Edaphologia
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111 巻
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 茅根 重夫
    2022 年 111 巻 p. 1-5
    発行日: 2022/07/25
    公開日: 2023/07/25
    ジャーナル フリー
    私の関係したフシダニ科,ダルマヒワダニ科及びマドダニ科のダニ類に関する研究結果の概要を発表.フシダニ科ではクコフシダニの生態観察から,頂芽付近での造えい行動や葉縁での分散行動を確認した.ダルマヒワダニ科では日本から5 属 34 種 3 亜種(新種は15 種 3 亜種),マドダニ科では9 属 59 種 3 亜種(新種は 4 属42 種 1 亜種) を記録し,マドダニ科の世界の属の系統解析と分布も考察した.
  • Enami Yoshinari
    2022 年 111 巻 p. 7-15
    発行日: 2022/07/25
    公開日: 2023/07/25
    ジャーナル フリー
    畑地に棲息する土壌動物が農作物の生産にとって好適にはたらくことが期待されることから,土壌動物の有益な機 能を明らかにするために幾つかの試験を実施した.多様に管理された試験ほ場において土壌動物を調査したところ, ミミズ類の個体数と土壌団粒量の間に,またササラダニ類の個体数と可給態窒素量との間に正の相関が認められた.また,ササラダニ類は土壌が不耕起で管理されると有翼類が優占し,耕起されると無翼類が優占した.菌食性のヒダカフォルソムトビムシとアヅマオトヒメダニがアブラナ科野菜に苗立枯れを起こす病原糸状菌(Rhizoctonia solani)を旺盛に摂食して苗立枯れ病を抑制することを明らかにした.ヒダカフォルソムトビムシについては簡易な大量飼育法を確立し,温室内のほ場(約1 m2/ 区)の規模で実施した試験においてもその発病抑制効果は確認された.農家の育苗作業にトビムシを導入したところ,早春の育苗では発病抑制効果を認めたが,育苗土の温度が30℃を超える初夏には全く発病を抑制出来なかった.土壌リン脂質脂肪酸を解析することで土壌微生物相への影響について調べたところ,稲わらが施用された土壌にミミズを導入すると土壌微生物バイオマス量が増加し,また,ミミズの導入と稲わらの施用はそれぞれ独立して土壌微生物相を質的に変化させていることが示唆された.
  • 菱  拓雄
    2022 年 111 巻 p. 17-30
    発行日: 2022/07/25
    公開日: 2023/07/25
    ジャーナル フリー
    形質ベースのアプローチは,土壌無脊椎動物と環境変量との間の機械的な関係を評価する上で強力なツールであ る.この総説は,トビムシの種の機能形質にしたがって,環境選択の過程について,特に優占種ごとの反応や機能群 との比較において説明している.トビムシは局所的な種数が高く,それぞれの種が異なる環境変数に反応している. このため,種ごとの解析アプローチでは一般的な原則を見出すのが難しい.一方,主に棲み場所に応じたトビムシの 機能群は,トビムシ群集と有機物堆積様式の関係を明らかにする際に有用であった. しかしながら, 機能群のアプ ローチは多くの種数を持つ複雑なトビムシ群集を説明するにはあまりに粗すぎる.形質アプローチは,トビムシの群 集形成過程を自然の環境勾配や気候変動に対する,機能形質の選択過程として定量的に明らかにする手法である.森林土壌の地形傾度に沿ったトビムシ群集の例では,体長と土壌適応スコアの形質の変動を種構成や生活形機能群の構成の変動と比較すると,環境傾度に関係する機能形質の平均値や多様性の説明力が高かった.さらに,環境との間で生じている過程を解析から直接説明できた.今後,生活史,生理,行動などに関する新たな機能形質の探索が求められる.また,トビムシの群集形成に関わる様々な空間スケールでの検証から,異なる進化的,地理的基盤の元での環境と形質の関係の一般性や特異性が解明されることが期待される.
  • 野村 周平
    2022 年 111 巻 p. 31-37
    発行日: 2022/07/25
    公開日: 2023/07/25
    ジャーナル フリー
    コウチュウ目ハネカクシ科の1 亜科であるアリヅカムシは,ほとんどの種が土壌中に生息する捕食性の微小甲虫である.日本およびアジアにおける最近の研究では,未記載種を含む多くの種が吊下げ式のライトトラップ(中瀬式ライトトラップ:NLT),衝突板トラップ(FIT)およびカーネット(トラック・トラップ)によって採集されている.本稿ではアリヅカムシの採集法とその結果に注目して,アリヅカムシの生息環境や生態についての知見を総括した.
  • 中村 修美
    2022 年 111 巻 p. 39-90
    発行日: 2022/07/25
    公開日: 2023/07/25
    ジャーナル フリー
     カマアシムシ類の分類学史を概説し,中胸・後胸に気門を備える種と欠く種にわけ分類形質について解説した.さらに,各種について判別形質やタイプ産地,分布状況を紹介するとともに,種までの図解検索図を示した.
  • Taizo Nakamori, Atsuko Ohira, Sachi Matsumoto
    2022 年 111 巻 p. 91-92
    発行日: 2022/07/25
    公開日: 2023/07/25
    ジャーナル フリー
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