昨年10月、日本中国語学会第52回全国大会 (2002年10月26-27日、金沢大学) において、本学会としては久々のパネル・ディスカッションが行われた。「隣接領域から見た中国語学」と題する本ディスカッションは、冒頭で司会の中川正之氏が開催の趣旨を述べ、続いて、認知主義的な言語研究の領域から定延利之氏、日本語研究の領域から井上優氏がそれぞれ本号前掲論文 (「インタラクションの文法, 帰属の文法」、「「のだ」文と“的”構文」) の内容を骨子とする発表を行い、その後、コメンテーターとして中国語学の立場から木村英樹が加わり、三者の間で意見交換を行うというかたちで進められた。以下は、定延、井上両氏の発表後の意見交換の内容を、木村のコメントを中心に、若干の加筆・修正を加えつつ抄録のかたちで記したものである。
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