6歳齢,雄のポメラニアンに,3歳齢頃から発生し漸次拡大した会陰部および大腿部尾側の色素性脱毛と体幹部乏毛が認められた。皮膚病変以外に全身的な代謝異常を示唆する徴候はみられなかった。血液検査,血液化学検査,ACTH剌激試験では特記すべき異常を認めなかった。低用量デキサメサゾン抑制試験で負荷後コルチゾール値の抑制が不十分であったが,MRI検査で副腎の著しい腫大を認めなかったことから,副腎性性ホルモン失調症と診断した。皮膚環境改善剤,性ホルモン剤治療では改善が認められなかったが,偶発的なノミ寄生および汎発性膿皮症の発症後,著しい発毛がみられ,5カ月後に完全に被毛の状態は回復した。
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