日本福祉教育・ボランティア学習学会研究紀要
Online ISSN : 2432-4094
Print ISSN : 2432-4086
36 巻
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  • 実践研究を中心としたスコーピング·レビューより
    加野 佑弥
    2021 年 36 巻 p. 5-18
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/11/10
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、日本の大学でのシティズンシップ教育に関する実践研究を中心に整理、分析し、そこで報告された実践の特徴と課題を明らかにすることである。日本の大学でのシティズンシップ教育に関する実践研究を対象にスコーピング・レビューを実施し、得られた文献の内容分析とマッピングを行った。結果、次の特徴が明らかとなった。①大学でのシティズンシップ教育実践が取り組まれる背景には、主に「地域社会の発展」と「若者の政治参加促進」といった社会課題が影響を及ぼしているとみられること。②その教育目標には、能力や資質を身に付け、能動的に社会参加できる市民像が設定される傾向にあること。③学生の経験を中心とした教育方法が重視される傾向があること。④具体的な職業アイデンティティを通じた教育方法がとられている点に独自性がみられること。また、その実践には、政策動向が影響を与えているとみられ、その点に課題があると考えられる。
  • ポジショニング理論に基づく質的分析
    緒方 亜文
    2021 年 36 巻 p. 19-33
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/11/10
    ジャーナル フリー
     本研究は、大学における全盲学生との友人関係における晴眼学生の対人理解の構造を明らかにすることを目的とした。全盲学生 2 名と晴眼学生 5 名に対するインタビューを行い、両者で共有された交流の内容、晴眼学生から全盲学生への認識、障害の理解をテーマとした質的テキスト分析によって明らかにし、それらの関係性をポジショニング理論によって検討した。交流の内容については、[行動の共有]、[言語の共有]の 2 つのカテゴリが、全盲学生への認識については、[不自由な存在]、[自立的な存在]、[魅力ある存在]の 3 つのカテゴリが、障害の理解については、[特別性としての障害]、[一特性としての障害]の 2つのカテゴリが見出された。後者 2 つのテーマは、それぞれ相反する認識を含んでいたが、異なる交流の内容と自身の立場性の認識から生じるため、認知的な不協和が起こりにくいような晴眼学生の対人理解の構造が成り立っていることが示唆された。
  • 「インクルーシブなボランティア活動の広がりを目指した事例研究法」に よるニーズの検討
    南 多恵子, 岩本 裕子
    2021 年 36 巻 p. 34-46
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/11/10
    ジャーナル フリー
  • 教員の関与と学生の学びを中心に
    山本 浩史
    2021 年 36 巻 p. 47-58
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/11/10
    ジャーナル フリー
     本稿は、新見市令和元年 9 月集中豪雨災害において、学生ボランティアによる災害支援チームが行った災害支援活動(以下、支援活動とする)を報告するものであり、特に教員の関与及び学生の学びに焦点をあてている。  災害が発生すると多くのマンパワーを必要とし、大学は地域貢献等の立場から学生を被災地に送り出す。その際に担当する教員は、本来の目的である被災地・被災者支援を逸脱することのないよう学生の支援活動を企画しなければならないし、学生を単なるマンパワーにならないよう活動内容をコーディネーションすることも必要である。  今回の支援活動による学生の学びとしては、教員が予期していない学生の学びや「災害ボランティアコーディネーション」、「被災者理解」等の学びが確認できた。そして、支援活動での経験や学びが、学生のその後に活かされたことが、一部ではあるが確認することができた。
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