日本福祉教育・ボランティア学習学会研究紀要
Online ISSN : 2432-4094
Print ISSN : 2432-4086
34 巻
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 坂本 文子
    2020 年 34 巻 p. 5-18
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/11/07
    ジャーナル フリー
    日本の大学教育におけるサービス・ラーニングの効果の検証は学生の学びと成長に関するものに偏っている。地域と大学の互恵的な関係構築の重要性や体系的・複合的な評価指標の必要性が示されており、教員や地域を含んだ効果の検証が必要である。  本研究は、サービス・ラーニングの効果をめぐる主に①専門性との接続に関する現状と課題および②地域と大学の関係に対する評価のあり方を探索的に明らかにすることを目的とし、宇都宮大学地域デザイン科学部で実施されている「地域プロジェクト演習」を事例に、学生・教員・地域の 3 つの視点から量的調査によって明らかにした。  その結果、教員の専門領域との接続の重要性、文理融合型教育におけるサービス・ラーニングの効果の可能性、成人を対象とする地域コミュニティへの主体的な参画やリカレント教育においても有効である可能性、地域と大学の関係構築に関する評価指標の必要性が明らかとなった。
  • 三陸思い出パートナー中心メンバーの分析
    野﨑 瑞樹, 伊波 和恵, 萩原 裕子, 本間 萌, 野村 豊子
    2020 年 34 巻 p. 19-28
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/11/07
    ジャーナル フリー
    本研究は、アメリカの大学でサービス・ラーニングに従事するコーディネーターへのインタビュー記録をデータとして検討したものである。コーディネーターによる学生指導への関与を明らかにするために、コーディネーターによるリフレクションとトレーニングにおいて、どのような手法を用いているか、何に重きを置いているかについて 8 名のコーディネーターにインタビューし、SCAT(Steps‌for‌Coding‌and‌Theorization)を用いて理論記述を行った。その結果、リフレクションをより効果的なものにするため、求められる成果を意図的・構造的に設計するクリティカル・リフレクションを活用していた。トレーニングにおいては、コミュニティーの根本的な問題を解決するための学習環境を作り出すことを重要視するなど、コーディネーターの役割はサービス・ラーニングの運営における事務的業務に留まらず、教育的側面でも重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
  • ─アメリカの大学でのインタビュー結果をもとに─
    馬場 洸志
    2020 年 34 巻 p. 29-42
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/11/07
    ジャーナル フリー
    住民主体の地域活動が継続する要因について、活動メンバーを対象に分析した。三陸地域で長年回想法を用いた活動をしているグループの研修・実践時に質問紙調査及びグループインタビュー調査を行った。質問紙はコミュニティ感覚、世代間交流意識、各世代との交流頻度、回想法実践に関する項目、実践の自己評価について分析した。メンバーは70歳代で約40年この地域に居住していた。年齢とコミュニティ感覚、居住年数と世代間交流意識の相関が高く、まち・地域に対する意識が高かった。メンバーは別の会を主催するリーダー層が多く、キーパーソンとつながることでグループに参加し、研修・実践を重ねてきた。活動内容に関する研修によって共に学び合う心地よい仲間意識が築かれていた。回想法を理解・習得 し実践できていることが楽しみになり、参加者の反応からも活力を得ていた。研修(学習)機会が地域活動を継続する個・グループに影響していると考えられた。
feedback
Top