Edaphologia
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64 巻
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  • Yoshio NAKAMURA
    1999 年 64 巻 p. 1-78
    発行日: 1999年
    公開日: 2023/08/15
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    KINBERG (1866 [1867]) は, SAVIGNY (1822)の創設した科Lumbricinaの属を1体節に具える剛毛数に基づき3群に分けた。その中で, 1体節に8本以上の剛毛を有する群にSCHMARDA (1861) のPerichaeta 属と加えて新しく5属(Amynthas, Lampito, Nitocris, Pheretima, Rhodopis) を所属させた。それ以降, BEDDARD (1895a, 1900a), COGNETTI (1906), EASTON (1976), GATES (1959a, 1972), MICHAELSEN (1892, 1899a, 1900a, 1928b, 1934a), SIMS (1978), SIMS & EASTON (1972)らが, 1体節に8本以上の剛毛を有する属を再検討した。そしてEASTON (1979) は8 属に整理し, これらをフトミミズ科 「Pheretima 属グループ」とした。その後, EASTON (1981, 1982)が2属を新設した。現在はPheretima 属グループの中に次の10属が所属し, 世界中から約800種が記載されている : Amynthas KINBERG (1866 [1867]), Archipheretima MICHAELSEN (1928b), Begemius EASTON (1982), Metaphereima MICHAELSEN (1928b), Metaphire SIMS et EASTON (1972), Pheretima KINBERG (1866 [1867]), Pithemera SIMS et EASTON (1972), Planapheretima MICHAELSEN (1934a), Pleionogaster MICHAELSEN (1892) and Polypheretima MICHAELSEN (1934a).

    この約800種の中で初めて報告されたのは,筆者が知る限り, GRUBEが1866年に新種として記載したPerichaeta taitensisである。なお本種は1900年にMICHAELSENがPheretimaに移籍した。

    日本の大型陸生貧毛類は6科, つまりムカシフトミミズ科 Acanthodrilidae (1種), ツリミミズ科 Lumbricidae (約8種), フトミミズ科 egascolecidae (約60種), ジュズイミミズ科 Moniligastridae (約8種), カイヨウミミズ科 Ocnerodrilidae (1種程度) 及びフタツイミミズ科 Octochaetidae (2種程度)からなる。このうち日本産のフトミミズ科の種類の大半がフトミミズ属 (Pheretima) に属し, その多くが新種として記載されたものであった。EASTON (1981) は日本産フトミミズ属の種類を36種に整理した。ところが, EASTON (1981)によってシノニム(同物異名)として扱われたものの中に明らかに別種や別グループと考えられるべきものが含まれており再検討が必要と思われた。しかしながら, 現在は再検討がまことに困難な状況にある。なぜなら日本から新種として記載された記述内容が, 他種との比較の際に不十分であったり, 分類に重要とされてきた形態, たとえば受精嚢孔数には変異があまりにも多い。また記載された基準標本のほとんどが失なわれているためである。

    以降はPDFを参照ください
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