背景:幼稚園における健康教育は重要な役割を果たす。幼稚園における健康教育を充実させるためには、まず、幼稚園の健康教育に関する現状と課題を調べる必要がある。
目的:幼稚園の健康教育の現状と課題、健康教育を実施する上での影響要因を明らかにすることである。
方法:幼稚園に勤務する幼稚園教諭134名を対象に、GoogleフォームのWEBアンケート調査を行った。調査内容は、基本属性、健康教育の意欲、健康教育の実施状況、幼児への健康教育の内容、保護者への健康教育、保護者への健康教育の内容とした。
結果:幼稚園の健康教育の内容については、「衣服の調節についての指導」「食事に関する指導」「排泄指導」「手洗いやうがいの指導」の実施率は高かった。「性教育」「テレビやゲーム等の視聴時間についての指導」は実施率が低かった。
重回帰分析の結果、【健康教育の実施状況】に有意に直接的な影響を及ぼす要因は、【物的資源】(β=0.30、p=0.003)、【教員個人の準備状況】(β=0.19、p=0.043)であった。このモデルの調整済み決定係数はR2=0.41(p<0.001)で、これらの変数によって41%が説明された。
結論:幼稚園での健康教育を充実させるためには、教諭が健康教育を行えるよう幼稚園の環境を整えるとともに、健康教育を行う教諭を育てる必要が示唆された。
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