日本福祉教育・ボランティア学習学会研究紀要
Online ISSN : 2432-4094
Print ISSN : 2432-4086
32 巻
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  • 6人の障害者へのインタビュー調査を通して
    野川すみれ
    2019 年 32 巻 p. 5-16
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/10/23
    ジャーナル フリー
     本研究では、福祉教育に参加している障害者 6 人へのインタビュー調査の分析をもとに、障害者が福祉教育に長期的に参加することによる変化や意義と、彼らが志向する福祉教育プログラムのあり方を考察した。分析の中で、〈障害者〉が福祉教育に長期的に参加していく過程で、自らに関する社会福祉問題を認識し、より他者や社会への関心や問題意識を高め、〈障害当事者〉へと変化していくこと、また学校などから【要請されたプログラム】と彼らが【志向するプログラム】が乖離していることが明らかとなった。その中で障害当事者が志向するプログラムとして伝えたいことは、ストレングス視点に基づき、双方向に理解し合い助け合うものであった。また、そのようなプログラムを創出するためには福祉教育プログラムの企画から実施まで障害者が参画し、協同実践を通して相互に学び合う過程が必要であることを整理した。
  • 活動開始前の非行問題との接点や関心の程度とBBS会「ともだち活動」における学びに焦点を当てて
    間野 百子
    2019 年 32 巻 p. 17-28
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/10/23
    ジャーナル フリー
    本稿では、日本のBBS運動(Big Brothers and Sisters)の中軸の活動である、「ともだち活動」を通 した援助者の学びに、活動開始前の非行問題との接点や関心の程度がいかに反映されるのかについて明ら かにすることを目的とした。活動経験者を対象として実施した質問紙調査の結果に基づいて、協力者を「間 接的当事者」(自らは直接の非行体験は有していないが、直に体験したことのある、非行傾向・環境につい て言及している人)、「関心あり」(直接・間接ともに当事者体験は有していないが、少年が抱える課題や少 年を取り巻く環境への関心について言及している人)、「未知の世界」(直接・間接ともに当事者体験を有さず、 非行問題は未知の世界であった人)に分けた。それら 3 群とカテゴリー化した学びの内容について解析し た結果、活動前の非行問題との接点や関心の程度により学びの内容が質的に異なっていることが示唆され た。
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