従来のコンペティティブ
インテリ
ジェンス研究では,製品とサービスが明確に区別されてこなかった。しかし隣接学問領域においては,製品とサービスに関する共有部分や差に関する議論が活発に行われている。この流れを受けて本論文では,従来のコンペティティブ
インテリジェンスとサービスのコンペティティブインテリ
ジェンスの差に関する仮説提示により,サービス産業におけるコンペティティブ
インテリ
ジェンスへの学術的寄与を目的にする。具体的には NTT が,インターネット出現時に自社の競争環境をどのように認識していたかの単一事例研究を行った。製品とサービスを切り分ける視点はChristensen が提唱した価値ネットワークに求め,技術
インテリ
ジェンスと対比して分析した。結果として,(1)技術
インテリ
ジェンスと価値ネットワークに関する
インテリ
ジェンスは独立して扱うことができる,(2)自社の技術が競合他社に比べて大きく遅れていない場合,価値ネットワークに関する
インテリ
ジェンスが競争力の源泉となるという二つの仮説が生成された。
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