養護教諭の活動は、教育活動として実践されておりPDCAサイクル(Plan―Do―Check―Action)が基盤となっている。その中でも「Check(評価)」は、次の実践を効果的に行うために不可欠なものである。しかし、養護教諭の実践に対する自己評価はその職の独自性や専門性から容易でなく先行研究も多いとは言えない。特に、養護教諭固有の役割である健康相談活動に対する評価は個々の子どもに対する心身両面への支援を対象としている。そのため、その実践に対する評価は教諭の教育実践評価に比べると実施や観点が明瞭ではない。
本研究は、質問紙調査票を用いて養護教諭の健康相談活動に対する自己評価の実態を明らかにすることを目的とした。2007年9月から11月にかけ2県397名の養護教諭を対象に質問紙調査を実施した。結果は、次の通りである。
1.健康相談活動に対する自己評価は概ね高かったが、他者評価に関する項目は低かった。
2.研究的な視点を持ち取り組むことへの評価は低いが、中学校より小学校の養護教諭は研究的な視点を持って取り組んでいた。
3.経験年数の多い養護教諭は、学校内外の連携やPDCAサイクルに関連する評価が高かった。
4.健康相談活動に対する自己評価には、評価基準や評価尺度の検討が必要である。
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