2017 年 64 巻 2 号 p. 66-73
ホタテガイの軟体部を貝柱,小柱,生殖腺,鰓,中腸腺,外套膜の6部位に分離した.これらを5°Cで2日間保蔵し経時的に臭気の強さ,不快感の有無について官能評価を行った.また,GC-MSによる臭気成分の分析,VB-N,TBA-RS,低温細菌数の測定を行った.その結果,いずれの部位も水揚げ直後から臭気が認識されることがわかった.また,臭気が強まるにつれて不快感が強くなっており,保蔵中に不快臭物質が増加あるいは生成していることが示唆された.GC-MS分析から,主な臭気成分としてDMS,(5Z) -octa-1,5-dien-3-ol,1-penten-3-ol,hexanalなどが検出された.これらの成分は部位によって異なっており,貝柱と中腸腺は硫化物,小柱と生殖腺はアルコール,鰓と外套膜はアルコールおよびアルデヒドが主な臭気成分と考えられる.生鮮ホタテガイの臭気はこれらの物質によって形成されていると考えられる.また,VB-Nは不快臭生成の指標になることが示唆された.