月表面熱流量観測は、1971年7月31日から1977年9月30日までの、6年間行われた。Langseth et al. (1976)は観測開始から3年強(1975年初めまで)のデータ解析を行いて月表面熱流量値を18 mW/m2と決定した。1975年以降の観測データは未解析である。我々は1976年3月1日以降の熱流量観測データの入手し、データアーカイブと物理量変換に成功した。既に解析されたデータとこのデータを合わせて解析した結果、月熱流量値はLangseth et al. (1976)の約1/4である、3.7 mW/m2となった。
一酸化炭素の昇華温度は約20Kであり、原始惑星系円盤の低温領域では一酸化炭素がダスト表面に凍結していると考えられる。しかしDartois et al. (2003)は13COの2つの回転輝線強度比からCOガスの温度を13Kと推定した。本講演では原始惑星系円盤内の鉛直温度分布、乱流拡散、分子凍結速度について考察し、乱流拡散によって低温なCOガスが観測可能な程度の量生成されることを示す。