日本風工学会年次研究発表会・梗概集
平成25年度日本風工学会年次研究発表会
選択された号の論文の63件中51~63を表示しています
耐風設計,計測方法・風洞実験法
数値解析
  • 丸山 敬, 岡崎 純也
    p. 213-214
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/10
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    台風や竜巻などによる建物の強風被害では、風圧力の影響だけでなく、強風によって発生した飛散物が建物損傷の原因となることが多い。このため、各種飛散物の飛散性状を明らかにすることが求められる。飛散物の種類としては様々なものが報告されているが、一般に飛散物が受ける風力は飛散物の見付面積に比例して大きくなり、重量に対して見付面積の大きい瓦やスレートなどの板状飛散物はその飛散距離が大きくなる。これらの板状飛散物の飛散性状に関しては数多くの研究がなされているが、その多くは単純で対称な形をもつ平板の飛散性状を調べたもので、瓦のように単純でない形状をもった物体の飛散性状に関する研究例は少ない。本研究では瓦の飛散を数値的に計算し、単純な形状をもつ正方形平板と比較して飛散性状の違いを検討した。
  • ファム バン フック, 野津 剛, 菊池 浩利, 日比 一喜
    p. 215-216
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/10
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    数値流体解析による建物の風圧係数の予測精度を評価するためには,計算された壁面風圧を基準静圧と基準速度圧で整理する必要があるが,静圧分布や風速分布の風洞内における基本特性の予測精度は不明である.本研究では,境界層風洞を用いて気流実験を実施し,風洞内の静圧分布と発達してきた気流分布を調べた.また,風洞助走部及び測定部分を模擬したLESによる数値流体計算を行い,粗度の大きいラフネスブロックなどでは平均風速及び乱れ強度をよく再現できるが,粗度の小さいフラットの領域ではその値は計算格子の解像度に大きく依存する.風洞内の静圧分布についてはその影響が少ないことを確認した.
  • 流入条件および地表面粗度の影響
    野津 剛, 田村 哲郎
    p. 217-218
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/10
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    建築物の耐風設計を行う際に地形の影響により風速の増速が予想される場合には、風洞実験や数値解析により設計風速の割り増しの検討が行われる。ただし、LESなどの非定常解析による検討を行う場合には、流入風の変動成分の有無の影響や地表面粗度の効果など不明な点が多い。また、実地形を対象に複数の測定ポイントがある観測値と数値解析結果を詳細に比較検討した報告も少ないため、数値解析の予測精度に関する情報提供や適切な計算モデルの構築方法についての具体的な提案が望まれている。本研究では複数の観測データのあるウインドファームを対象にLESを実施し、格子解像度や地表面粗度、流入風の乱れの有無が解析結果に与える影響について確認する。
  • -観測データとの比較方法に関する考察-
    丸山 勇祐, 田村 哲郎, 岸田 岳士
    p. 219-220
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/10
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    実在地形周りの風の状況のLESを実施し、計算結果と観測データの比較を行った。実在地形周りの流れの解析では、地形の再現性・地表面の粗度の評価・観測点の位置の精度により結果が変わってくることが分かった。また、流入近傍点の観測データを計算の参照点とすることを試みたが、困難であり今後の課題として残った。
  • 片岡 浩人, 田村 哲郎
    p. 221-222
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/10
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    実在市街地を対象としたHybrid RANS/LES計算を行った。対象となるのは1.7km×1.7kmの範囲の実在市街地。全体領域をLESおよびRANSで解析した後、これらの結果を用いてDFSEMで流入気流を生成しながら、対象建物を中心とした300m×700mの矩形領域でLESを実施した。その結果、Hybrid RANS/LESでは瞬間、平均分布ともに全体領域LESの結果と良く対応している。
  • (その1)乱れの長さスケールの推定方法
    大風 翼, 小野 梓, 持田 灯, 環貫 陽
    p. 223-224
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/10
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    k-e 型2方程式モデルを基礎として開発されてきた従来のCanopyモデルでは、エネルギー散逸率e の輸送方程式の付加項を気流障害物の幾何学的長さスケールの関数として表現し、幾何学的長さスケールと障害物により分解された渦の長さスケールを関連付けるモデル係数Cpeが導入されている。従来の研究では、実験と解析の風速や抗力等の比較からCpeが間接的に推定されており、建物群内部の乱れの長さスケールを求め、その値から直接Cpeを推定した例は全くない。そこで本報(その1)では、LES解析から得られた結果から、コンシステントスキームを用いて乱流エネルギーkやエネルギー散逸率e等の高次の乱流統計量を高精度に推定する手法を示し、これらを用いて乱れの長さスケールを推定する方法を示した。
  • (その2)建物アスペクト比の相違が乱れの長さスケールに及ぼす影響
    小野 梓, 大風 翼, 持田 灯, 環貫 陽
    p. 225-226
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/10
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    アスペクト比がそれぞれ0.5、1.5の建物群を対象として、水平2方向に周期境界条件を課したLES解析を行い、建物アスペクト比の変化が流れ場や乱れの長さスケールに及ぼす影響の分析を行った。LES解析から得られた結果から前報(その1)で示した方法で乱流エネルギーk、エネルギー散逸率e、乱れの長さスケールに比例する量0を算出したところ、Canopy層内の0のケース間の比は、解析対象とした建物群の建蔽率に対応したRANSの建物Canopyモデルで想定している乱れの長さスケールのケース間の比と一致していた。
  • 地中温度の初期・境界条件が地表面熱収支に及ぼす影響について
    切石 薫, 大多和 真, 大風 翼, 持田 灯
    p. 227-228
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/10
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    近年、次世代気象モデルWRFが様々な理工学の分野で利用され始めている。これを都市気候の解析に用いるためには、都市部における地表面熱収支を構成する要素の配分が正しく再現される必要がある。本報では、WRFを用いて、夏期の晴天日を対象に仙台周辺の局地気象の解析を行い、地中温度の初期値・境界値が地表面熱収支構造へ及ぼす影響について調べた。NCEP Final Operational Global Analysis dataによる地中温度の初期値・境界値は実測値に比べ低く、解析開始後数日は対流熱伝達を小さめに、地中への熱伝導量を大きめに評価していたが、地中温度の初期値・境界値を実測値へ変更することにより、正味放射量に対する対流熱伝達および地中への熱伝導量の配分は実測結果に近づき、大きく改善することができた。
  • 榎木 康太, 小野 佳之
    p. 229-230
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/10
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    耐風設計において、より大規模の複雑地形による風速の影響評価手法の構築が求められている。複雑な地形による乱れの生成を考慮可能であることからラージエディーシミュレーション(以下LES)の適用が提案されているものの、多くは地表面近傍で得られた単一地点の観測値に基づく検証であり、上空の気流性状まで含めた検証や複数地点に渡る検証は十分ではない。そこで、本研究では気象モデルとLESによる風速の絶対値評価を通じ、気象モデルの上空風の精度検証とLESによる地形影響評価手法の広域にわたる検証を行う。
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