民間
航空機
の運航会社は,機体の耐空性を維持するために必要な整備を規定する自社の整備プログラムを有する必要がある.安全性に加え,良好な運航性と経済性も両立できることが,民間航空運送事業を成立させるために求められる.一方,各運航会社は
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メーカーが規定する整備プログラムに基づき,矛盾の無い自社の整備規程の承認を航空局から取得しなければならない.そのため,
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メーカーは,世界中の顧客となる運航会社の運航環境を十分に考慮することが強く求められる.世界の民間航空業界では官民の半世紀にわたる標準化の取り組みにより,整備プログラム開発手法をMSG-
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(Maintenance Steering Group-
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)としてまとめ,顧客中心の意思決定の枠組みも各国で調整が進められてきた.本稿では,三菱
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(株)が国内で初めて民間
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の整備プログラム策定に用いたMSG-
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の手法と枠組みについて,
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メーカーの観点から解説する.さらに,新たに導入が合意されたAircraft Health Monitoringを用いた新しい整備方式等,最近の動向についても紹介する.
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