2024 年 24 巻 7 号 p. 299-304
メイク落としの基本的な価値は,メイクを落とす能力とさっぱり感であることが知られている。さらに,高いレベルのニーズとして,「肌に負担がかからない」「液だれしない」「洗い流しやすい」などがある。これらの課題を解決する有力な候補として,泡タイプのメイク落としが想定されてきた。しかし,化粧料には疎水化された粉体,ワックス,皮膜形成剤などの疎水性固形成分が多量に含まれている。これらの成分が泡膜に侵入して破泡してしまうことや,泡を形成する界面活性剤が一般に高い親水性を有することなどが原因で,泡タイプのメイク落としを作ることは従来不可能であった。
我々は,陰イオン/両性界面活性剤混合物を,メイクアップ除去能力に優れていることで知られるバイコンティニュアスマイクロエマルション(BME)相にハイブリッド化することに成功した。この溶液をポンプフォーマーから吐出すると,濃密な泡が形成され,泡状のメイク落としが初めて実現した。さらに,この泡状メイク落としがメイクに触れると,メイクアップが自発的に溶解するという興味深い現象を発見した。
この現象は,メイクとの接触により適度な消泡が起こり,界面活性剤分子が空気/メイク落とし界面からメイクとの界面へ供給され,界面張力の不均一化によって水流が生じてメイクを落とすものである。泡状BME相によって達成されるこの泡の新規機能により,上記の消費者ニーズを満たす新規メイク落としの開発に成功した。