地域共生社会の実現に向けて、多文化共生とボランタリズムを紡ぎ、多様な立場の一人一人が、地域を構成する一員として自律した市民社会を築くためには、人が道具のように扱われることなく、人間として、よりよく生きることをめざせるよう、互いの存在の違いを認め合い、異質性を排除せず、主体的に対等に共に生きていく姿勢を学びと実践の中で育み、そこに存在し続けられるようにする。市民自らの意志でこうした地域づくりに参加することが共生の文化を創る自治となり、それが地域における社会福祉(well-being)として多様性を重視しながら取り組むことにつながる。こうした理念を具現化する方法として、地域の多様な主体との協働を可能とするプラットフォームが考えられる。そこで、地域を基盤とする福祉教育推進プラットフォームとして地域で実践した事例から形成過程を詳細に分析し、ボランティア学習も含め、学習と実践を往還させ、さまざまな立場の人や社会資源の交流を生成する基盤となり、公共空間(公共圏)として機能し、その場で関わった人同士が新たな「親密圏」を生みだし、更なる「公共圏」の生成にもつながる共生の機会を創出し得ることを障害者と「福進協(事例のプラットフォーム)」の関わりから、多文化共生とボランタリズムを実質化する実践方法の 1 つとして検討した。
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