目的:日本臨床歯科学会(SJCD)会員にラバーダム(RD)使用状況を調査することで,本学会の治療の質をある一面から検証することとRD使用率を上昇させるための施策を検討することを目的とする.
材料および方法:SJCD歯科医師会員1,338名を対象にアンケートによる調査を実施した.RDの使用状況や過去の教育環境,勤務状況など計19問のアンケートを作成した.調査期間は2022年9月22日~2022年10月20日とした.回収および集計は株式会社クロスマーケティングに委託し匿名性の確保に配慮した.
結果:回答数は449名,回答率は33.6%であった.SJCDにおけるRD使用率は72.8%であった.RDを使用する歯科医師は,自身が必要性を認識していた(80.7%).過去の勤務先でのRD使用状況と現在の使用状況でχ2検定を行った結果,使用する・使用しないともに有意差が認められた.
結論:歯科医師がRDを使用するきっかけには過去の勤務先でのRD使用状況が大きな影響があった.したがって,本学会の使用状況を向上させるためには,その本人に必要性を教育することは重要であるが,一方,自分の行動が日本の歯科医療に大きな影響を与える可能性が高いことを認識してもらう必要性も高い.
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