本稿は動作の完了を表す動態助詞‘〓
1’, と‘了
1’の違い及び‘〓
1’の用法について論じる。経験態を表す‘〓
2’と語気助詞‘了
2’は本稿の対象ではない。
‘〓
1’と‘了
1’は従来の論述では同じく動態の完了を表すので, 置き換えることができると諭ぜられている。例えば“他吃〓〓了”は“他吃了〓了”に言い換えられるとされている。しかし, ‘〓
1’ と‘了
1’には大きな違いがあり, ‘了
1’が使えても, ‘〓
1’が使えない場合が多い。例えば“他学完了〓〓”“我〓了一跳”“他〓〓放了心了”はそれぞれ“他学完〓〓〓”“我〓〓一跳”“他〓〓放〓心了”とは言えない。
本稿はまず‘了
1’を‘〓
1’に言い換えられない情況, 次に‘了
1’と‘〓
1’が言い換えられる条件, 二つを同時に使う条件を論じる。そして, ‘〓
1’の文法的意味を分析する。
‘〓
1’は‘了
1’より使用範囲が狭く, 既知の情報や日常生活についての動作の完了に限って使える。形の上でも制限がある。文末に必ず語気詞か語気助詞‘了
2’を伴う。前後二つの動作がある場合は, 前の動作の完了を表す時に使う。
抄録全体を表示