日本臨床生理学会雑誌
Online ISSN : 2435-1695
Print ISSN : 0286-7052
49 巻 , 3 号
日本臨床生理学会雑誌
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
総説
  • 長坂 行雄, 土谷 美知子
    2019 年 49 巻 3 号 p. 107-111
    発行日: 2019/08/01
    公開日: 2019/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

     COPD は肺気腫と慢性気管支に分類され,肺気腫は痩せてチアノーゼのないpink puffer,慢性気管支炎は肥って咳,痰が多く浮腫,チアノーゼのあるblue bloater という特徴があった.抗菌薬が普及しblue bloater は激減した.ガイドラインでは気腫型と非気腫型に分けられる.最近では非気腫型でも咳,痰は少なく,痩せておらず浮腫,チアノーゼも認めない.禁煙後 10 年以上で発症する例もある.

     肺機能では呼出障害を示すが,動的過膨張とair trapping のため自覚症状は「息が吸いにくい」が多い.横隔膜の働きが損なわれ,肺コンプライアンス(Cl)が大きいので頸部の呼吸補助筋のうちストロークの長い胸鎖乳突筋が発達する.胸鎖乳突筋の発達は1 秒量<1 L を示唆する.CPFE は間質性肺炎との中間で横隔膜も働きCl も正常に近く斜角筋の役割が大きい.このように病態生理で症状,身体所見が理解できる.

  • 今井 昇
    2019 年 49 巻 3 号 p. 113-123
    発行日: 2019/08/01
    公開日: 2019/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

     近年急速に進歩している脳機能画像診断法,特にMRI を用いて行うfMRI(functional magnetic resonance imaging)やVBM(Voxel-based morphometry)は低侵襲で簡便に繰り返し行えることより,片頭痛や群発頭痛の病態について多くの新たな知見が報告されている.片頭痛については,fMRI,安静時fMRI,VBM より片頭痛発作周期に伴い,疼痛刺激に対する活性化部位や視床下部との結合能が変化し,体積も疼痛処理に関する部位を中心に発作期と発作間欠期で変化することが示されてきた.群発頭痛では,fMR とVBM を用いて視床下部の活性化と細胞密度の増加,中脳との結合能の変化が示されている.これらのfMRI,VBM の研究から,片頭痛ならびに群発頭痛は構造的,機能結合的にダイナミックに変化する疾患であることが明らかになってきた.

  • 山田 純生, 足立 拓史
    2019 年 49 巻 3 号 p. 125-129
    発行日: 2019/08/01
    公開日: 2019/12/15
    ジャーナル オープンアクセス
  • 加藤 士郎
    2019 年 49 巻 3 号 p. 131-136
    発行日: 2019/08/01
    公開日: 2019/12/15
    ジャーナル オープンアクセス
原著
  • 丸橋 達也, 木原 康樹, 冨山 博史, 東 幸仁
    2019 年 49 巻 3 号 p. 137-142
    発行日: 2019/08/01
    公開日: 2019/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

     背景:上腕動脈を用いたflow-mediated vasodilation(FMD)検査は,血管内皮機能測定方法として汎用されている.しかし,明確な基準値は設定されておらず,測定結果の解釈も一定のものはない.本研究では,FMD の正常値と境界値,異常値の検討を行った.

     方法:正常値と境界値のカットオフ値の設定には,日本で行われた多施設共同研究FMD-J研究のデータを用いた.境界値と異常値のカットオフ値の設定は,これまでに報告されているFMD 値と心血管疾患発症の関連を前向きに検討した臨床研究から解析を行った.

     結果:FMD-J 研究のデータベースに登録された健常人1617 名と動脈硬化危険因子保有者4796 名のFMD カットオフ値は,ROC 解析より6.9%であった.また,これまでに報告されている4 つの臨床研究における心血管疾患発症高リスク患者のFMD カットオフ値は,2.9%~4.7%であった.

     結論:FMD の正常値は7%以上,異常値は4%未満,境界値は4%~ 7%が妥当と考えられた.

  • 道下 竜馬, 松田 拓朗, 上原 吉就, 森戸 夏美, 仁位 隆信, 檜垣 靖樹
    2019 年 49 巻 3 号 p. 143-150
    発行日: 2019/08/01
    公開日: 2019/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

     本研究は,長期にわたる収縮期血圧(SBP)の変動と腎機能低下速度との関連について検討した.2008 年に特定健診を受診し,腎機能が正常で6 年間追跡可能であった男性303 名を対象とした.本研究では,観察期間中の健診受診毎のSBP の標準偏差(SD)を血圧変動と定義した.SBP のSD 値を対象者数が等しくなるように4 分割し,4 群間における腎機能低下速度の差異について検討した.その結果,SBP のSD 値が最も大きい群は,他の群に比べてeGFRの低下速度が有意に速く,SBP のSD 値とeGFR 低下速度は量-反応関係にあることが明らかとなった.また,観察期間中のSBP の平均値とSD 値の組合せがeGFR 低下速度に及ぼす影響について検討したところ,SBP の平均値が高く,SD 値が大きいほど腎機能低下速度が有意に速かった.本研究の結果より,長期にわたるSBP の高値とその変動は腎機能低下速度と関連することが明らかにされた.

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