚥を認める場合、喉頭感覚は有意に低下していた。今後症例数を増やし、喉頭感覚低下と誤嚥や肺炎との相関や予防的観点からも幅広く臨床応用につなげていきたい。
  • リハビリテーション医学
    2004年 41 巻 10 号 702-707
    発行日: 2004/10/18
    公開日: 2009/10/28
    ジャーナル フリー
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