2歳齢, 雌のコリーに4カ月齢より顔面と圧迫部を中心とした色素沈着を伴う脱毛および落屑性紅斑がみられた。皮膚の病理組織学的検査により, 基底層を中心に単核球の浸潤と水腫が認められ, 家族性皮膚筋炎と診断した。日光回避, 抗生剤, ビタミンEとニコチン酸合剤の内服とともに随時ステロイド剤で治療し症状の軽減をみたが, 発情期や夏に悪化が認められた。転居後近医にて長期的にステロイド剤が投与され, 医原性クッシング症候群を発症し再診となった。ステロイド投与中止と対症療法により, 一般状態や発疹の改善を認めたが, 突然死した。剖検により全身の骨格筋および心筋線維の変性および再生と糸球体腎炎が認められた。
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