日本水産学会誌
Online ISSN : 1349-998X
Print ISSN : 0021-5392
ISSN-L : 0021-5392
報文
スケトウダラの卵から初回産卵期に至る飼育手法の検討と産卵数および卵サイズに及ぼす給餌量の影響
中川 亨田中 寛繁千村 昌之山下 夕帆横田 高士
著者情報
ジャーナル フリー
電子付録

2019 年 85 巻 3 号 p. 321-330

詳細
抄録

 スケトウダラを卵から成魚まで屋内で飼育し,成育履歴を把握した人工生産魚を親魚に用いて給餌量が産卵数や卵サイズに及ぼす影響を検討した。人工生産魚の初回産卵は満2歳となった直後に確認された。人工生産魚を2群用意し,初回産卵期の8か月前から異なる給餌量で飼育したところ,雌単位体重あたりの産卵数には群間で差は認められなかったが,高給餌群由来の卵は低給餌群由来の卵よりも大型であった。人工生産魚を用いた飼育実験により,本種の親魚が産出する卵の量的,質的特性と親魚の状態との関連性が追究可能となった。

著者関連情報
© 2019 公益社団法人 日本水産学会
前の記事 次の記事
feedback
Top