AI時代の教育論文誌
Online ISSN : 2436-4509
ISSN-L : 2436-4509
1 巻
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  • 赤堀 侃司
    2019 年 1 巻 p. 1-6
    発行日: 2019年
    公開日: 2021/09/10
    ジャーナル オープンアクセス
    データリポジトリ
    人工知能(以下,AIと略す)と人の特性についてチューリングテストを用いて抽出した結果を基に, 学習に適用することを目的として本研究を実施した。チューリングテストを用いて,問いかけに対してAIが答える回答と特定の人が答える回答を,60名の実験協力者に提示し,どちらの回答がAIかを判定してもらいその正答率を求めた。同時にAIの回答内容を吟味して,もし人間だと仮定したらどの年齢レベルかを推定してもらった。その結果,AIだと正答した率は17問全体の平均値が0.81と高い値であった。また人間だと仮定した時の推定年齢は,平均的にはおよそ中学生レベルと推定された。ただし,この結果は提示した問いの内容に強く依存することがわかった。さらに年齢推定において,その理由を自由記述で書いてもらい分析した結果,AIと人間の顕著な特徴が見出せた。この結果を元に, AI時代を生きる子どもたちの学習についての示唆を得た。
  • ―中学生の活動記録・思考力・部活動に対する意識に着目して―
    北澤 武, 二田 貴広, 土井 寛之, 平澤 実, 小村 俊平
    2019 年 1 巻 p. 7-12
    発行日: 2019年
    公開日: 2021/09/10
    ジャーナル オープンアクセス
    データリポジトリ
    本研究では,コンピュータを活用した協調学習支援システム「SPLYZA Teams」を用いて,中学生が自身のバスケットボール競技の動画を振り返る活動を行った。具体的には,チームメイトの良い動きや改善点などを,直接,動画に書き込んだり,得点のきっかけとなる場面をタグ付けしたりする活動と,振り返り活動で学んだことや,次にやってみたいことを個人のスマートフォンなどで自由に記述する活動を約3ヶ月行った。結果,システムの活用の有無による思考力の差異は認められなかったが,「動画画面での図形の検索」は「人の意見を素直に聞くことができる」と正の相関関係が認められ,かつ,「動画へのタグや注記の追加とその個数」や「書き込み」などの活動は,「私は人のために力を尽くしたい」や「私には自分のことを理解してくれる人がいる」の認識に正の相関関係が認められた。
  • ―アクティブ・ラーニングと小中学生の公的自己意識に着目して―
    北澤 武, 鈴木 庸佑, 福本 徹
    2019 年 1 巻 p. 13-18
    発行日: 2019年
    公開日: 2021/09/10
    ジャーナル オープンアクセス
    データリポジトリ
    本研究は,初めて一人一台タブレット端末の環境を体験する小中学生を対象に,対話を重視したアクティブ・ラーニングを実践し,公的自己意識に着目した分析を行った。そして,タブレット端末を活用したアクティブ・ラーニングに対する意識調査と当該授業の学習内容に関する客観テストを授業の事前事後に実施し,当該授業の約1ヶ月後に回顧記述調査を行った。これらを公的自己意識の高低による差異を比較分析した。結果,中学生の公的自己意識高群は,「タブレットの活用によってグループ学習に進んで参加できるようになる」の認識が有意に向上し,客観テストの伸びが向上した人数が有意に多いことが分かった。
  • 小孫 康平
    2019 年 1 巻 p. 19-24
    発行日: 2019年
    公開日: 2021/09/10
    ジャーナル オープンアクセス
    データリポジトリ
    本研究では,教職志望大学生を対象に,小学校におけるビデオゲーム・リテラシー教育の教材に関する意識を明らかにする。また,ビデオゲームがどのように社会に受容されてきたかという「ビデオゲームのメディア文化」の授業実践を通して,ビデオゲーム・リテラシーの学習効果を検討することを目的とする。その結果,「ゲーム依存」,「子どもに与える良い影響,悪い影響」,「プレイ時間」, 「ゲーム・リテラシー教育の指導」等の教材が必要であると考えている。また,「ビデオゲームのメディア文化」に関する教材はビデオゲーム・リテラシーの学習効果を高めることができることが示唆された。
  • コンピュータ活用による学習指導の歴史的概観と個への対応について
    村井 万寿夫
    2019 年 1 巻 p. 25-30
    発行日: 2019年
    公開日: 2021/09/10
    ジャーナル オープンアクセス
    データリポジトリ
    新時代の教育の焦点はICT活用における個への対応であるという視座のもと,コンピュータを活用した学習指導の歴史を概観しながら個への対応について考察した。結果,新時代においても個への対応が重要であることを指摘し,学習者用デジタル教科書の使いどころとその効果的な学習場面を示した。学習者用デジタル教科書による個別学習状況はスタディ・ログで把握できるため,授業改善に役立つ可能性についても示した。
  • -3つに類型化を試みた教育実践に着目して-
    小林 祐紀, 中川 一史
    2019 年 1 巻 p. 31-36
    発行日: 2019年
    公開日: 2021/09/10
    ジャーナル オープンアクセス
    データリポジトリ
    本研究の目的は,近年の小学校現場の状況を考慮し,「コンピュータを用いるのか用いないのか」 「教科学習の目標達成を重視するのかプログラミングの体験を重視するのか」の2つの観点から,小学校プログラミング教育の教育実践を3つ(a)コンピュータ等を用いてプログラミングに取り組む授業,b)コンピュータ等を用いて教科学習の目標達成のためにプログラミングに取り組む授業,c) コンピュータ等を用いずにプログラミングの考え方を用いて教科学習の目標達成を目指す授業)に類型化したうえで,それぞれの実践の成果を児童の意識変容に着目して考察することである。それぞれ の教育実践の前後に,同一の質問紙を用いて児童を対象にした思考力及び表現力に関する意識調査を実施した。結果,3つに類型化した教育実践共に,思考力と共に表現力に関する児童の意識の変容が確認できたこと。3つに類型化した教育実践は,授業展開の特徴に関連して児童の意識が変容していること。3つに類型化した教育実践の中でb)はa)とc)と比較して変容した設問が少ないこと。 3つに類型化した教育実践は児童の意識が変容している設問の多くに違いがあることの4点が明らかになった。
  • 加藤 直樹, 松田 孝, 上野 朝大, 濵田 大地
    2019 年 1 巻 p. 37-42
    発行日: 2019年
    公開日: 2021/09/10
    ジャーナル オープンアクセス
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    本論文では,プログラミング教育実施への貢献を目指し,小学校理科におけるプログラミング教育のモデルカリキュラムを設計・提案する。本モデルカリキュラムでは,“電気の利用”での創造的なプログラミング活動を目指した。そこへ向けて,理科の学びの目標から導いたプログラミング教育の適用方策への合致とワンボードマイコンの利用が適す単元へプログラミング活動を系統的に組み込んだ。そして実践を通して,必要となる時数の目安,組み込んだプログラミング要素の妥当性を確認し,カリキュラムの実行可能性を示した。
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