土壌汚染がどのような生態リスクを土壌動物にもたらすのかを解析する方法についての研究レビュー を行った。土壌動物の毒性試験は慢性毒性を個体レベルで測定し, 群集レベルに外挿する方法が中心 である。 農薬, 重金属, 多環芳香族炭化水素の曝露に対して, 成長, 生殖が種ごとにことなった程度 に阻害されている。 土壌動物への生態リスクの増大は,土壌動物の減少や変化により, 落葉分解など の土壌のもつ生態学的サービスを失うことにつながるので, 土壌生態系への生態リスクとして捉える ことができる。 今後, 土壌生態系のリスク評価ができるようにシステムレベルでの試験方法を確立す ることと, 日本産の土壌動物に関する基礎データの蓄積が重要であると考えた。
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