本研究では,コンピュータを活用した協調学習支援システム「SPLYZA Teams」を用いて,中学生が自身のバスケットボール競技の動画を振り返る活動を行った。具体的には,チームメイトの良い動きや改善点などを,直接,動画に書き込んだり,得点のきっかけとなる場面をタグ付けしたりする活動と,振り返り活動で学んだことや,次にやってみたいことを個人のスマートフォンなどで自由に記述する活動を約3ヶ月行った。結果,システムの活用の有無による思考力の差異は認められなかったが,「動画画面での図形の検索」は「人の意見を素直に聞くことができる」と正の相関関係が認められ,かつ,「動画へのタグや注記の追加とその個数」や「書き込み」などの活動は,「私は人のために力を尽くしたい」や「私には自分のことを理解してくれる人がいる」の認識に正の相関関係が認められた。
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